コスモエネルギーホールディングスのグループ会社であるコスモ石油マーケティングと栃木県・鹿沼市は、「ゼロカーボンシティ実現に向けた地域包括連携協定」を締結した。今回の協定は何を目的とするものなのか。
締結式で取材してきた。

市内でのエネルギー循環を目指す鹿沼市

2021年1月に「2050年二酸化炭素排出実質ゼロに向けたゼロカーボンシティ」を宣言した鹿沼市。翌2022年には「第5次鹿沼市環境基本計画」を策定し、「ゼロカーボンのまちをつくる」「持続可能なまちをつくる」「自然と寄り添うまちをつくる」「自ら行動するまちをつくる」の4つの基本目標を掲げた。現在は循環型社会の形成に向けて、温室効果ガスの削減、ごみの発生抑制、再利用などを推進中だ。

鹿沼市とコスモ石油マーケティングとの関係の始まりについて鹿沼市の担当者は、「もともと、脱炭素に力を入れていこうという市の方針があり、まずは公共施設内で使用する電力のグリーン電力化から始めていこうと考えていました。そんな時に、コスモ石油マーケティングから提案がありました」と振り返る。

その後、両者は2025年12月に再生可能エネルギー100%の電力供給に関する契約を締結。本契約に基づき、2026年3月に公共施設へのグリーン電力の供給を開始した。約870トンの温室効果ガス削減効果を見込んでいるという。

グリーン電力を皮切りに、SAF(持続可能な航空燃料)や公用車のEV(電気自動車)導入など、さまざまな施策について話をしているという両者だが、そもそも、鹿沼市はコスモ石油マーケティングの提案のどこに魅力を感じたのか。担当者の回答は次の通りだ。

「鹿沼市は将来的に、市内でエネルギーを循環させたいと考えています。
例えば、市内の太陽光発電で作られた電力を買い取り、グリーン電力として、また市内に戻すような形ですね。こうしたことも、コスモ石油マーケティングとの連携で進められるというお話があり、そこに魅力を感じました。また、コスモ石油マーケティングと鹿沼市のどちらか一方ではなく、双方の実現したいことがマッチしていたところも大きいです」
ゼロカーボンシティ実現に向けたトップ2人の決意

「ゼロカーボンシティ実現に向けた地域包括連携協定」の締結式では、鹿沼市長の松井正一さんとコスモ石油マーケティング社長の髙山直樹さんが登壇した。

環境汚染や地球温暖化が深刻化する中、環境負荷を低減する取り組みの重要性はこれまで以上に高まっていると松井市長。ゼロカーボンシティの実現に向けた取り組みを推進していくためには、市民、事業者、市の連携協力が不可欠であるとし、「今回の協定に基づく具体的な事業のひとつとして、来年度から本市の家庭から排出される廃食油をSAFに再資源化する取り組みを実施します。今後は官民一体となって、さらなる事業化を推進することで、環境に優しい持続可能な鹿沼市を創出するまちづくりにつながると考えています」とあいさつした。

代わって登壇した髙山さんは、コスモエネルギーグループのスタンスやコスモ石油マーケティングが提供するサービスを紹介。「コスモエネルギーグループは石油元売り会社、エネルギー会社であると同時に、脱炭素低炭素社会の実現に注力しています。コスモ石油マーケティングは、地域特約店のネットワークを活用しながら、低炭素・省エネルギーに資するエネルギー・モビリティをワンストップで提供するサービス『コスモ・ゼロカーボンソリューション』を各エリアにご提供しています」と話した。

続けて、「我々は、各ご家庭の食卓から出る廃食用油を回収して、SAFの製造・販売を行うことで、皆様が飛行機に乗った時に、二酸化炭素が削減されている社会を作っていきたい。こうした循環型社会を作り上げるために、鹿沼市民の皆様や各企業とともに取り組みたいと思っています。そして、鹿沼市とは、ゼロカーボンシティの実現に向けてエネルギーとモビリティの2軸で取り組んでいきます」と決意を述べていた。


安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。 この著者の記事一覧はこちら
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