人手不足が続く製造業、とりわけ自動車業界では「期間社員(期間工)」と呼ばれる働き方がある。メーカーと直接契約し、期間を区切って働く雇用形態で、正社員登用の入り口として位置付ける企業もある。


本稿では、UTエイム モーター・エナジー事業部門 期間社員採用ビジネスユニット ゼネラルマネージャーの慶村宏雅氏に話を聞いた。期間社員の概要と、注目される背景とメリット、そしてUTエイムにおける支援体制を紹介する。

期間社員(期間工)とは? 制度の概要

期間工・期間従業員は、自動車業界を中心に使われてきた呼称で、雇用形態としては「有期の契約社員」にあたる。

UTエイムでは、実態に近い形として「期間社員」と呼んでいる。期間社員の制度面の特徴としてまず挙げられるのが、契約期間に上限がある点だ。

一般的には最長2年11カ月で区切られるケースが多いが、メーカーによっては4年11カ月まで就業できる例もある。契約の更新単位も一律ではなく、3カ月ごとなど企業ごとに運用は異なる。

派遣との違いは雇用関係にある。派遣では人材会社が雇用主となるのに対し、期間社員は就業先であるメーカーと直接雇用契約を結ぶ。あらかじめ雇用契約期間が定められている働き方ではあるものの、メーカーの現場で一定期間働いた実績をもとに、正社員登用につながるケースもある。
なぜ今、期間社員が求められているのか

期間社員が注目される背景には、製造業を取り巻く人材環境の変化がある。人口減少により労働力そのものが縮小する中、製造業では若年層や中堅層の確保が難しくなり、年齢構成がいわゆる「逆ピラミッド型」になりつつある。


さらに近年は、ホワイトカラー職やデスクワークを志向する人が増え、製造業を就職先として選ぶ人は相対的に減少している。結果として、現場では技術継承や将来の担い手確保が大きな課題となっているという。

こうした状況の中で、期間社員はメーカーにとって重要な役割を担うようになっている。慶村氏は、「期間社員は、正社員候補という位置づけです。若手にとっては現場で経験を積み、チャンスをつかむ入り口になり、企業側にとっても実際の働きぶりを見たうえで登用を判断できる点がメリットです」と話す。

実際、正社員登用を前提とした採用手法として、期間社員への期待値は高まりつつあるという。従来のように条件を提示するだけでは人材を確保しにくくなり、採用プロセスや働き方そのものを見直す企業も増えている。

UTエイムでは、こうした環境変化を踏まえ、企業に対して採用プロセスの改善や選考手法の見直しを提案している。

オンライン面接の導入や応募者の負担を減らす工夫など、現代に合った採用のあり方を企業と共に検討し、期間社員を含めた人材確保を支援しているという。

期間社員のメリット

期間社員のメリットとしてまず挙げられるのが、待遇面の安定性だ。メーカーと直接雇用契約を結ぶため、給与や福利厚生は就業先企業の基準が適用される。

慶村氏によると、「一般的な社員と比べても遜色のない水準で働けるケースが多い」といい、短期間であっても生活基盤を整えやすい点が特徴だという。


とりわけ生活面での支援は、期間社員を選ぶ理由の一つになっている。メーカーや配属先によって内容は異なるものの、住居面でのサポートや社員食堂の利用など、日々の生活コストを抑えやすい環境が用意されているケースもある。

加えて、契約更新や満了のタイミングで支給される手当(満了金)が設けられており、収入面でも一定の見通しを立てやすい。住居や水道光熱費、食事にかかる固定費を抑えられることで、収入を将来に向けて計画的に使いやすい環境が整っている。

また、契約期間が区切られている点も、働き方の選択肢として捉えられている。一定期間、現場で経験を積みながら自分に合うかどうかを見極め、正社員登用を目指すこともできる。

その一方で、契約満了を一つの節目として次の進路を考えるなど、キャリアを主体的に設計しやすい点もメリットと言える。

慶村氏は、「期間社員は“一時的な働き方"というより、次のステップにつなげるための選択肢として選ばれています。安定した環境で現場経験を積みながら、自分の将来を考えられる点が評価されています」と話す。
UTの狙いとサポート体制 派遣・期間社員・正社員を選べる提案へ

こうした期間社員という働き方を背景に、UTエイムは人材サービス企業としての立ち位置から、その活用を後押ししている。製造業を中心に派遣や人材紹介を手がけてきた同社にとって、期間社員は求職者と企業双方の課題に応えるための選択肢の一つだ。

UTグループでは、求職者の希望や状況を踏まえ、派遣、期間社員、メーカー正社員といった複数の働き方を提示している。


「すぐに働きたい」「安定した環境で経験を積みたい」「将来的に正社員を目指したい」といったニーズに応じて選択肢を示し、個々のキャリアプランに沿った提案を行っているという。

「派遣という選択肢もありますし、期間社員もありますし、メーカー正社員という道もあります。グループの力を結集して、そうした選択肢を人材トータルサービスとして用意していくことが、われわれのあるべき姿だと思っています。働く人が自分のキャリアやライフプランに合わせて仕事を選べるようになることが、結果的に企業側にとってもプラスになるはずです」(慶村氏)

人手不足が続く製造業において、期間社員は派遣や顧客企業の正社員と並ぶ雇用形態の一つとして活用されている。採用環境の変化を背景に、現場の担い手確保を支える選択肢として、今後の活用が期待される。
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