テレビドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系/毎週火曜22時)の第5話が、2月9日(火)に放送された。ドSな鬼上司と“子犬系男子”の御曹司に翻弄される主人公・鈴木奈未(上白石萌音)を描いた本作。

これまでラスト数十秒の玉森裕太演じる潤之介による“ブルきゅん”シーンが話題になってきたが、今週は間宮祥太朗ふんする中沢涼太が醸し出す切なさにも注目が集まった。(文=阿部桜子) ※本記事はネタバレを含みます。ご注意下さい

■倉科カナ演じる蓮見理緒がスパイスに

 『きみに読む物語』やサム・ライミ版『スパイダーマン』のように美しい、土砂降りの中での奈未と潤之介のキスで幕を下ろした第4話。続く、第5話では、その後、奈未が雨に打たれた潤之介を家に連れて帰ったシーンから始まる。そこで改めて「好きだよ」と潤之介から伝えられた奈未。しかし「付き合ってほしい」とは言われていないため、今回、奈未は潤之介との不確かな関係に頭を抱えることになる。


 そんな不安が残る恋に、新たなスパイスが投入された。倉科カナ演じる潤之介の幼なじみ蓮見理緒だ。大学卒業後にプロのバイオリニストになり、ヨーロッパに旅立った彼女は、これまでの人生を、すべてバイオリンに捧げてきた人物。尾芦一太(亜生)によれば、潤之介は幼なじみを一途に思い続けているそうで、潤之介の部屋に昔の理緒の写真があったことからも、この二人の間には過去に特別な想いが宿っていたようだ。

 中沢が担当していた理緒の対談の手伝いをすることになった奈未は、ひょんなことから理緒と打ち解け、恋のアドバイスまでしてもらう仲に。もちろん理緒は、奈未の恋の相手が潤之介とは知らないまま、潤之介から奈未に告白をさせる作戦を立てる。
結局、潤之介があまりにも天然すぎて、この作戦は失敗に終わるが、仕事の合間におにぎりを差し入れてくれたり、電話で励ましてくれる潤之介に、奈未はますます想いを膨らませるのだった。恋の歯車が狂いだしていることも知らずに…。

■いよいよ中沢のターン!?

 第1話のベンチでのハグシーンに始まり、第2話での「俺のこと好き?」、第3話でのおでこキス、第4話の土砂降りキスと、これまで、さまざまな“ブルきゅん”を提供してきた潤之介。しかし、折り返し地点を迎えた第5話では、いよいよ中沢のターンが始まることを予感させる展開が繰り広げられた。

 カルチャー誌から未経験のファッション誌の編集を担当することになり、その勉強熱心な姿や、てきぱきとした仕事っぷりが、視聴者からも高評価だった中沢。クールでドSな性格だが、大好きな漫画や映画の話になると、目を輝かせながらノンストップで語りだすという可愛い一面を持っており、回を追うごとに、ファンが増えていっているようだ。


 そんな中沢は今回、社内報作りを担当することになった奈未に、パソコンでのグラフの作り方や、“編集”とはなにかを教える。奈未に頼まれ、「あぁ? めんどくせえな」と答えるものの、その「あぁ?」の口の形には、喜びが含まえているようにも見え、間宮の芝居の繊細さを改めて感じさせられる。

 華やかなように見えて、実は、外部スタッフへの連絡やギャラ交渉、撮影場所の確保など事務作業の多い編集職。しかし、この一見地味な作業こそ、大切だと中沢は言う。ワックスがけやペンキ塗りが空手の基本動作に繋がっていた『ベスト・キッド』を例に挙げ、雑用にこそ仕事の本質が詰まっていると奈未に説くのだ。Twitterでは、物語性を持たせて奈未が飽きないようにアドバイスを与える中沢を、「中沢さんが会社にいてくれたら仕事頑張れる」、「中沢先輩みたいな上司くれ!」と理想の上司として見る声も上がっていた。
しかし、上司の枠では収まり切らなさそうな、切なすぎる胸キュンシーンが、この後に待ち受けている。

■中沢にTwitterからエール続々

 みんなが帰宅した後、奈未は社内報作り、中沢は対談の段取りを組むために残業する。作業途中、中沢はコンビニで奈未に差し入れを買ってきてくれたようだが、一歩遅かった。なんと、その直前に潤之介が、手作りおにぎりと味噌汁を会社まで届けに来ていたのだ。おにぎりを食べる奈未を見て、中沢は声をかけず手を引っ込める。奈未のために、有料のレジ袋を2枚も買ったのだろうか…。
第3話で奈未への想いに気づき始めたときに、流し込んだビールを思い起こさせるように、中沢は、パリパリッと悔しそうな音を立てながらおにぎりを頬張った。

 その後社内報が完成し、「われながら、頑張った~!」という言葉を最後にデスクで眠りについてしまった奈未。出来上がった社内報を見て中沢は、奈未の成長を噛みしめるが、ふと“潤之介”という存在も思い出し、物憂げな表情を浮かべる。Paraviオリジナルストーリー『オー!マイ・ツンデレ!恋は別冊で』によると、中沢は、他部署からもバレンタインのチョコレートを大量にもらうほど、社内でもかなりモテる男らしい。しかし、どんなに多くの想いが注がれようと、意中の人の視線が自分にないと、そんなステータス、なんの意味もなさないのが切ない。

 これまで、TBS火曜ドラマは、さまざまな“当て馬キャラ”が物語を盛り上げてきた。
『この恋あたためますか』の新谷誠(仲野太賀)、『初めて恋をした日に読む話』の八雲雅志(永山絢斗)、『花のち晴れ~花男 Next Season~』の馳天馬(中川大志)などなど、視聴者の胸をギュギュっと締め付けたキャラクターたちは数知れず。その歴史を鑑みると、中沢が“当て馬ルート”を辿ることは容易に推測でき、Twitterでは「中沢さんどうにかして報われて、、、!」と幸せを願う声や、「中沢さんのおにぎり私が貰います」と余った差し入れの引き取り手を希望する声も多数見受けられた。

 さらに、本編の後に流れた、予告編も話題に。“ドS先輩と急接近!?”というテロップとともに、楽しそうに落ち葉で遊ぶ奈未&中沢の姿が映し出され、その上、「俺ならお前のこと泣かせない」という中沢の気になるセリフも飛び出す。これには、Twitterでも「まって、次回予告…」、「中沢さん来週ヤバイ」と慌てる声が。潤之介との関係がはっきりしないままの奈未、そこに現れた理緒、ありったけの優しさで奈未を見つめる中沢、そして奈未への中沢の視線が引っかかる和泉遥(久保田紗友)。“ブルきゅん”だけでは終わらない、複雑な恋の新章が今、始まろうとしている。