住宅ローンをめぐる議論は、「変動か固定か」という金利の話に終始しがちだ。しかし、その前提自体が当てはまらない人たちがいる。
本記事では、経営者が見落としがちな住宅戦略と、その回避策として注目される「社宅スキーム」について専門家の高橋健一朗氏に聞いた。
○個人ローンは与信の浪費。社長が知るべき社宅スキーム
会社を牽引する経営者や事業者の場合、住宅ローンを「個人の家計」と同じ感覚で捉えるのは非常に危険である。
「経営者は自身が会社の融資の連帯保証人になる事が多いため、与信枠を住宅ローンに回すのは得策ではありません」
「与信枠」とは、金融機関からお金を借りられる限度額や信用力のことだ。経営者にとって個人の信用力は、事業を拡大したり、不測の事態から会社を守ったりするための強力な武器になる。
それを、直接利益を生まない自宅のローンで使い果たしてしまうのは、企業戦略として大きな損失と言える。さらに、経営者には一般の会社員にはない特有のリスクと防衛策があるという。
「社宅スキームといった選択肢もありますし、差し押さえのリスクも考えると、不動産を法人で保有するメリットは大きくありません。企業の存続という視点で見れば、経営者は不動産を持たない設計のほうが安全です。購入する場合でも、経営に関わりのない家族や親族名義にするなど、リスクを切り分けることが重要です」
万が一、事業が立ち行かなくなった場合、個人名義で保有する自宅は差し押さえの対象になってしまう。
これは会社名義で物件を借り上げ、役員社宅として住む手法を指す。家賃の一部を会社の経費にしつつ、経営者個人の信用力を事業のために温存できる。
経営者にとっての自宅選びは、単に住まいの問題ではなく、いわば企業防衛そのものと言えるだろう。
西脇章太 にしわきしょうた 1992年生まれ。三重県出身。県内の大学を卒業後、証券会社に入社し、営業・FPとして従事。現在はフリーライターの傍ら、YouTubeにてゲーム系のチャンネルを複数運営。専門分野は、金融、不動産、ゲームなど。公式noteはこちら この著者の記事一覧はこちら











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