AZWAYは3月23日、家賃の値上げに対する許容度や納得感、実体験に関する意識調査の結果を発表した。調査は2026年1月12日~1月19日、10代~60代以上の男女300人を対象にインターネットで行われた。

○現在の家賃帯は5~7万円、7~10万円が同率トップ

現在の家賃(管理費・共益費込み)では、5~7万円23.7%(71人)、7~10万円23.7%(71人)が同率で最多だった。

また10~15万円12.3%(37人)など、10万円以上は合計14.7%(44人)。関東に限ると10万円以上が28.7%(35人)となり、エリアによる家賃負担感の差もうかがえる。

5~10万円帯が半数近くを占める結果は、多くの人の家賃負担がこのレンジに集中している実態を示している。首都圏であれば1K~1LDK、地方であれば2LDK程度の物件が想定され、単身者から夫婦世帯まで幅広い層がこの価格帯に収まっている。

一方で、10万円以上が14.7%いる点に注目できる。特に関東では3割近くがこの価格帯となり、都市部での住居費の高さが浮き彫りになっている。月10万円の家賃は年間120万円の支出となり、手取り収入の相当な割合を占めることになる。

家賃無しが2割近くいる点は、持ち家や実家暮らし、社宅など、家賃負担のない層が一定数存在することを示している。
○家賃の値上げ経験は15.0%

家賃の値上げ経験(更新料を除く)は、全体では15.0%(45人)だった。住まいが賃貸の人(民間/UR・公社・公営/社宅・寮/シェア 計n=209)に限ると17.2%(36人)となり、タイプ別では賃貸(UR・公社・公営)で28.6%(4人)、賃貸(民間)で17.2%(32人)となった。

値上げ経験が15%にとどまる結果は、家賃の値上げが頻繁に行われるわけではない実態を示している。
大半の賃貸物件では、入居時の家賃が維持され、更新料はあっても月額家賃の引き上げは限定的だ。

一方で、賃貸居住者の約6人に1人が値上げを経験している事実も見逃せない。物価上昇、修繕費の増加、周辺相場の上昇。こうした要因で、一部の物件では家賃の見直しが行われている。

UR・公社・公営住宅で値上げ経験が高い点は、公的住宅特有の家賃改定ルールが影響している可能性がある。
○値上げ経験者が実際に経験した値上げ幅

家賃の値上げ経験がある人(45人)にこれまでで一番大きかった値上げ幅を自由記述で聞いたところ、金額が明記された44人の回答を集計すると、値上げ幅の中央値は4,000円だった。また、2,000円(25%地点)~7,000円(75%地点)に収まる回答が多く、最大は50,000円だった。

レンジ別では5,000~9,999円が最多で、次いで3,000~4,999円が続いた。個別の金額としては3,000円が最多で、数千円単位の値上げが典型像となっている。

中央値4,000円という数字は、実際の値上げが結果4で示された許容ライン(月5,000円まで)の範囲内に収まることが多い実態を示している。大半の値上げは2,000~7,000円のレンジに集中しており、極端な値上げは少数派だった。一方で、最大50,000円という事例も存在し、大規模な改修や周辺相場の急騰などで、大幅な値上げが実施されるケースもあることが分かる。


平均6,289円が中央値4,000円を上回る点は、一部の高額な値上げ事例が平均を押し上げている実態を示している。この差異は、値上げ幅の分布に偏りがあることを意味する。

5,000~9,999円が最多となった。許容額の回答では月5,000円までが多数派であることから、値上げ幅は数千円から1万円弱のレンジに回答が集まる傾向が見られる。3,000~4,999円が2番手に続く点と合わせると、数千円単位での調整が一般的であることが分かる。
○許容ラインは月5,000円までが多数派

家賃が上がった場合の許容額は、月5,000円までが69.7%(209人)だった。内訳としては+1,000~+3,000円34.0%(102人)が最多。一方で、原則受け入れない(交渉or退去)は20.7%(62人)となり、値上げの幅や説明次第では住み替えを選択する層が一定数いることが分かる。

月5,000円までが7割を占める結果は、少額の値上げであれば受け入れる用意がある層が多数派であることを示している。月1,000~3,000円の値上げは、引っ越し費用や物件探しの手間を考えると、我慢できる範囲――この現実的な判断が働いている。

一方で、原則受け入れないが2割を占める点は重要である。この層にとって、家賃の値上げは一方的に感じられやすく、理由の説明が不十分だと納得しにくいという受け止めが見られる。
交渉を検討したり、住み替えを視野に入れたりするなど、家賃の上昇が居住継続の判断に影響し得ることがうかがえる。

月5,000円超でも許容するは合計9.7%にとどまり、大幅な値上げへの抵抗感は強いことが分かる。
○納得できる理由は周辺相場25.0%

値上げの理由として納得感があるものは、周辺相場が上がったため25.0%(75人)が最多だった。僅差で特に納得できる理由はない24.3%(73人)、建物の老朽化・修繕費が増えたため24.0%(72人)が続き、値上げ局面では理由の提示と説明の有無が受け止め方を左右する可能性が示唆される。

周辺相場が最多を占める結果は、市場原理による値上げであれば一定の納得感があることを示している。同じエリアの他の物件が軒並み値上がりしている中で、自分の物件だけ据え置きというのは不自然――この論理が、相場上昇を理由とする値上げへの理解につながっている。

一方で、「特に納得できる理由はない」が同率で並んでいる点にも注目できる。およそ4人に1人が、どんな理由を示されても納得できない、家賃の値上げそのものに強い拒否感を持っている実態が浮かび上がる。

建物の老朽化・修繕費も同水準で並び、維持管理コストの増加であれば理解できるという層が一定数いる。エレベーターの更新、外壁の塗装、配管の交換。こうした必要経費の増加は、居住者にも見える形の投資として受け入れられやすい側面がある。

一方で、管理サービスの質が上がったためは16.3%にとどまり、サービス向上を理由とする値上げへの納得度は低いことが分かる。

○自由記述では引っ越しや固定費への影響などに言及

家賃値上げに関する率直な意見を求める自由記述では、値上げに対する受け止めとして、住み替え(引っ越し)に言及42.7%(128人)、固定費への影響に言及24.3%(73人)、交渉に言及22.7%(68人)、物価高との関連に言及30.0%(90人)が見られた。

主な声として「数千円なら仕方ないが、1万円超えたら引っ越しを検討する」「値上げ幅次第では、より安い物件に移ることも選択肢」「家賃は毎月の固定費なので、少しの値上げでも年間では大きな負担」「物価が上がっている中で、家賃まで上がると生活が苦しくなる」「一方的な値上げ通知ではなく、交渉の余地があるのか知りたい」「理由の説明がないと納得しにくい」「電気代も食費も上がっているのに、家賃まで上がるのは厳しい」といった意見がみられた。

これらの声から、家賃の値上げが単なる金額の問題ではなく、生活設計全体の見直しを迫る出来事として受け止められている実態がうかがえる。
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