田中幹の負傷離脱は残念な限りだ(C)産経新聞社
竜党にとって、ショッキングなニュースが届いた。
中日は3月4日、田中幹也の「左手有鉤骨鉤部骨折」を発表。
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■アマ時代から故障や病気に見舞われる
田中は166センチと小柄ながら、ダイナミックな動きが身上。二塁での好守備は度々SNSのトレンドに上がるほどで、菊池涼介(広島)を彷彿させるプレーぶりで“竜の忍者”と呼ばれている。
守備だけでなく、積極的な走塁や小力のある打撃も持ち味。大卒2年目の昨季は112試合に出場。打率.224、2本塁打、5盗塁という数字以上のインパクトを残し、勝負の3年目に臨むところだった。
亜細亜大時代には潰瘍性大腸炎を患い、大腸を全摘出。プロ入り後も右肩脱臼でルーキーイヤーをほぼ棒に振り、今回は有鈎骨骨折……。グラウンド上で常に100%以上の力で表現するゆえに、故障や病気に見舞われがちなのは承知しているが、残念の一言だ。
■今季は「スーパーサブ」想定だったか
田中が主戦場とする二塁の状況について、まとめておこう。
今季は福永裕基が三塁から二塁にコンバート。
二塁の守備固め、ベテラン休養時のスタメン、代走の切り札、代打でのチャンスメイク――。あらゆる役割が田中には求められていた。レギュラーと同等、もしくはそれ以上に替えの効かない存在感があると思われるから、ファンもショックを受けたのだ。
離脱中は前述の通り福永を軸としつつ、ユーティリティの板山祐太郎や、田中と同タイプの辻本倫太郎、守備職人の山本泰寛あたりを回しながら使っていくだろうか。
■数か月単位の離脱は避けられない
中日ファンを10年以上続けていれば、有鉤骨骨折で思い浮かべる選手がいるかもしれない。背番号3・高橋周平のことだ。かつて、高橋周も有鉤骨骨折に見舞われたことがあった。
2016年4月30日、敵地での広島戦で右手の痛みを訴え、その後有鉤骨骨折が判明した。この年の高橋周は自身初の開幕スタメンを経験し、主力への階段を登り始めた頃。
ちなみに高橋周は約2か月後の6月下旬に2軍合流、7月末に1軍再昇格を果たしている。他の選手の例を見ても、実戦復帰までは早くて1か月半。大体は2~3か月を要している。田中の場合も体力の低下等を考慮すると、数か月の離脱は覚悟しなければならないだろう。
なるべく故障者を出さないようにというのは、ペナントを優位に進める上でとても重要。3年連続最下位のチームなら尚更だ。起こってしまったのは仕方ないが、できればもう中日から故障者は現れないでほしいのが本音である。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]