リクルートは3月26日、消費者が美容室のリピートや変更を決める「決定的瞬間(MOT)」の調査結果を発表した。調査は10月31日~11月13日、男女2,600人を対象にインターネットで行われた。

○美容室を「また利用したい」「変えよう」と思った場面

MOT(Moment Of Truth)とは、「真実の瞬間」と訳され、顧客が企業に対する印象を決める"決定的瞬間"を指すマーケティング概念。本調査では、顧客の美容室利用における18の接点(MOTサイクル)から、どのポイントで「お店の継続利用・変更」を決めているのかを分析した。

女性が「また利用したい」と思った場面は、「施術(42.9%)」がトップ。2位「仕上がり確認(36.2%)」、3位「カウンセリング(27.6%)」と続いた。「変えよう」と思った場面も、1位「施術(35.7%)」、2位「仕上がり確認(28.3%)」、3位「カウンセリング(20.3%)」と、トップ3はリピート決定時と同じ結果に。

一方、男性が美容室を「変えよう」と思った場面は、「サロンを知る」段階がトップ。次いで2位が「施術(20.3%)」、3位が「カウンセリング(19.3%)」と続く。

女性の美容室のリピート・変更の意思決定には、実際の施術や仕上がりといった「サロン滞在中のリアルな体験」が影響している。一方で、男性は来店前の「サロンを知る」段階で、自分に合うかどうかをシビアに見極め、美容室を変える判断をしている点が特徴的だ。加えて、リピート意向を高める要因の3位に「サロンを知る」が入っている。これらから、男性の失客を防ぐ、あるいは新しいサロンを探している男性に選ばれるためには、ネット上の情報充実や見せ方の工夫が極めて重要だと言える。

○女性は「スタッフの気遣いのなさ」などにも不満感

美容室を「変えよう」と思った女性に、来店~施術~仕上がり確認の段階で「嫌だと思ったこと、不満に思ったこと」を聞いたところ、「スタッフの技術が低い・下手」がトップで29.7%となった。


一方で、「スタッフの気遣いがない」は28.7%、「スタッフと話が合わない・会話が続かない」は28.3%と、技術への不満とほぼ同等の高いスコアに。

女性にとって美容室は、単に髪を整えるだけでなく、心地よい時間を過ごす場所でもある。データが示す通り、技術がいくら高くても、現場での気遣いが足りなかったり、会話の相性が合わなかったりといった「コミュニケーションのズレ」があれば、失客の引き金になり得る。一人ひとりに合わせた適度な距離感を保つことと、きめ細かな接客スキルの向上が、長く通い続けてもらうための必須条件と言える。
○20代男性は「写真」と「料金」に極めて敏感

「また利用したい」と思った美容室がある男性に、来店前の段階で「いいなと思ったこと、満足したこと」を聞いたところ、20代男性のちょうど半数(50.0%)が「ネットの写真が充実、写真が良い」を選択し、男性全体(36.3%)を13.7ポイントも上回った。

「表示されているメニューの料金が安い」についても、20代男性は47.1%に上り、男性全体(37.1%)を10.0ポイント上回って高く評価している。

リピート意向のある20代男性の約半数が「写真」や「料金」に満足しているという結果からは、「自分が行っても浮かない場所か」「自分のなりたいイメージに近づけるのか」といった、心理的な安全性を強く求める傾向がうかがえる。女性に比べて美容に関する情報接点が少なくなりがちな男性にとって、美容室選びはどうしても慎重になりやすいもの。若年層の男性の心をつかみ、来店からリピートへとつなげるためには、サロンの雰囲気や仕上がりが明確に伝わる充実した写真や、分かりやすく納得感のある料金提示によって、来店前の不安をしっかりと払拭するアプローチが重要だと言える。
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