「今年こそ英語を話せるようになる」 そう決意しては挫折を繰り返し、気づけば何年も経ってしまった。そんな経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
これまで、延べ3万人以上の日本人英語学習者をサポートしてきました経験からも、英語学習において「挫折」というテーマは、最も重要な課題であると感じています。
実際、英語学習者の挫折率は極めて高く、ある調査では約87%が「1年以内に挫折した経験がある」と回答しています(※1)。特に多忙なミドルシニアにとって、もっとも大切なことは意思や根性、ではなく「習慣化の科学」です。やる気が出ない、忙しくてできない、といった日々発生する変数に左右されず、仕組みを味方につけさえすれば、英語学習は誰でも継続は可能なのです。
○なぜ大人の英語学習は続かないのか?
英語学習が続かない最大の原因は、「モチベーション」という不安定な感情に頼っていることにあります。やる気は水物と呼ばれるように、高いところから低いところへ下がるもの、という前提に立つことが大切です。
脳科学者の池谷裕二氏が提唱する「モータードライブ理論」によれば、脳の「側坐核」は行動を起こした後に活性化します。つまり、「やる気が出るからやる」「やる気が出ないからやらない」ではなく、「やるからやる気が出る」のが脳の真実です。
では、やる気に頼らず「無意識」に行動できるようになるまで、どのくらいの期間が必要なのでしょうか。ロンドン大学(UCL)のフィリッパ・ラリー博士らの研究によると、新しい習慣が定着するまでにかかる日数の平均は「66日」というデータが出ています(※2)。
特に英語学習のような複雑なスキル習得は、初期の「抵抗感」が非常に強いため、この66日間をいかに「意志力を使わずに」乗り切るかが勝負となります。
また年収1,000万円以上のビジネスパーソンの約7割が「自己研鑽の最大の障壁」として「仕事の多忙による時間の不足」を挙げているというデータもあります(※3)。
○英語学習を「仕組み化」する3つの実践的手法
習慣化を味方につけるにはこういった前提、背景を理解した上で実践していくことが大切です。ビジネスにおいてPDCAなど改善のフローを幾度となくこなしてきたミドルシニアだからこそ、仕組みを身につけることには若い層よりも本来は優位性があるはずであると私は考えています。
私が運営する英語コーチングサービス、TEPPEN ENGLISHの受講生(30~50代が約86%)が「継続率95%以上」を維持できているのは、以下の3つの「仕組み」を徹底しているからです。
手法【1】:If-Thenプランニング
コロンビア大学のハイディ・グラント博士が推奨する「If-Thenプランニング」は、習慣化の成功率を2倍~3倍に高めるとされる習慣化というスキルにおいて最も大切と言える手法の一つで、「もしA(既存の習慣)をしたら、B(英語学習)をする」と事前に決めておく手法です。
・朝コーヒーを淹れたら(If)、単語アプリを開く(Then)
・通勤電車で座ったら(If)、リスニングを開始する(Then)
このように、既存のルーティンの中に新しい行動を結束させることで、脳のエネルギー消費を最小限に抑えます。多くの方が取りがちな行動としては、時間があれば学習する、という割と大雑把なイメージで計画を立ててしまうことが挙げられます。時間があるかないかの判断を自ら行う必要が発生し、その結果、英語の優先度を無意識的に下げ、学習をしないままになる、というのがオチで、多くの挫折の原因がここに潜んでいるのです。やろうか、やるまいか、という判断を自らに求めることなく始められる習慣、これが一つ目の仕組み化のカギになります。
手法【2】:ピアラーニング(社会的促進の活用)
一人で学ぶよりも、他人の目がある環境で学ぶ方がパフォーマンスが向上する現象を、心理学では「社会的促進」と呼びます。
TEPPEN ENGLISHの強みである「仲間との学習」は、まさにこの心理を突いたものです。
特に責任感の強いミドルシニアは、宣言したことへの遂行の意識が高いため、こういった心理的アプローチも非常に効果的です。社会的な経験値が高く、また意識も高いミドルシニアだからこそ、この心理的アプローチは活用すべきで、これが仕組み化の成功のための2つ目のカギとなります。
手法【3】:学習の記録と可視化
成長の実感が持てないとき、人はやる気をなくし挫折します。しかし成長の実感というのは非常に個人差があるもので、伸びているのに感じられない方も多くいます。そのため、実感という曖昧な感覚に頼るのではなく。日々の学習時間を可視化し、記録をしていくことが3つ目のポイントになります。
お仕事でデータの管理を全くしたことがないというミドルシニアはいないでしょう。また、お仕事上でKPIなど明確な目標を可視化したときに、ゴールが見えやすくなってやるべきことがはっきりしたという成功体験を持たれている方も多いでしょう。
英語学習においても、大事なことは記録、そして可視化を行うことです。最近では習慣化アプリHabitのようなものもあります。
また、私が指導させていただいた受講生の中には、社内で共有されるカレンダーに、あえて学習の時間を予定として入れ、その中に学習時間や学習内容を記録することで、社内のメンバーにも学習状況が可視化されるという状況を、あえて作っている方もいらっしゃいました。
小さな「記録の積み重ね」が、脳に報酬(ドーパミン)を与え、次の行動を促すポジティブなサイクルを生みます。この脳へのご褒美こそが仕組み化の3つ目のカギとなります。
○多忙なハイクラス人材はこうして継続している
TEPPEN ENGLISHの受講生で、多忙を極める50代の経営者Aさんの事例をご紹介します。当初、Aさんは「夜に時間ができたら学習する」という目標を立てていましたが、接待や急な案件で計画が崩れ、挫折しかけていました。
そこで取り入れたのが「If-Thenプランニング」です。「朝、会社のデスクに座ったら、まず15分間シャドーイングをする」とルーティンを固定。さらに、社内カレンダーに「英語学習」の時間を会議と同様にブロックし、周囲に宣言することで自分を追い込んで学習を実施されました。
学習時間は専用アプリで音声記録、学習内容まで可視化。視覚的に積み上がっていくグラフが脳への報酬となり、多忙な日でも「記録を途絶えさせたくない」という心理が働いたと言います。
結果として、Aさんは一度も学習を欠かすことなく180日間を完走されました。
「忙しいからできない」のではなく、「忙しいからこそ、どう仕組み化するか」、これこそが忙しいミドルシニアが最も意識することではないかと私は考えます。
モチベーションや意志という不確かなものに頼るのは、今日で終わりにしましょう。本日紹介した3つの仕組み化のカギを活用し、英語学習をいつもの日常に落とし込むこと、これがスタートになります。さあ、明日電車に乗ったら何から始めますか?
【参照・引用元】
※1:株式会社ビズメイツ「英語学習の挫折に関する実態調査(2022年)」
英語学習者の約87%が1年以内に挫折を経験しており、その主な理由は「仕事の忙しさ」と「モチベーションの維持」である。
※2:Lally, P., et al. (2009). "How are habits formed: Modelling habit formation in the real world." European Journal of Social Psychology.
習慣形成にかかる平均日数は66日(18日から254日までの幅がある)であることを示した研究。
※3:日経BPコンサルティング「ビジネスパーソンのリスキリング実態調査(2023年)」
高所得層・管理職層ほど「時間の確保」を学習の最大の課題として挙げている。
セレン 株式会社スクールウィズCAO(Chief Academic Officer) セレン 2004年、インディーズレーベルからシンガーソングライターとしてデビューし、その後ミュージシャン、音楽学校講師、作詞家、として活動する。2011年、31歳で留学経験ゼロから英語学習をスタート。2015年より楽天グループ株式会社のグローバル人事部にて、英語研修の企画・運営、講師として7年間従事。 年間指導約2,000名、個別学習カウンセリングの総人数は1,500名を超える。











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