不器用な若者たちが織りなすヒューマンラブコメディー『ファイトソング』(TBS系/毎週火曜22時)。本作は、空手の日本代表を目指していたスポ根ヒロイン、木皿花枝(清原果耶)が、“人生最初で最後の恋”を見つけていく物語。

花枝が最後に選ぶのは、落ちぶれた一発屋ミュージシャンの芦田春樹(間宮祥太朗)か。それとも、一途な幼なじみ・夏川慎吾(菊池風磨)なのか。恋の三角関係が、火花を散らしていくことになりそうだ。1月25日(火)に放送された第3話では、花枝と芦田が急接近! 慎吾にとっては、苦しい展開となった。(文=菜本かな) ※本記事はネタバレを含みます。ご注意ください

■慎吾に重なるSexy Zoneの「名脇役」

 期間限定の“恋の取り組み”をスタートさせた花枝と芦田。早速2人は、初デートに行くことに。けれど、芦田が選んだのは敷居の高い高級和食店で…。思わず、「どうして、このお店なの!」とツッコミを入れたくなってしまう。花枝が一生懸命しゃべっていても、ししおどしの“コーン”という音が、話をさえぎるのだ。

 ただ、「知らなくて…。いい店とか、全然。
ここくらいしか、君みたいな女性を連れてこられるところないかなって」と芦田から言われると、なんだかうれしくなる気持ちも分かる。女性として大切に扱ってくれていること。どこか不器用なピュアさまで、愛おしく感じてくる。花枝も、「そっか、女性か。女性扱いされたの、生まれてはじめてかも。新鮮…うれしい」と乙女な表情を見せていた。

 幼い頃から、強い女の子として生きてきた花枝。もしかしたら、か弱い女の子でいられる場所をずっと探していたのかもしれない。となると、兄妹のような存在である慎吾は、若干不利になってしまうのだろうか。花枝は、“恋をしている自分”を感じさせてくれる相手を求めているような気がする。
 
 ただ、そう簡単には諦められないのが恋というもの。慎吾は、花枝と芦田の関係を知っても、思いを断ち切ることはしない。
芦田とのエピソードを、楽しそうに語る姿を見るのは、かなりつらいはずだ。しかも、慎吾は花枝のことをずっと近くで見守ってきた。それなのに、自分が見たことがない花枝の表情を、芦田はどんどん引き出していく。

 それでも、慎吾はいつも笑っている。周囲を明るくして、和ませて。少なくとも、花枝の前ではつらい表情は見せない。そして、時折ジャブを打つのだ。花枝への思いを、ふざけたふりして会話に織り込んでいく。だが、花枝は慎吾の気持ちに気付いていない。「また、冗談を言ってる」くらいに思っているのだろう。むしろ、慎吾はそれを望んでいるのかもしれない。

 彼の一途な思いが、Sexy Zoneの片思いソング「名脇役」に重なって切なくなる。
SNS上でも、「慎吾ちゃん見るたびに名脇役が流れる」「慎吾ちゃんの切ない表情に今すぐ名脇役かけたい」との声が上がっていた。とくに、2番の<なんにも知らないくせして/「なんで笑ってたの?」って言うな/他でもない君でこんな始末になってるんだよ/なんて言えるわけもない僕はいつもと/同じ顔で言う「え? 笑ってたかな?」>という部分が、いつも笑っている慎吾を彷彿(ほうふつ)とさせる。どうか、彼には幸せになってほしい…と願わずにはいられない。

■藤原さくらに「演技が神」と絶賛の声

 第3話では、藤原さくら演じる萩原凛にスポットが当たった。凛は、花枝の姉貴分でありながら、慎吾に片思いしている難しい役柄。

 彼女は、慎吾の魅力を誰よりも知っているはずだ。妹のように大切にしてきた花枝を、彼になら任せられる…という気持ちも、どこかにあるのではないだろうか。そして、幼い頃から、一緒に過ごしてきた慎吾の幸せを願う気持ちもあるはず。でも、やっぱり慎吾の横にいるのは自分がいい…という葛藤を、藤原は見事に表現していた。

 ふと、慎吾を見つめる時の恋する表情や、花枝のことを思いやる姉としての顔。クルクルと変わる表情に、「藤原さくらさんの演技が素晴らしすぎた3話」「藤原さくらちゃんの演技が神すぎてめちゃくちゃ感情移入してしまう…」とSNSでは絶賛の声が上がっていた。

 次週放送の第4話は、芦田の曲の締切が早まったことで、期間限定の恋も、終わりを迎えてしまう…? 花枝と芦田はもちろん、慎吾や凛、伊達弓子(栗山千明)など2人を取り巻く恋の矢印にも注目していきたい。

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