近年、各地でクマの目撃情報や被害が相次ぎ、大きな話題となっている。本来であれば人を避けるはずのクマだが、従来のクマとは異なる行動パターンや習性を持つ新しいタイプのクマたちが年々増加しているのだとか。
「眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話」(日本文芸社)は、クマの多面的な魅力を図解とともにわかりやすくひも解いていく1冊。今回は、クマの常識から知られざる新事実まで、一部を抜粋してご紹介します。
○基本的に昼行性で夜は寝る
温帯や寒帯に生息するクマは、日中に活動し、日が沈んで暗くなると静かに休むのが基本です。ただし1日の活動は、季節に寄り添って少しずつ変化していきます。
冬眠から覚めたクマは、春は新葉や花、昆虫などを食べて体力回復に努め、夏になると涼しい時間帯に果実や昆虫を探して森のなかを歩き回ります。そして秋に木の実やドングリをたっぷり食べて脂肪を蓄えると、冬は巣穴にこもって冬眠するのです。母グマはこの冬眠の時期に子グマを産み、四季の移り変わりに身をゆだねて暮らしています。
とはいえ、自然のなかでの暮らしは一様ではなく、環境に応じて行動を変化させないと生き延びることができません。
たとえば、東南アジアにマレーグマというクマの仲間がいます。クマはもともと昼間に活動する昼行性の動物。しかし、暑い地域に暮らす彼らは、太陽の昇る昼間を避けて夜間に活動することがあるのです。つまり、環境によって生活スタイルを変えているのですが、人の多い土地にすむクマが、人間との接触を避けるために夜間に活動するようになるのも同じこと。
○『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』(山晃司 監修/日本文芸社)
最近では日本全国で目撃が相次いで発生したり、温暖化の影響で冬眠をしないクマも確認されたりすることから、話題に事欠かない今大注目の動物「クマ」。さまざまな角度からクマの生態と特徴を解説し、クマの知られざる魅力に迫る一冊。
→眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話