大谷の打撃練習によって生じたトラブルを訴えたというベッツ。その解決方法が話題となった。
日米両球界で春季キャンプもいよいよ佳境を迎え、レギュラーシーズンの開幕に向けたチームの調整も本格化していきている。
【動画】打球音が違う!ベッツが訴えた大谷翔平の打撃練習
そんな球春真っ盛りの球界にあって、“銀河系軍団”の凄まじさを物語る証言がちょっとした話題となった。発信者となったのは、ドジャースのスタン・カステンCEOだ。
昨シーズンのワールドシリーズ制覇のキーマンともなったベッツは、今オフに遊撃手再転向が決まり、春季キャンプから熱心に汗を流している。
そんな32歳の“訴え”が脚光を浴びた。去る2月18日に米ラジオ局『Sirius XM』のチャンネル「MLBネットワーク・ラジオ」に出演したカステンCEOは、今オフに大幅改修に取り組んだ本拠地ドジャー・スタジアムの現状を説明。ありとあらゆる部分に工事を行ったとする中で、「1億ドル(約152億3000万円)と投じた」というクラブハウスについて次のように語った。
「我々のクラブハウスは最先端になると思う。クラブハウスは以前より30%、ロッカールーム自体は40%広くなり、ロッカールーム内のあらゆる物が大きくなる。そして、面白いことに、静かな部屋、つまり『仮眠部屋』をロッカールームの反対側に移動させなければならなかったんだ。
というのも、ムーキー(ベッツ)が去年使っていた部屋では、バッティングケージにいるショウヘイに(打撃音が大きくて)何度も起こされたと言ってきたからだ。先日ムーキーにも伝えたけれど、彼はこれできちんと眠れるようになる。
大谷翔平の打撃練習によって生じる“爆音”によって生じたまさかの“トラブル”。これを瞬く間に改善できてしまうのは、さすがドジャースという他にない。
このベッツの訴えと球団の迅速な対応力は、現地メディアでもクローズアップされた。現地時間2月26日にドジャースの専門サイト『Dodgers Nation』のダグ・マケイン記者は「ドジャースはベッツの昼寝のために1億ドルを使ったことを覚えておいてくれ」と切り出し、その投資の仕方に脱帽した。
「考えてみてくれ。このチームがどれだけ最高のロースター作りにこだわっているか。これは彼らが野球界だけじゃなくスポーツ界全体でも最高の組織になるために、文字通り全力を尽くしている証だ。ドジャースというチームは、どのプロスポーツチームよりも“勝利”にこだわっているんだよ。それは何度でも伝えるべきことだ」
選手がより良くパフォーマンスを発揮するために、惜しみなく投資を続けるドジャース。細部にまで徹底的にこだわる手法は、やはり稀有だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]