モバイルバッテリーシェアリングサービス「CHARGESPOT(チャージスポット)」を運営するINFORICHが、デジタル庁が提供する「デジタル認証アプリ」を活用した「U22向け特別料金プラン」を正式に導入する。2025年夏に実施した期間限定キャンペーンを経て、今回、新サービスとして展開されることになった。
官民連携によるこの新しい試みは、どのようにして生まれたのか。INFORICHの大橋南菜さん、デジタル庁の神谷英亮さん、松崎雄汰さんに施策の裏側と今後の可能性について話を聞いた。
○そもそも「デジタル認証アプリ」とは?
――まずは、デジタル庁が提供している「デジタル認証アプリ」がどういうものなのか、改めて教えていただけますか。
松崎さん:すごくわかりやすく言うと、「マイナンバーカードを使って、スマホで本人確認をサクッとできるようにするアプリ」です。
今のオンラインサービスって、本人確認が必要な場面がよくありますよね。でも、そのたびに身分証の写真を撮ってアップロードしたり、住所を手入力したり……。これって、ユーザーさんからしたらものすごく手間だと思いますし、事業者側からしても、登録された身分証を目視でチェックするのには限界があります。
そこでデジタル認証アプリを連携して使っていただければ、マイナンバーカードを読み取るだけで正確な情報が連携できる。ユーザーさんは毎回登録する手間がなくなりますし、事業者さんも自前で複雑なシステムを構築・維持する負担がグッと減る。そんな、官民問わず幅広く使える「本人確認の共通インフラ」を目指しているアプリです。
――具体的には、どんなサービスで使われているのでしょう?
松崎さん:直近だと東京都の公式アプリでのポイント付与や、メルカリでのアカウント復旧時の本人確認、あとは三菱UFJ銀行さんの口座開設などでも導入が始まっています。他にも面白い例だと、東京大学さんですね。
また、ライブイベントのチケット販売では不正転売が大きな問題になっていますが、マイナンバーカードで確実に本人確認をしてから1人1枚買ってもらうことで悪質な買い占めを防げますし、当日も顔認証でスムーズに入場できる、といった流れで使ってもらっています。
○若年層に刺さった、昨夏に実施した「U22割」の手応え
――去年の夏、CHARGESPOTで実施した「22歳以下の割引キャンペーン」の反響はどうでしたか。
大橋さん:正直、当時は他のキャンペーンと時期が重なっていたのもあって、あまり派手な宣伝はできなかったんです。でも、蓋を開けてみたら想定よりもずっと多くの方がデジタル認証アプリで登録してくださいました。
「3時間まで165円(通常価格は1時間以上3時間未満で430円)」という設定にしていたんですが、学生さんからしたらその価格差はやはり大きいようで、利用のための登録手順が増える手間よりも「お得に使いたい」というニーズが勝ったんだと思います。登録してくださった方はリピート率も上がりましたし、「価格がネックで利用を控えていた層」にしっかり届いたという手応えがありました。
神谷さん:今は日本の人口の8割以上がマイナンバーカードを持っている状況です。大学の授業で聞いても全員が持っていて、若い世代にも浸透していると驚きました(笑)。昔は「若者の身分証といえば免許証」でしたけど、今は車に乗らない人も多いですし、身分証と若者の関係が変わってきているのを感じます。
松崎さん:我々としても、若年層にこれだけ認知されているCHARGESPOTさんのような身近なサービスで活用してもらえると、他の事業者さんや自治体さんにも使っていただける機会が増えてくると思っていますし、実際に年齢確認のユースケースでの活用も広がりを見せています。
――「学割」ではなく、あえて「22歳以下」という年齢で区切ったのはなぜでしょう?
大橋さん:一般的な学割だと、学生じゃない若年層を取りこぼしてしまうんですよね。でも、働いている若い方こそ充電を必要としているし、消費意欲も高い。本来はそこも支援すべきなのに、学生証がないと安くならないのはフェアじゃないなと。マイナンバーカードを使えば、学生証の有無に関係なく「22歳以下」を正確に判定できます。これはマイナンバーカードによるデジタル本人確認ならではの強みですよね。
――そのキャンペーンを経て今回、通常プランとして「U22割」の正式導入を決めた背景について教えてください。
大橋さん:「U22割」を通常プランにした理由はひとえに「若い方々に長くCHARGESPOTを使っていただきたい」というのが一番です。また、これまでは決済データなどから「たぶん若い人だろう」と推測するしかなかったんですが、デジタル認証なら「確実に22歳以下である」というデータが取れる。地域や性別のデータも正確に分かるので、今後の広告戦略やメディア展開にも自信を持って活用できるのもメリットでした。
――デジタル庁のシステムを組み込むのは、技術的に大変ではなかったんですか?
大橋さん:いえ、開発チームに聞いたら「むしろ楽だった」と言っていました(笑)。他の民間企業のシステムだと、仕様がコロコロ変わったりしてしまうこともあるようですが、今回のデジタル庁さんのシステムは安定していたみたいです。
松崎さん:組み込み自体は数日から数週間でできます。
――今後のデジタル認証アプリの展開について、教えてください。
松崎さん:この夏に大きなアップデートを予定しています。まず、デジタル認証アプリは、8300万人以上の方が利用しているマイナポータルアプリと統合します。これによって、新しくデジタル認証アプリをスマホに入れ直す手間がなくなるので、利用するハードルがグッと下がると思います。
また、すでにスマホの中にマイナンバーカードを登録できるようになっていますが、二つのアプリが統合することで、これからはカードなし、スマホの生体認証(顔認証や指紋認証)だけで正確な本人確認もできるようになります。
神谷さん:正直、本人確認でマイナンバーカードを取り出したり、暗証番号を打ちこんだりするのは煩わしいですよね。パッとスマホを開く感覚で、自分の正確な情報を連携できるようになる。この仕様はCHARGESPOTさんの利用者である若いユーザーさんには好意的に受け入れてもらえるんじゃないかなと思っています。
○本人確認を「ゴール」にしない。その先にある社会貢献
――最後に、官民連携によるこれからの展望を聞かせてください。
大橋さん:充電はもはや重要なインフラです。普段の生活はもちろん、災害時には モバイルバッテリーを48時間未満無料で貸し出すといった取り組みもしていますが、民間だけでは限界があります。今後は自治体さんとも連携して、防災や情報提供の面でも住民の安心・安全をお手伝いしていきたいですね。
あと、使い古されたバッテリーの発火事故も社会問題になっています。ゴミ収集車が燃えたりして、自治体さんの負担も大きい。必要なときにシェアリングし、安全に管理する世の中を作ることで、環境面でも貢献していきたいですね。
松崎さん:人口減少が進む中で、自治体も行政もリソースを最適化していかなきゃいけません。我々が公共財として本人確認のインフラを整え、CHARGESPOTさんのような民間サービスがその上で創意工夫を凝らす。そうやってより付加価値の高いサービスにリソースを投下してもらうのが、あるべき姿だと思っています。
神谷さん:本人確認を「ゴール」ではなく、「スタート」にしたいと思っています。本人確認をして終了ではなく、「本人確認をしたから、該当の年齢層に向けたサービスを受けられる」「この地域の人だけの手当がもらえる」といった具合ですね。
デジタルの本人確認を“水道”のような社会インフラとする環境整備やサポートは官が担い、本人確認をベースに、ユーザーにとって便利で必要とされるサービスをどのように提供するかはCHARGESPOTさんや事業者の皆さんにお任せしたいと思っています。
猿川佑 さるかわゆう この著者の記事一覧はこちら











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