テレビドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系/毎週火曜22時)の第8話が、3月2日(火)に放送された。ドSな鬼上司と“子犬系男子”の御曹司に翻弄される主人公・鈴木奈未(上白石萌音)を描いた本作。

今週は、Kis-My-Ft2ファンを喜ばせる“粋な演出”にも注目が集まった。(文=阿部桜子) ※本記事はネタバレを含みます。ご注意下さい

■「MIYAVI」廃刊危機が迫る!

 互いの気持ちを伝え合い、順調に愛を育んでいく奈未と潤之介(玉森裕太)。これで恋も仕事も順風満帆…というわけにはいかず、第8話では音羽堂出版社の吸収合併と「MIYAVI」廃刊危機が迫る。それだけでなく、ピンチを迎える編集部に、追い打ちをかけるような出来事も。写真週刊誌「SLASH」からゲラが編集部に届き、そこには、宝来麗子(菜々緒)のパワハラ疑惑が書かれていたのだ。

 これにより、廃刊の危機を乗り切るべく立ち上げられた「COACH」と「MIYAVI」、そして「ISOBE」の3社がコラボレーションする化粧水のプロジェクトも一時中断に。この一件から、奈未は、編集部が自分にとって大好きで大切な場所であることに改めて気づき、「今のままでいたい」という願いを叶えるべく、一歩動き出す。

■奈未VS麗子のバトル勃発?

 「MIYAVI」副編集長の半田進(なだぎ武)と奈未は、パワハラ疑惑の記事の説明に「ISOBE」を訪れる。「パワハラなんてみじんもない」と半田が説得するものの、磯辺社長(近藤芳正)は、信頼関係を築くには時間が必要だと語り、「MIYAVI」と「SLASH」のどちらを信用すべきか迷いを見せる。

 開いた口がふさがらない半田。すると、そこになんと麗子が現れる。
奈未が麗子を呼んだそうだ。「アシスタントのあなたが口を挟むことじゃない」と到着するやいなや言う麗子。すかさず「でも雑誌にはわたしのことも書かれています」と奈未が言い返し、磯辺社長の前で二人の言い合いが始まった。

■奈未、渾身の土下座

 さらに奈未は、もはや美しさすら感じる磯辺社長への土下座を披露。“パワハラにも見える言動は、より良い雑誌を作るためだ”と、奈未は麗子を肯定するのだが、麗子は、「あなたが喋っていいのは、わたしが許可したときだけ。引っ込んでなさい」と語勢を強める。「そういう言い方は…」とおろおろする半田をよそに、さらに奈未は「引っ込みません!」と逆らう。

 しかし、このバトルは奈未の作戦であった。麗子の行動は、編集長という立場を利用し、圧力をかけ、奈未に精神的苦痛を与えるパワハラではなく、奈未と信頼関係を築いているからこそできるものであり、それを奈未も理解しているということを、磯辺社長の前で証明してみせたのだ。この作戦は功を奏し、一時中断していたコラボ企画は無事に再開することになる。

■潤之介、ついに宝来グループへ

 一方その裏で、潤之介は、奈未に黙って、カメラマンを辞める決意を固めていた。第8話の冒頭、潤之介は、金沢に戻り、母・香織(高橋ひとみ)に、今の仕事を整理して、宝来グループを継ぐことを伝え、後日、アシスタントの尾芦一太(亜生)にもカメラマンを辞めると打ち明ける。
尾芦は「僕なんかより、まず奈未ちゃんに言わないと」と言うも、自分が実家に戻ることを告げたら“俺か仕事かどっちか選べ”と言っているようだと、潤之介は奈未への報告を渋っている様子を見せた。

 奈未に胸の内を明かさぬまま潤之介は、資料や機材が所狭しと置かれた作業部屋の整理を進める。しかし、ため息混じりで、どこか浮かない様子。そこに奈未から1本の電話が鳴る。編集部員の和田和美(秋山ゆずき)が手配していたカメラマンの予定が入ってしまい、急遽、潤之介に撮影の依頼が届いたのだ。

 「MIYAVI」存続をかけた大仕事、麗子と潤之介の初仕事、そして潤之介最後の仕事と、それぞれの想いが溢れる撮影スタジオ。腕をまくり、カメラマンとして働く潤之介は、先程とは打って変わってはつらつとした表情を浮かべていた。きっと視聴者も、見守る奈未と同じ顔をしていたのではないだろうか。このまま、カメラへの情熱をダンボールに入れてしまうのは、あまりにも惜しい。

■「MIYAVI」廃刊になるも…

 「MIYAVI」第3号が発売され、コラボ化粧水の売り上げは好調。しかし、役員会議が出した答えは“廃刊”。半田はこれまでに出した3冊の「MIYAVI」を抱きしめる。
ところが、事態は一変。化粧水の評判のおかげで、ほかのハイブランドからも「MIYAVI」とのコラボ企画が持ち上がり、「MIYAVI」は廃刊を免れることになった。麗子の編集長退任という条件付きで…。

■「スタッフさん天才すぎる」の声上がる演出

 「今度の『MIYAVI』が発売されたらデートしようか」。こう約束していた潤之介と奈未は、富士急ハイランドへ。第8話では、奈未の部屋で見つけた“彼氏ができたらやりたい10のこと”をすべて実現させていく潤之介の姿が描かれており、このデートでも、1つのマフラーを二人で巻き、第2ボタンをプレゼントするなど、潤之介は、不器用な形ながら、奈未が中学の頃に願った青春に色を付けていく。

 その中に“2人で手をつないでスケート”という項目もあり、二人はスケートリンクに向かう。Kis-My-Ft2のパフォーマンスでローラースケートを駆使する玉森は、さすがアイススケートもお手の物。華やかなターンを見せ、潤之介から一瞬だけジャニーズの風が吹く。Twitterでも「ローラースケートやってるからスケートも上手なんだね!」や「キスマイのローラースケートの実力がスケートに活かされてた」と普段の活動が演技に繋がっていることを実感する声も上がっていた。

 実はこれだけではなく、『ボス恋』には、Kis-My-Ft2ファンが思わず、にやけてしまうような“粋な演出”が散りばめられてきた。例えば、わかりやすいところで言うと、玉森のメンバーカラーである黄色が、劇中でキーカラーのように使われている点。
特に、アパートをはじめ奈未の家はスウェットや小道具に黄色が使われており、玉森ファンへの粋な計らいだともとれる(今回の一輪の花も黄色だった)。

 また、本作の主題歌である「Luv Bias」の歌詞とリンクするシーンも描かれてきた。第6話では奈未がミルフィーユをケーキ屋で注文する場面が映ったが、実は、「Luv Bias」にも<君の好きなミルフィーユ>というワードが出てくる。また、第8話で、潤之介が奈未に一輪の花をプレゼントするところでは<今日は君の為に花を選んで帰るから>という歌詞がジャストタイミングで流れるようになっている。

 この演出には「ボス恋スタッフさん天才すぎる」、「ラブバイの歌詞とドラマがリンクしてて感動している」とTwitterでも称賛の声が散見された。ほかにもKis-My-Ft2がCMを担当していた「ウナコーワ虫よけ当番」が奈未のアパートの物干し竿にかかっているなど、スタッフの遊び心を感じさせる演出が各所に散りばめられている本作。奈未がプロポーズの返事をし、麗子が行方不明になるという次週の第9話でも、イースターエッグのような“粋な演出”が見つかることを期待してしまう。

編集部おすすめ