ネストエッグは12月23日、「年末年始休暇の消費意欲、ボーナス、貯金」に関する調査結果を発表した。調査は2025年11月29日~12月1日、全国20~60代の男女1,000名を対象にインターネットで行われた。

○2025年冬ボーナス支給額の平均値は78万円

2025年冬ボーナス支給額は10万円以下が最も多く、平均値は78万円、中央値は30万円だった。

昨年と比べた支給状況は、「変わらない」がトップ。次いで「増えた」「減った」の順となった。昨年と今年で支給に変動があった会社や転職等で変化があった世帯もわずかに見られた。
○ボーナスの使い道は「貯金」「生活費」が圧倒的上位

ボーナスの使い道は、「貯金」「生活費」が圧倒的1・2位となった。「投資」も4位に入るなど物価高が進むなかで「お金を守る、増やす」ための堅実な使い道が目立つ。「ボーナスを貯金に充てたい」と回答した世帯が、ボーナスを貯金に回す平均額は83万円、中央値は19万円だった。

「保険料・税金」「ローン・借金」「奨学金」など、返済・支払いにボーナスを充てる現実的な使い方も見られた。

ボーナスの使い道としてイメージが強い「自分へのご褒美」は、モノ消費がコト消費を上回った。旅行先は「国内旅行」が「海外旅行」よりも高く、円安影響が色濃い結果となった。
○年末年始に使う金額の昨年との動向比較

大半の世帯は例年と変わらない年末年始の消費意向がある一方、物価高の影響で年末年始の特別なイベントにおいても極力節約したい、消費を抑えたいと考える世帯が存在することがわかった。
○「増やす」と回答した世帯の年末年始の消費動向

昨年より消費金額を「増やす」と回答した世帯の年末年始の消費項目は、「食の消費」が5割超えでトップ。
おせち料理、季節食材、贈答用スイーツなど親族と年末年始イベントを楽しむための食品の消費意欲は物価高騰のなかでも衰えなかった。

形に残らない食関連の消費意欲が高い一方、形が残るモノ消費の「買い物」「福袋・新春セール」「クリスマスプレゼント」も、年末年始の季節柄か一定の世帯に高い意欲が見られ1割~2割存在した。

海外旅行は7.6%、国内旅行は22.0%と高い割合で消費金額を「増やしたい」と回答。旅行意欲は世間的・経済的に可能であればモチベーションは常にあり、特に国内旅行については高い結果となった。円安が進み海外旅行を避けた世帯が国内旅行へシフトする傾向にあると考えられる。

「減らす」と回答した世帯の年末年始の消費動向


年末年始の出費を極力「減らしたい」と考える世帯においても「食の消費」がトップ。日常の家計管理で最も節約しやすいのは食費であるため、年末年始の食費についても節約対象として上位になったと考えられる。

高額消費が多い「買い物」「福袋・新春セール」も控える傾向がみられた。

「クリスマスプレゼント」の金額を昨年より減らすと回答した世帯は約3割にのぼった。この1年で物価高がさらに進み特別出費に影響を与えていることが伺える。
○物価高が進むなかでのお年玉の金額、渡すことについての心情

お年玉を年始出費として捉えた際の、お年玉を渡す心情についても調査した。

お年玉を渡す予定のある世帯の約6割が「可能ならお年玉は極力渡したくない」と回答する結果に。


「金額は適切」と考える世帯は12%。「多く渡したい」世帯は平均して12,849円を上乗せして渡したいと考えており、「可能なら減らしたい」世帯は、平均して4,220円減らして渡したいと考えていることが分かった。
○世帯貯金額は10万円未満と1,000万円以上で二極化

「お金を守る」意識の高さが伺える消費動向から、「お金を守る=貯金」として世帯別貯金額の追加調査を行った。

世帯貯金額は「10万円未満の貯金のみ」と「1000万円以上の貯金がある」で二極化の傾向がみられた。年代別詳細では、特に40代以上で二極化が進行している。40代~60代すべての年代で「10万円未満/1000万円以上」が上位2位の結果に。

40代以上の世帯においては、ライフステージの大きい出費(住宅購入・学費など)があるなか、貯金額が10万円に満たない「貯金までお金を回せない世帯」と、1000万円以上の貯金がある「余裕のある世帯」で差があることが浮彫りとなった。

20代は、満遍ない貯金額分布で新卒~20代後半までの収入バランスにあった貯金を意識して行っている傾向が伺える。

30代は「100万円~300万円」の割合が「1000万円以上」に次いで多く、他世代と比べて100万円以上の金額を堅実に貯めていることが伺える。
○貯金方法/習慣化されたお金の貯め方について

貯金方法については、「銀行の自動積立・定期預金(56.2%)」「別口座移し替え(23.3%)」などベーシックな貯金方法のほか、オフラインの「貯金箱(12.1%)」「タンス預金(7.6%)」も根強く人気だった。一方、「投資運用(30.2%)」など投資人口は昨年比10%拡大しており、またオンラインで完結する「貯金アプリ(5.7%)」を活用して貯金するなど、キャッシュレスで賢くお金を増やす・守る層が増加している。

お金の貯め方(貯金ルール)では、「生活費から差し引かれた金額を貯金としている(47.1%)」が約半数でトップに。
貯め方、貯金額などペースを決めずに貯金している世帯が多いことが分かった。こうした中、「先取り貯金」は着実な貯金方法として人気だった。また、「500円玉貯金(10.9%)」は根強く利用されている一方、キャッシュレス決済の普及により現金を触る機会の減少や、硬貨預け入れ手数料徴収の影響もあり小銭貯金は減少傾向にある。さらに、フリマアプリ、リユース市場の拡がりから「不用品の処分」がお金を作る方法、貯金方法としての認知が広がっていることが伺える。そのほか、「推し貯金」「歩数貯金」「365日貯金」といった、エンタメ性があり、自分の趣味・嗜好に合ったルールでコツコツ貯める世帯も見受けられた。
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