KDDIは17日、新料金プランとして「マネ活2」を発表した。既存料金プランの「auバリューリンク」「使い放題MAX+」に組み合わせて「auバリューリンク マネ活2」「使い放題MAX+ マネ活2」として提供される。


「マネ活2」では、auじぶん銀行との連携を強化し、決済での特典を扱いやすくするなどのサービス改善を図った。最大で毎月4,700円相当の還元が得られるプランとなっており、特にauじぶん銀行口座へのキャッシュバックについては、「日本の通信業界で初めて」だとKDDIの松田浩路社長は強調する。

「マネ活2」の提供開始は12月1日から。料金は「auバリューリンク マネ活2」で月額9,328円、「使い放題MAX+ マネ活2」で月額9,108円。各種割引適用時の実質負担額は、最安でそれぞれ3,528円、3,308円となる。

また同日、Netflixとの協業を強化して、最大5カ月間は「Netflix(広告つきスタンダード)」を追加料金なしで利用できるキャンペーンについても発表。auユーザー/UQ mobileユーザーのNetflixへの新規加入が前提だが、キャンペーン期間終了後も「サブスクぷらすポイント」を適用することで、Netflixの利用料金の20%がPontaポイントで還元される。
○「auの秋と言えばマネ活」auじぶん銀行との連携を強化

「マネ活」は、KDDI(au)の金融連携の料金プラン。他社も現在は同様の料金プランを提供しているが、auは2023年9月から他社に先行してこの料金プランを提供してきた。各社が追随してきたために、KDDIも「マネ活」の刷新を行っていたが、「『au PAYカード、au PAYでそれぞれいくらずつの支払い』という条件があったりして分かりづらい」という点が反省点だったと松田社長は説明する。

これをシンプルにし、さらにauじぶん銀行との連携を強化するのが今回の「マネ活2」。松田社長は、「auの秋と言えばマネ活」をキャッチコピーとして、毎年秋にプランをアップデートすることで、最新の状況やニーズに合わせて改善していく考えだ。


料金プランのベースは「auバリューリンク」と「使い放題MAX+」で、それに金融連携の「マネ活2」を追加する形。ベースプラン自体は変更せず、「マネ活」の部分を毎年改良していく想定となる。

背景には現在の市場環境の変化がある。2024年3月にはマイナス金利が解除され、1ドル161円台という円安水準となってから、政策金利の引き上げを経て、日経平均株価5万円台到達と、大きな金融関係のトピックが続いた。こうした中、2024年には日本人の金融資産のうち、有価証券の額が対前年比117%に拡大するも、預貯金が6割を占める現状は変わらず、金利引き上げによる預貯金ニーズが拡大している。さらに、キャッシュレス決済比率は当初の政府目標である40%台を突破して、順調に拡大している。

こうした状況を踏まえ、「マネ活2」では銀行連携を強化。加えて、伸び悩むauじぶん銀行へのてこ入れを目指し、預貸率の向上も含めてユーザーの獲得、預金残高の上昇を狙ったプランを用意した。

「マネ活2」の契約者に対しては3つの特典を提供。1つ目は「銀行あずけて特典」で、auじぶん銀行に預金をすると、その残高に応じてキャッシュバックを行うというもの。au PAYゴールドカードの保有が必須で、auじぶん銀行残高が10万円以上であれば毎月110円、30万円以上であれば毎月330円、50万円以上であれば毎月550円が口座に還元される。

2つ目が「通信料お支払い特典」で、通信料の支払いにau PAYカードを設定しており、au PAYカードの引き落とし口座がauじぶん銀行の場合、毎月1,650円を還元する。
auじぶん銀行以外の口座を設定している場合は1,100円、カードではなくauじぶん銀行を支払い方法に設定した場合は1,100円がそれぞれ還元額となる。

3つ目が「お買い物特典」で、au PAY/au PAYカードの支払い額に応じて還元額がアップする。au PAYゴールドカード保有の場合は還元率5%(毎月2,500ポイントまで)、未保有の場合は1%(毎月2,500ポイントまで)の還元が加算される。

また、クレカ積立特典も提供され、三菱UFJ eスマート証券での投資信託の積立購入資金の決済方法にau PAYカードを設定した場合、毎月最大2%のポイントを還元する。

これらのキャッシュバックやポイント還元を毎月の利用料金に充当した場合は、auスマートバリュー併用で1,100円引き、銀行あずけて特典で550円引き、通信料お支払い特典で最大1,650円引き、お買い物特典で最大2,500ポイント分引きとなる。

結果として、「auバリューリンク マネ活2」の場合は月額3,528円の支払い、「使い放題MAX+ マネ活2」の場合は月額3,308円の支払いとなる計算。最大の還元を維持するには、年会費11,000円のau PAYゴールドカードの保有が必須で、auじぶん銀行の預金残高は50万円以上、au PAY/au PAYゴールドカードの毎月の利用金額は5万円以上で、毎月の通信料金の支払い設定が必要となる。つまり、毎月預金残高50万円を下回らないように預金をする必要があり、メインバンク化を狙ったプランと言えるだろう。

松田社長は、銀行へのキャッシュバックは業界初の取り組みだと強調。Pontaポイントだけでなく銀行へのキャッシュバックをすることで、auじぶん銀行に口座を保有することのメリットを提供。現行の700万口座はauユーザーとの通信連携が大多数との認識で、これをさらに強化することで、auユーザーのメインバンクとして拡大を図りたい考えだ。

さらにPontaポイントも利用・加算で有効期限が延長される「実質期限がないポイント」であり、用途の指定がないなど「よくある落とし穴はない」ことを指摘し、他社に比べた優位点をアピールする。


また、au PAYゴールドカードの保有を条件にしていることから、ゴールドカードの契約率拡大も狙っており、決済利用をさらに促進していきたい考えだ。
○Netflixの5カ月間無料、Starlinkの海外ローミング開始も

KDDIは2018年からNetflixとの連携を進めており、今回、新たにキャンペーンとして5カ月間、無料で「Netflix(広告つきスタンダード)」が利用できるようになる。さらに「サブスクぷらすポイント」を併用することで、その後は利用料金の20%をPontaポイントで還元する。

Netflixのビジネス・デベロップメント部門シニアディレクターの下井昌人氏は今回のキャンペーンについて、「過去最大規模のキャンペーン」と強調。KDDIとの提携によって通信技術と映像体験の未来を切り拓いているとアピールした。

auは、au Starlink Directにより、国内初のスマートフォンでの衛星直接通信を可能にした。当初はテキストメッセージの送受信と位置情報の共有に用途が限られていたが、現在はデータ通信にも対応。一部のアプリから順次、au圏外でもサービス利用ができるようになった。松田社長は、「日本国内を限りなく圏外をゼロに近づけることに成功してきている」とアピールする。

このau Starlink Directが、海外にも拡大。まずは米国での利用を可能にする。米国ではT-MobileがStarlinkを使ったサービスを提供しており、同社と連携することで、au Starlink Directのユーザーが米国でもStarlinkを利用できるようにする。


発表会にビデオメッセージを寄せたT-MobileのSVPでCSO(最高戦略責任者)のStefan Bewley氏は、T-MobileのStarlinkサービスは「最初の対応端末であるPixel 10向けにデータサービスを開始し、現在ではWhatsAppやiMessage、Googleメッセージ、Xなど数十種類のアプリに対応範囲を拡大。テキスト911サービスの提供も開始」と説明する。

2025年度内にも提供開始を予定。グランド・キャニオンをはじめ、米国のモバイル通信圏外でも、衛星通信によってデータ通信などが利用できるようになる。現状、au Starlink Directは料金プランに含まれており、当面は海外でも追加料金は不要。他の国についても順次拡大していく意向だ。

松田社長は、「商品力にしっかりと磨きをかけ、バリューを届けていく。新たな競争軸として挑戦を続けていくことを約束する」と話し、ネットワークやサービスでの強化を競争軸としてユーザーの拡大を図っていきたい考えを示している。

小山安博 こやまやすひろ マイナビニュースの編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、ケータイ、コンピュータセキュリティなどといったジャンルをつまみ食い。最近は決済に関する取材に力を入れる。軽くて小さいものにむやみに愛情を感じるタイプ。
デジカメ、PC、スマートフォン……たいてい何か新しいものを欲しがっている。 この著者の記事一覧はこちら
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