女優の倍賞千恵子と、木村拓哉が主演を務める映画『TOKYOタクシー』(11月21日公開)に、明石家さんまが木村の同僚役として"声"で出演していることが明らかになった。
『TOKYOタクシー』は山田洋次監督の劇場公開91本目となる最新作で、2022年に公開され、スマッシュヒットを記録した『パリタクシー』の日本版リメイク。
タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、高野すみれ(倍賞千恵子)を東京・柴又から、神奈川の葉山にある高齢者施設まで送ることになったのだが、その道中で起こるさまざまな出来事、すみれに起こった過去が描かれる。
この度、木村の同僚役として、明石家さんまがキャスティングされていることが明らかになった。さんまが演じるのは、木村演じるタクシー運転手・浩二の仕事仲間・佐田。ある女性からの依頼を、自分の代わりに引き受けてほしいと浩二に頼み込む。そのある女性こそ倍賞演じるマダム・すみれであり、浩二とすみれが出会うきっかけを作る重要な役どころ。電話の声のみで陽気でコミカルな人物像を想像させる、まさにさんまにしか演じられない役だ。
出演オファーがきた時の気持ちについてさんまは、「木村さん出演で、そして山田洋次監督の作品という事で何も考えず二つ返事でOKと言いました」と、憧れだった山田監督作品への参加に即決だったと明かした。また、長年の友人でもある木村との共演について、「何度も共演はしているんですが、今回は監督が山田洋次さんなのでちょっと緊張しました。僕、声の出演なんです。顔は映ってないんですけどね(笑)」とコメント。さらに、山田監督の演出は厳しかったと語り、「徹底的にこだわる方と聞いていたんですが、まさか(監督に)私が徹底的にやられるとは思いませんでした(笑)」とユーモアを交えて振り返り、演技での苦労を滲ませた。今回声だけの出演にも関わらず、アフレコではなく撮影現場で実際に木村と一緒に掛け合いをしながら収録。
あわせて、その様子を捉えたメイキング映像と写真も公開となった。メイキング映像では、憧れだった山田監督から演出を受け、緊張しながらも真剣な表情で演技に挑むさんまの様子や、別室で木村と掛け合いの芝居をする様子が収められている。山田監督からの「もう少し関西弁を抑えて欲しい」というまさかの要望に、「なぜ俺を起用してくれたんや?(笑)」と笑いながらツッコミを入れていたとのことだが、すぐさま山田監督の意図を汲み取り、演技に反映。終始笑いに包まれた現場であった様子が映し出されている。
メイキング写真は、緊張していたさんまを労うかのように、木村と山田監督が一緒に笑顔で肩を並べているクランクアップでの姿を捉えており、映画界・お笑い界それぞれの国民的なスターが集結した、豪華な記念写真となっている。
(C)2025映画「TOKYO タクシー」製作委員会
【編集部MEMO】
原作となったフランス映画『パリタクシー』は、クリスチャン・カリオン監督作で、コメディアンのダニー・ブーン、歌手のリーヌ・ルノー共演でパリを舞台としている。こちらは、パリの中心街から12.6km離れたブリ=シュル=マルヌから、中心街の反対側にあるクルブヴォワまでの道中を描いた作品だ。美しいパリの街並みを捉えたのは、『クレールの刺繍』『ブラックボックス:音声分析捜査』など、30本以上の映画制作に携わってきた撮影監督のピエール・コットロー。