テレビドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系/毎週火曜22時)の第4話が、2月2日(火)に放送された。ドSな鬼上司と“子犬系男子”の御曹司に翻弄される主人公・鈴木奈未(上白石萌音)を描いた本作。

今週は、思わず心臓が止まりそうになる“胸キュン”必至のキスシーンに注目が集まった。(文=阿部桜子) ※本記事はネタバレを含みます。ご注意下さい

■第4話では奈未がキレイに

 個展の帰りに、奈未が潤之介(玉森裕太)からおでこにキスをされた第3話。続く第4話では、奈未がその後、逃げ帰ったことが明らかになる。潤之介の真意がわからないまま、「MIYAVI」創刊号発売日を迎えることに。記念すべき創刊号のページをめくると、そこには、ファッション・エキスパート・パートナーとして“鈴木奈未”の名前が! 家族にも祝福され、ファッション誌の編集部で働いている実感が湧いてきた奈未。しかしそれと同時に、自分のファッションセンスが気になり始めてしまう。

 「なにその格好!? え、罰ゲーム?」。オシャレに目覚めてイメチェンした奈未だったが、急にセンスを磨くことはできず、編集部員の和田和美(秋山ゆずき)らを驚かせる結果に。その上、編集長・宝来麗子(菜々緒)からは、「泥団子は磨いても泥団子」とバッサリ斬られる。

 とはいえ、第4話の本屋の冒頭シーンと比べてみると、奈未は今回、著しい身だしなみの進化を遂げたといえよう。わかりやすいところでいうと髪型。
これまで前髪は風で崩れ、毛先もハネっぱなしだったが、今回ハーフアップにまとめ上げ、スッキリとした印象を生み出す。下ろした際も、スタイリング剤をつけたかのような、まとまりのあるヘアスタイルに変化していた。

 また、ピンクのチークやリップで血色感を出し、冒頭に映ったくたびれたフラットシューズからヒールに履き替えたことで、表情はいきいきとし、背筋もシャキっと伸びたように見えた。以前テレビ番組『50日間で女性の顔は変わるのか!?』(日本テレビ系)で、ファッション誌も読まないシングルマザーが「25ans」編集部で働き、垢抜けるという企画があったが、“可愛い”を作るには刺激のある環境に身を置くことも大切だと感じさせられる。さらに、第4話では、そんな垢抜けた奈未のもとに、三人の男性から“気になる視線が送られることになった。

■ケンちゃんと再会するも…

 ファッションと編集の仕事に興味を持ち始めた奈未は、和田から「ジミー チュウ」のレセプションパーティーに誘われる。そこに現れたのは、あの“けんチャン事件”でおなじみの“ケンちゃん”こと日置健也(犬飼貴丈)。ケンちゃんは、奈未が上京するほど想いを寄せていた幼なじみで、第1話で婚約者がいることが発覚し、いきなり失恋した相手だ。「ジミー チュウ」役員の会計事務をしていて招待を受けたというケンちゃんは、婚約者がいる身でありながら、いきなり奈未を口説き出す。「奈未もなかなかのもんだな」「俺たち付き合わないか?」「奈未さえ黙ってれば平気だから」。たった数秒の間に最低なセリフを吐き出すケンちゃんに手を引かれ、奈未は連れ去られそうになるが、このピンチを助けたのが、潤之介だった。

 おでこにチュー以来の潤之介との再会。
「俺、彼氏なんで。俺の1番を2番にするとかありえないから」。この言葉に、奈未はより一層、自分たちの関係性に混乱する。その後、二人きりになり、おでこへのキスについて潤之介が答えようとするものの、奈未はこの恋を警戒し、“半径1メートル”以内には近づかないでと頼んで逃げた。迷った子犬を拾うようなこの恋は、いつか本当の飼い主がきて、とてつもない喪失感に襲われてしまうはず…。奈未は全身全霊で、この想いに目を向けないようにしていた。

■潤之介との幸せなグランピング

 しかし、またもや運命のいたずらに翻弄される。潤之介のアシスタント尾芦一太(亜生)は、以前合コンで出会った和泉遥(久保田紗友)のことが気になっており、彼女を日帰りグランピングに誘い出す。しかし、遥が好きなのは中沢涼太(間宮祥太朗)。遥は、中沢を誘うきっかけづくりのため、奈未に声をかけ、四人で出かけることに決まる。ところが、当日、待ち合わせ場所に現れたのは、まさかの潤之介。尾芦は腹痛でグランピングどころではなくなり、ピンチヒッターとして潤之介が登場した。


 遥と中沢を二人きりにするべく、奈未と潤之介は買い出しへ。そこで、奈未は潤之介から帰りに星を見に行こうと誘われる。中沢たちはどうするのかと尋ねると、「あっち“も”二人になりたいんじゃないかな?」と潤之介。あっち“も”ということは、潤之介は自分と二人きりになりたいと思っているのかと、奈未は少しだけ浮かれる。

 ゆったり流れる幸せな時間。ただ、洗い場で奈未と潤之介が横並びになると、潤之介は奈未のことを避けた。実は、潤之介、この日ずっと“半径1メートル”以内に近づかないよう、“微妙な距離”を保っていたというのだ。待てと言われたら待つ子犬のように、言われたことを守る潤之介に、奈未は笑いが止まらない。純粋で無垢な潤之介に心を許し、奈未は星を見に行くことを承諾。しかし、この間に“三人目”からの気になるアプローチがあったのも忘れてはならない。

■奈未にモテ期到来!?

 ケンちゃんからのチャラい告白、潤之介からの思わせぶりな態度と、第4話で一気にモテモテになった奈未。素直で元気いっぱいに笑う彼女の魅力に惹かれているのは、中沢も同じだった。
いつもは自転車が相棒だが、第4話ではアウディに乗って登場した、意外にもハイスペック男子だった中沢は、グランピング中に、奈未の存在が気になってならない様子。

 遥から質問されてもすぐに奈未に話を振り、奈未と潤之介が仲睦まじく話しているときは、潤之介が入ってこられないであろう「MIYAVI」での仕事の話に切り替えて、邪魔に入る。クールに見えて、好きな人が自分の方を向いていないのは、癪(しゃく)に障るらしく、中沢は普段より早口&大きな声で奈未に喋りかけ、自分の存在をアピールしていた。

■潤之介の衝撃な事実が明らかに

 しかし、楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。仕事のトラブルが発生した奈未は、グランピングから戻らなければならなくなり、会はお開きに。もちろん、潤之介と約束していた星を見に行く約束も延期になった。奈未と潤之介は、日を改める約束をする。

 恋も仕事も順調に思えた奈未。一度消してしまった潤之介の連絡先を聞くため、尾芦に連絡したところ、ここで衝撃の事実が明らかになる。なんと、潤之介は海外にいる幼なじみのことを一途に想い続けているというのだ。アップテンポの音楽から、切ないピアノの旋律に変わり、物語は一気に雰囲気を変えた。

 「今度、理緒ちゃん帰国するらしいわよ」。
第3話で、潤之介の母・香織(高橋ひとみ)は、こう語りかけ、潤之介は表情を変えるが、この“理緒ちゃん”は、次に「MIYAVI」に登場するヴァイオリニスト・蓮見理緒(倉科カナ)のようだ。ようやく信じてみようと思っていた恋がガラガラと崩れ落ちるショックから奈未は、何も手につかなくなる。

 星を見に行く約束の日だったが、雨が降っていて、きっと行けないだろう。奈未と潤之介の約束を知っている中沢は、少し嬉しそうに「今日、雨降ってんな。星見に行くの?」と奈未に言う。“火曜日の夕方5時、いつものベンチで”。その約束を無視し、奈未は家に帰った。時間は夜の7時過ぎ。窓を閉めても、雨の音が部屋に染み込んでくる。

■「美し過ぎて芸術!!!」なキスシーン

 静かな部屋に浮かんでくるのは、潤之介との思い出だけだ。奈未は、居ても立ってもいられなくなり、“いつものベンチ”にかけ出した。やっぱり、誰の姿もない…かと思いきや、そこには、フードをかぶりながら、膝を抱えて小さく座る潤之介がいた。
スタジオに携帯を忘れたせいで、ずっと待っていたというのだ。冷たい雨が降りしきり、あたりも暗いのに、「来てくれて、ありがとう」「雨だから、今日は星、よく見えないや」と、待ち合わせに遅れた奈未を一切責めることのない潤之介。

 その優しさと健気さに、奈未は想いを止められなくなり、そっとキスをした。チークやリップはもう土砂降りの雨で落ちている。服も部屋着のままだ。着飾らない素のままの姿でも、潤之介は変わらぬ優しい態度で見つめてくれる。さらに、驚くことに、奈未のキスに、潤之介は少し嬉しそうな顔を見せ、“お返しのキス”を捧げるのだ。

 このシーンの凄いところは、「電話したのに…」という言葉を最後に、ラストまでの約1分半ほど上白石のセリフがまったくない点。あまりの愛おしさに言葉を失う奈未は、行き場のない想いをどう処理すべきかに迷い、目を泳がし続けている。行き着いた先は、潤之介の唇。しかし、“お返しのキス”は想定外で、奈未は目を丸くする。潤之介もまた、始めは彼女のキスに驚くものの、その後すぐに、優しいまぶたに変わり、奈未に口づけをした。あのとき部屋にまで染み込んできた悲しみの雨が、まるで息を殺すかのように、二人だけの世界を作り出す。

 「Luv Bias」だけが鳴り響くキスシーンに、Twitterでは、「キュンキュンどころの騒ぎではない。心臓が持たん」や「いや、もう玉ちゃんのキスシーン美し過ぎて芸術!!!」との声が。まるで最終回のような幸せな空間が出来上がってしまったが、それと同時に理緒が帰国した場面も映し出され、この恋がより複雑に絡み合っていく未来を予感させる。

 さて、あらすじによると、第4話で、奈未は、ずぶ濡れの潤之介をアパートに連れて帰るそう。また、奈未が理緒のドレスを届けに行く仕事も引き受けるらしく、奈未、潤之介、中沢、遥の四角関係だと思っていた恋は、五角関係へと発展を遂げそうだ。早くも物語は折り返し地点へ。わたしたちも潤之介のように、次の火曜日22時00分を健気に待つしかない。

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