NVIDIAは10月22日、都内でクラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」に関する説明会を実施しました。昨今クラウド側のアプライアンスにNVIDIA Blackwell世代を追加してゲーミング体験を強化しているとのことで、現地では実際にNP-TYO-01インスタンスに接続してのデモが行われました。


NVIDIA GeForce NOWといえば、ゲーム向けGPUメーカー大手であるNVIDIAが直接提供するクラウドゲーミングサービスです。手元の環境ではなくクラウド側のサーバーでゲームの描画処理を実行し、その映像を手元のデバイスに転送。操作入力をフィードバックしてゲームプレイを行うというもので、スマートフォンのように非力なデバイスで強力なゲームプレイを行うことが可能です。

サービスが軌道に乗ってきた段階ではNVIDIA Ada Lovelace、いわゆるRTX 40シリーズをサービス基盤に用いていましたが、消費者向けには昨今RTX Blackwell、RTX 50シリーズをリリース済み。この世代更新をクラウドゲーミングサービスにも随時適用していくと発表があり、日本でのGeForce NOWでもRTX Blackwellリグを使えるようになった模様です。

この更新により、NVIDIA DLSS 4への対応が見どころ。マルチフレーム生成をサポートしたことでフレームレートを最大4倍まで引き上げられるようになり、対応する環境では5K(5,120×2,160ドット)で120fpsという高解像度・高フレームレートゲーミングに対応します。

RTX Blackwellへの刷新といってもそれくらいかなと思いきや、細かいところでは周辺機器デバイスの対応を拡充。要望が大きかったというレーシングホイールにLogicool製品の一部で対応を実現し、高品質なドライビングゲームをより没入感を高めて楽しめるようになりました。今のところG29、G920のホイール・ペダルセットをサポートしています。

加えて、Steam Deckへのネイティブ対応によって設定をチューニング。搭載するパネルが90Hzであることを活かして、90fpsでのゲームストリーミングに対応します。
Steam Deckのように限られた性能のデバイスでも、高品質でなめらかなゲームプレイを行えます。

かなりニッチなところでは、対応する環境でH.265 10bit YUV 4:4:4の色空間に対応した伝送をサポートするように。ごく一部のユーザーから寄せられていたという画面表示の階調をより改善し、微妙な暗さや明るい部分の表現が豊かになったそう。正直なところ、筆者にはAV1 10bit YUV 4:4:4でも十分高品質に見えました。

PCゲーミングといえばGPUも重要ですが、クライアントを保存するストレージも必要。「Ready-to-Play」タグがついた主要なゲームタイトルはGeForce NOWサーバー上のフラッシュストレージに保存されているので不要ですが、「Install-to-Play」タグが付与されたゲームはサーバー上にダウンロードする必要があります。

Performance会員とUltimate会員には100GBのシングルセッションストレージを確保していますが、今回セッションをまたぐ永続ストレージの提供も開始しました。最大1TBまで購入でき、マイナータイトルやSteamのクラウドセーブに対応しないゲームを快適にプレイできます。

現地では会議室に太い回線を敷き、さまざまなデモを実際に試すことができました。個人的には、やはりハンドルコントローラーを使ってレーシングゲームをプレイするデモが一番リッチに感じられました。クラウドゲーミングという仕組み上避けられない描画遅延がマウス操作のゲームでは若干顕著に感じられることもあり、ゲームパッドやハンドルコントローラーでのプレイに向くタイトルがオススメです。

GeForce NOWは現在サービスを提供中。
一時期は人気のために新規登録を休止していましたが、記事制作時点ではPerformanceプラン、Ultimateプランともに加入できます。一般的な環境では十分Performanceプランでクラウドゲーミングのパワーを感じられるはずなので、一度試してみるとよいでしょう。なお、ローカルデバイスの性能・ストレージの空き容量は不要ですが、それなりに安定したネットワーク回線が必要です(システム要件)。
編集部おすすめ