第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたミア・ハンセン=ラブ監督最新作『ベルイマン島にて』が、4月22日より公開されることが決定。スウェーデンの巨匠監督イングマール・ベルイマンを敬愛する映画監督のカップルが、彼が愛した島でひと夏を過ごす姿を収めた予告編が解禁された。



【動画】すれ違う2人の思い 『ベルイマン島にて』予告編

 スティーヴン・スピルバーグやマーティン・スコセッシなど、映画界の巨匠たちに多大な影響を与えたとされる“20世紀最大の巨匠”イングマール・ベルイマン。本作は、彼の熱狂的な支持者である女性監督ミア・ハンセン=ラブ(『未来よ こんにちは』)が監督と脚本を務め、ベルイマンの原風景と言われるスウェーデンの島を舞台に、創作活動も夫婦関係も停滞中の映画監督カップル・クリスとトニーの物語を描くドラマ。

 クリスを『ファントム・スレッド』のヴィッキー・クリープス、トニーは『海の上のピアニスト』のティム・ロスが演じる。クリスの脚本を映像化した劇中劇には、『アリス・イン・ワンダーランド』のミア・ワシコウスカと、『パーソナル・ショッパー』のアンデルシュ・ダニエルセン・リーが登場する。

 予告編は、クリスとトニーがスウェーデンのフォーレ島へやってくるシーンから始まる。フォーレ島、そこは巨匠イングマール・ベルイマンが数々の傑作を生みだした島。彼のかつての仕事場は現在世界中のアーティストに開放されており、クリスとトニーはそこで新作のインスピレーションを得ようとひと夏を過ごすことにしたのだった。

 一面真っ青で煌びやかな海に、心が晴れやかになるような青空、大自然の緑に囲まれた環境に、「穏やかで完璧すぎて」「息が詰まる」と言うクリス。一方、トニーは涼しい顔で「落ち着くよ」と答える。<離婚する人が続出した映画>と言われたベルイマン監督の『ある結婚の風景』(1974)が撮影された家で過ごすうちに、まるでその魔力にかかったかのように少しずつギクシャクし始める二人が描き出されていく。

 そんな中でクリスは、フォーレ島で再会し恋心が再燃するかつての恋人同士の物語を紡ぎ始める。だが、クリスが「(脚本)執筆は拷問みたい」と悪戦苦闘しながら書いた新作の構想を相談しても、トニーは「(そんなに辛いなら)他のことをやれば?」と他人事のように返答。
そんな彼に苛立ちを隠せないクリス。やがて島で見つけた暮らしや思いがけない出会いが、彼女の心模様を変えていく―。

 果たして、イングマール・ベルイマンの息吹がそこかしこに残る北欧の島でひと夏を過ごしたクリスとトニー、そしてクリスの脚本の中のカップルの物語の行方は。北欧の離島の風光明媚な景色も印象的な、味わい深いストーリーを予感させる予告となっている。

 映画『ベルイマン島にて』は、4月22日より全国順次公開。

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