鍛錬を重ね、巨人スカウト陣の期待に応えた吉川。(C)産経新聞社
さらなる躍進が期待されています。
昨季は不動のセカンドとして初の全試合出場を達成。154安打を放ち、打率.287の好成績で優勝に貢献。個人としても初のベストナイン、ゴールデングラブ賞も獲得し、年俸も2億円(推定)と名実ともにジャイアンツの看板選手となりました。
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しかし、入団した9年前の秋、ここまで大成する姿を想像できた人は、決して多くなかったことでしょう。
スポーツ紙のデスクは言います。
「2016年のドラフトで、中京学院大のショートだった吉川尚輝は、巨人の『外れ外れ1位』でした。巨人が、いの一番に指名したのは創価大の剛腕・田中正義(現日本ハム)。5球団による競合の末、これを外すと、桜美林大の佐々木千隼投手へと切り替えた。
しかし佐々木にも5球団が集中し、巨人はまたも外した。そこで指名したのが吉川なんです。当時、ドラフトマニアの間では『アマ球界ナンバーワンショートの日大・京田陽太(現・DeNA)が残っているのに、なぜ巨人は吉川なんだ』という声が聞こえたのも事実です」
ルーキーイヤーの吉川は精彩を欠きました。
1年目の一軍出場はわずか5試合にとどまり、評論家の間では「使えるのか」と辛辣な声が飛んだこともありました。しかし、「吉川が育てば課題のセカンドが固定できる」「絶対にモノになる」と信じて、敢然と指名した巨人スカウト陣の期待に応えるべく、年を追うごとに経験値を身につけ、着実に成長していきます。そしてついに、大輪の花を咲かせたのです。
「吉川はこの春、6年ぶりに侍ジャパン入りし、巨人の内野守備走塁コーチ時代に指導を受けた日本代表の井端弘和監督からも大きな期待をされています。あらためて思うのは、ドラフトの評価は5年以上経たないとできないということ。あの時の『吉川尚輝1位』は断然、正解だったということです」(前述のデスク)
巨人は昨秋のドラフト支配下で3人の内野手を獲得しました。彼らは吉川を「お手本」にしながら、プロの道を進んでいくことでしょう。2025年シーズン、吉川のさらなる活躍に目が離せません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]