東京で生きる女子たちをオムニバス形式で描くドラマ『明日、私は誰かのカノジョ』(MBS、TBS/毎週火曜深夜)の第8話が、5月31日(火)の深夜に放送された。ゆあ(齊藤なぎさ)と担当ホストのハルヒ(藤原樹)、大学生・萌(箭内夢菜)とホスト楓(高野洸)、2組のやりとりに注目が集まった。

(文=於ありさ) ※本記事はネタバレを含みます。ご注意ください

■一方通行の思いが切ない

 「仕事が終わったら家に行く」と約束したハルヒが家に来ず、怒りが収まらないゆあ。ハルヒの売り上げに貢献するために風俗の仕事を続けていることもあり、ゆあは「もう無理…」「私、いつまで頑張ればいいの?」と不満を口にする。

 しかし、ハルヒ本人はというと、その間も遠くを見つめてタバコを吸い、「潰れてたんだから仕方なくない?」と一言。さらに「なんでお前だけが頑張ってるみたいな言い方をするワケ?」と静かに逆ギレ。そんなハルヒにゆあは声を荒げて「守れない、約束するなって言ってんの!」「はるぴの今の幸せは、私の不幸の上に成り立ってんだよ?」と反論する。

 これを聞いてもハルヒは申し訳なさそうな顔をしない。それどころか、タバコの箱を握りしめて必死に怒りを抑えていたのが印象的だった。ハルヒがゆあに伝えた「俺が大事なのは、ゆあだから」という言葉は、結局のところ、その場しのぎでしかない。しかも、優しく「仲直りしてくれる?」と行った直後に、声色を変えて「え、じゃないでしょ? お前のせいで先月、いくら売り上げ落ちたと思ってんの?」という豹変ぶり。ハルヒの自己中心的な一面もあって、ハルヒにとってはゆあは客の1人でしかないということを、原作で感じた以上に見せつけられたような気がした。

 一方、ゆあは心の底からハルヒが好きだった。
体調が悪いからと風俗の仕事を欠席してしまったゆあのもとにやってきたハルヒが、ホストの仕事に向かおうとするときのこと。ゆあはハルヒの背中を見ながら「好き、大好き…。これがずっと続けばいいのに」と声には出さず、心の中で唱えたシーンには、そんなゆあの恋心が凝縮されていたような気がした。

 この時、ゆあが思いを口に出さなかったのは、ハルヒとの関係がお金でつながれた、脆いものだということを理解しているからだろう。その直後、ハルヒの背中に抱きついて「はるぴは、私が稼げなくなっても、側にいてくれる?」というモノローグが流れるのだが、そんなゆあの心の内を察することなく「ゆあ、来週は出稼ぎがんばろうな?」というハルヒ。この一方通行すぎる掛け合いにSNSでは「わかっていても、関係を辞められないゆあの気持ちが切ない」「ゆあ~…幸せになってほしい…」とゆあを応援する言葉が集まっていた。

■「好きになっちゃう」楓沼が話題に

 一方、萌は初回来店以降、ホストの楓から、こまめに連絡が来ていた。しかし、自分が男性にモテないタイプだと自覚している萌は「しょせん営業メールだ」との思い、返信せずにいた。しかし、そんな萌にも「おはよう!」「今、授業中かな?」と何気ないメッセージを送り続ける楓。「また、飲みたいな」「お店に来ない?」と直接的に誘うのではなく、営業じゃありません感を出すのが楓にSNSでは「楓、めちゃくちゃシゴデキじゃん」と感心する声が集まっていた。しかし、このメッセージを読み上げる楓の声が、ずっと猫なで声なのは気になるポイント。少しずつ心を開いていく萌を見て、楓が心の隙間に入っていくのを感じてしまった。


 楓が萌の中に確実に居場所を作ったのは、萌が行きつけのバーTRAPにサークル仲間を連れていった時のこと。萌が自分らしくいられると思っていた場所で、初めて訪れたリナ(横田真悠)が、その場の中心になっていくのを見て「私なんかいなくても…」と逃げ出してしまったときに、萌は楓に泣きながら電話する。

 そんな萌の声を聞いて、飲み物を持った楓が「お待たせ!」と到着。さらに「声かけられたりしなかった?」「女の子だから気をつけないと」と、萌が普段は言われることのない、心のどこかで憧れているような言葉を並べた。とことん仕事ができる楓を見て、「こんなの恋に落ちるに決まっている!」と思った視聴者も多いのではないだろうか。

 また、楓と共に2度目の来店をした萌が、前回よりも金額が高いことに戸惑うのを見て、楓は「はみ出た分のお金は出すから」と萌の手にお札を押し付ける。極め付きには「このことは、秘密ね」と耳打ちするのだが、ここでの高野の色気がたまらない! SNSでも「楓、沼が深い…」「好きになっちゃう」との声が見受けられた。

 そんな楓が萌を突然ハグするところで第8話は終了。来週以降、本格的に楓へとハマっていく萌は、イメージチェンジ。今後2人の関係はどう進んでいくのか、ゆあとハルヒの関係性と共に注目だ。

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