SNSやメールを通じて、スタンプと一緒にお酒を贈れるサントリーの新ソーシャルギフトサービス「ノンデネ」。受け取った人が好きなお酒を選べる“気軽なギフト”に、日常のささやかな気持ちを自然に伝えられる新しいコミュニケーションの形を提案している。


企画・開発を担当したサントリー株式会社 コミュニケーション本部 戦略推進・CRM部の竹内菜緒美さんに、「ノンデネ」誕生の背景とサービスに込めた想いについて聞いた。
○コミュニケーションをもっと気軽に——「ノンデネ」誕生のきっかけ

──まずは、竹内さんのご担当業務について教えてください。

私はサントリーグループの中でも、お酒の事業を担当する会社に所属しています。現在はコミュニケーション本部 戦略推進・CRM部にて、当社のブランドの魅力を伝えたり、ファンを増やすための活動を行っています。その一環として、「ノンデネ」の戦略立案や開発にも携わりました。

──ソーシャルギフトサービス「ノンデネ」が誕生した背景について、聞かせていただけますか。

近年、お中元やお歳暮などの伝統的なギフト市場は縮小傾向にありますが、スマホを使って気軽に贈れる「ソーシャルギフト」は急成長しています。私たちもこの動きに着目し、お酒ならではの価値を加えられないかと考えました。

お酒の魅力は、日々の生活を豊かにしたり、人と人とをつなぐところにあると思っています。ただ、昨今は「飲みに行こう」と気軽に声をかけにくい時代になってきました。また、仕事でもプライベートでも、「ちょっと声をかけたいけど、言葉にするのは少し照れくさい」と感じる瞬間ってありますよね。そんなときに、気持ちを代弁して届けられる存在になれたらいいなと思いました。


──たしかに、「飲みに誘うのがむずかしい」という声はよく聞かれます。

そうですよね。だからこそ、お酒を一緒に酌み交わすと少し心がゆるんだり、円滑なコミュニケーションの一助になることも踏まえて、より良いコミュニケーションのきっかけづくりや人間関係の潤滑油になってほしい、という思いを込めました。
○スタンプで“気持ち”を伝える、新しいギフト体験

──「ノンデネ」の特徴について、詳しく教えてください。

一番の特徴は、気持ちを伝えられる200種類以上のスタンプです。
SNSなどを通じて、相手に伝えたい思いと一緒にお酒を贈れるようにしました。誕生日やイベントなどの記念日だけでなく、日々の生活に寄り添う言葉を大切にしています。

──なぜスタンプという形にしたのですか?

気軽に送れることを重視したからです。「ありがとう」「おめでとう」といった定型文だけではなく、もっと具体的な言葉を伝えられるよう、スタンプの数にもこだわりました。
メッセージカードに自分で文字を打ち込む形式だと、手間に感じて意外とハードルが高いんですよね。そこで200種類以上のスタンプを用意し、ワンプッシュで状況に合った気持ちを手軽に伝えられる仕組みにしました。

──200種類以上はすごい数です! スタンプの言葉はどのようなフローで決めていったのでしょうか?

チーム内でブレストを重ねたほか、宣伝・広報・CRM等からなるコミュニケーション本部内で本部長からメンバーまでアイディアを募りました。
上司が大学で講義をする機会もあり、学生さんからのアイディアも取り入れています。幅広い世代の意見を集めたことで、「充電してくれてありがとう」や「プレゼンがんばったね」など、リアルな日常に寄り添うスタンプがたくさん生まれました。

──ギフトの価格は290円。8種類のラインナップから、受け取る人が商品を選べる仕組みになっています。

お酒の好みは人それぞれですし、その日の気分で飲みたいものが変わることもありますよね。また、相手の好みがわからなくても気軽に贈れるよう、受け取った人が8種類の中から自由に選べるようにしました。
コンビニで手軽に引き換えられる点や、贈る側も受け取る側も負担が少ない数百円単位の価格にした点もポイントです。

──贈る手段も、工夫されているそうですね。

はい。LINEのアカウントを知らない相手にも贈れるよう、URLを発行してメールやTeamsなどでも送れるようにしました。すでに仲の良い間柄だけでなく、もう少し仲良くなりたい相手や、少し距離のある相手に対しても、コミュニケーションを深めるきっかけとしてぜひ利用していただきたいです。
○つながりを生む“ひと押し”に——「ノンデネ」が描くこれから

──リリース後、サービスの利用者からはどんな反響がありましたか?

「言えなかった気持ちを伝えられた」「ちょっとした会話のきっかけになった」といった声を多くいただいています。

印象的だったのは、いい夫婦の日のキャンペーンで寄せられた「ノンデネをきっかけに、久しぶりに夫婦で乾杯した」という投稿です。普段は子育てで忙しく、ゆっくり会話する時間がなかったご夫婦が、「ノンデネ」を通じて改めて向き合う時間を持てたというエピソードに、私たちもとてもあたたかい気持ちになりました。

──その他、具体的にどのようなシーンで使われることが多いのでしょう?

会社の先輩・後輩や親しい友人、離れて暮らす家族やママ友同士など、想定以上に幅広いシーンでご利用いただいています。
ビジネスの場面では、プレゼンが終わった後に「おつかれさま」と贈る方や、帰省シーズンだと、兄弟に向けて「運転してくれてありがとう」と贈ったという方も。
記念日だけでなく、日常のささやかな場面に寄り添いたい思いがあったので、コンセプトに共感していただけると感じてとても励みになります。

──今後の展望や目標について教えてください。

季節やイベントに合わせたスタンプを追加していく予定です。例えば、年末年始の挨拶や春の新生活シーズンなど、気持ちを贈りたくなるタイミングで「ノンデネ」を思い出してもらえたらうれしいですね。
まだまだ駆け出しのサービスなので、認知度をさらに高めるために、公式LINE「おとなサントリー」やXでのキャンペーンを積極的に展開していきたいと考えています。

──最後に、「ノンデネ」の魅力についてひと言お願いします!

私たちは、“ただのギフトサービス”として「ノンデネ」をつくったわけではありません。ちょっと声をかけたいけど、ためらってしまう——そんな埋もれがちな言葉を届け、あたたかいコミュニケーションを生み出す存在でありたいと思っています。
飲みに誘うのは少しハードルが高くても、「ノンデネ」なら気軽に気持ちを伝えられる。
そんなコミュニケーションの“ひと押し”になれたらうれしいですね。290円で“気持ちとギフトを贈る体験”ができるので、まずは一度試してもらえたらと思います!
編集部おすすめ