ファミリーマートは2月16日、同社のデジタルメディア戦略に関する説明会を開催した。同社の約1万6,000店に及ぶ全国の店舗と、5,500万IDから得られる日々の購買データを組み合わせたデジタルメディア戦略によって、新たな収益源の確保を目指す。
「コンビニの実態は、店舗網をインフラにして商品というコンテンツを見せてきたこと」だと話すのはファミリーマートの細見研介社長。このコンビニエンスストアの進化形だと細見社長が強調するのが「メディアコマース」で、2030年度には関連売上400億円を目指す方針だ。
○「ドスコイ連携」でリアルとデータを組み合わせ、メディアコマースへ
コンビニエンスストアにおけるメディアコマースの活用について細見社長は、「何年も前から店舗はメディアに進化すると言ってきた」と話す。コンビニは「よい立地に店を構えて定価で物を売る。日本で定価を維持しているのはコンビニと自販機だけ」(細見社長)であり、これをメディアコマースに進化させているのが現在のファミリーマートなのだという。
このメディアコマースにおいて根幹となるのが「FM2(エフエムの二乗)」と「Life-Liveデータ~ドスコイ連携」だ。
FM2は、リアルのインフラ(ファミリーマート店舗)とデータのインフラ(ファミリーマートのメディア)という2つの「FM」という意味。データでは、ファミリーマートが運営する自社ペイの「ファミペイ」によって収集しており、「コンビニで自社ペイを持つのはファミリーマートだけ。自前で金融を持っている」(同)ことが重要な点だ。
ここで得られたデータや広告事業などを通じて蓄積したデータ基盤を活用して事業に繋げ、リアルとデータの両面から新たな収益源を生み出そうというのがFM2だ。
こうして蓄積してきたデータのベースとなるのはファミペイで、すでにダウンロード数は3,000万を超え、IDも3,000万を突破した。加えて、NTTドコモと合弁で設立したデータ・ワンにおいて、ドコモ由来のデータと、スーパー、ドラッグストアの他社データも連携する。
「5,500万IDに紐付く食品、飲料、ドラッグ用品など、日常生活に必要な商品の購買データ」(同)であり、さらにこのデータは日々更新されていくダイナミックなデータなのだと細見社長は強調する。
細見社長は、店舗数を増やすのではなく、既存の店舗ネットワークを活用しながら、機能を拡張して増幅するというフェーズに入っていると指摘。5,500万IDから得られる購買データによって、ファミリーマートは「日本ではオンリーワンのメディアコマース企業になった」と細見社長はアピールする。
ファミペイによって得られる1日の購買者データベースは2,300万人で、自社ペイによる3,000万IDもあることで、データに一貫性があって顧客理解が深掘りできるという。ここにスーパーやドラッグストアのIDが加わり、さらに2026年度以降は、ホームセンターとの連携まで拡大し、6,000万IDを突破する見込みだという。
細見社長は「ドスコイ連携」という表現もしているが、これはLife-Liveデータに関わるドラッグストア(1,500万ID)、スーパーマーケット(1,000万ID)、コンビニエンスストア(3,000万ID)eサービス(ECや決済など)というIDの連携を表現したもので、これは「日常生活に紐付いているデータ」だ。
自動車や耐久消費財、高級品などとは「対極にある」(同)データであり、単価が低くて購買頻度が高い大量の購買データで、これを6年前から蓄積、分析したファミリーマートの強みになると細見社長。これらの市場における年間の関連売上は40兆円弱で、ファミリーマートの持つ5,500万IDではそのうちの10兆円の購買データをカバーしているという。
「Life-Liveデータ」という名称の通り、このデータによって「ライフスタイルとライフステージが明らかになる」と話すのはデータ・ワンの国立冬樹社長。毎日、約2万5,000店から得られる2,300万人の購買データが日々更新されるため「日々の生活行動、生活者の息づかいまで分かる」と国立社長は話す。
カバーするのは、食品、飲料、化粧品、日用品など200万アイテム。「日常に必要なすべての商品」(国立社長)で、「ECサイトで買いだめした」といった購買ではなく、消費者自身が店舗に足を運んで商品選定したデータであり、より正確に消費者の価値観や指向性などが理解できると国立社長は説明する。
こうしたデータによって、広告の拡散効果も見える化できる。コンビニ店頭で広告を放映して購買が60%向上した商品について、これまではここまでしか分からなかったが、Life-Liveデータを活用すると、その周辺のドラッグストアやスーパーでもそれぞれ15%、23%と2桁の購買率の向上が見られたという。この波及効果を測定できたのは初めてだと国立社長は強調する。
こうしたデータを応用すると、平日はコンビニでエナジードリンクを買う人が、週末はドラッグストアで高級入浴剤を購入していると分かれば、「平日は働いて、週末はリラックスしてセルフケアに関心が高い」という消費者増が推定できるので、アロマキャンドルなどを提案するということが可能。
スーパーでベビー用品を買って、平日夕方にはコンビニスイーツを買う人は、、「子育て中で家族成長期」というライフステージも推測できる。今回は自分のご褒美というニーズに高級家電やマッサージチェアを提案することが考えられる。
「単なる広告ではなく、もっと充実した有意義なライフスタイルを提案しつつ、生活消費財を超え、美容、健康、保険、金融、自動車、住宅など「Beyond領域」のマーケティングまで展開できる」と国立社長は言う。
IDの基盤としても、マーケティングのメディアとしても重要なのがファミペイで、そのユーザーは一般ユーザーに比べてファミリーマートの来店回数・購買金額ともに2.5倍と「超優良顧客」になっているという。
ファミペイでは、購買直後にアンケートを配信することで、より鮮度の高い声を獲得できる。今春からはサンプリング機能も提供。
Life-Liveデータを使ってマーケティングをして、従来のクーポンやサンプリングに加えて店頭のサイネージ広告なども組み合わせることで、購買意欲を高めて購買行動へつなげる仕組みも検討する。レジ前の陳列棚を使ったメディアも検討しておりここに商品などを展示することで、メディア価値の向上を図る。
こうしたマーケティングソリューションの組み合わせでは、例えば「直近3カ月間にアルコール飲料は買っているがビールを買っていない人」にターゲティングして、ファミリーマートでサンプリングを提供。店頭ではサイネージで広告が流れて誘引し、ファミペイでのプッシュ通知やレジ前の陳列でリマインドすることによってビールの購入につなげる。購入後にすぐにアンケートを送付して新鮮なうちに緻密なデータが取れる、そんなソリューションが考えられる。
Life-Liveデータは「日常の生きたデータ」であり、生活者の様々な変化の兆しが分かり、それを使ってライフステージや価値観の変化を捉えて、「生活者の一歩先のニーズを予測する」というのが同社の目指す方向だ。
細見社長は、「ファミリーマートは小売業の枠を超えて、情報産業、広告業といった、今まで考えられなかった分野に成長領域を広げようとしている」と強調。「2026年度をメディアコマース元年と位置づけ」として取り組みを強化し、2030年にはメディアコマースに伴う売上を、現在の約150億円から400億円に引き上げたい考えだ。
小山安博 こやまやすひろ マイナビニュースの編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、ケータイ、コンピュータセキュリティなどといったジャンルをつまみ食い。最近は決済に関する取材に力を入れる。











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