今夜、視聴者からのリクエストに応え、1994年に公開されたコメディ映画『マスク』が金曜ロードショーにお目見え。内気で優しい冴えない銀行員のスタンリーが、ひょんなことから手に入れた謎のマスクを被ると…イタズラ好きのおかしな正義の味方に大変身! 視覚効果とジム・キャリーの奇妙な動きが織りなす笑いは天下一品。
そんな大ヒットコメディでヒロインを演じ映画デビューを果たしたキャメロン・ディアスは、当時まだ21歳だった。公開から28年、キャストたちが今どうしているかをご紹介しよう。
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★ジム・キャリー:スタンリー・イプキス/スタンリー・ザ・マスク役
「良い人」キャラのパッとしない銀行員スタンリー・イプキスと、テンション爆上げで大胆不敵、キレッキレのダンスを踊る正義の味方スタンリー・ザ・マスクを演じ分けたのは、スタンダップコメディ出身のジム・キャリー。
1994年はジムの当たり年。初主演映画『エース・ベンチュラ』が大ヒットし、続く本作、そして『ジム・キャリーはMr.ダマー』と3本の主演作でヒットを放ち、一気にコメディ俳優としての地位を確立した。一方、1998年公開の『トゥルーマン・ショー』、2004年の『エターナル・サンシャイン』では、感動作でも評価を獲得。その後『フィリップ、きみを愛してる!』(2009)のようなコメディドラマから、『グリンチ』(2000)、『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』(2004)といったファミリー向け映画、『ダーク・クライム』(2016)のようなR指定のクライムスリラーまで、さまざまなジャンルの作品に出演を重ねた。
2001年頃からはアートの世界に足を踏み入れ、近年は俳優業よりも画家として過ごすことが多くなっている。2017年には、アーティストとしての彼を追ったドキュメンタリー『Jim Carrey: I Needed Color(原題)』も公開。アートを渇望する姿が捉えられている。また、ツイッターで公開したトランプ前大統領を風刺する漫画も注目を集めた。今年、ついに還暦を迎えたジム。
現在公開中の『ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ』では、前作に続きヴィランのドクター・ロボトニック役を演じているが、プロモーション中に引退の意思があることを告白。それもかなり本気だそうだ。
★キャメロン・ディアス:ティナ・カーライル役
スタンリーを虜にする本作のヒロインで、クラブ「ココ・ボンゴ」のシンガー。ギャングの愛人でもあるミステリアスでセクシーなティナを演じたのは、本作が映画デビューのキャメロン・ディアス。
16歳からモデルとして活躍し、一時、日本に滞在していたことも。21歳で本作に出演後、『メリーに首ったけ』(1998)で大ブレイクし、『チャーリーズ・エンジェル』(2000)やトム・クルーズ主演の『バニラ・スカイ』(2001)、レオナルド・ディカプリオと共演した『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002)など、大作映画に続々出演を果たし、誰もが知るビッグスターになった。
プライベートでは、2015年にミュージシャンのベンジー・マッデンと結婚し、2019年には第1子となる女の子が誕生した。俳優業は、2014年に公開された『ANNIE/アニー』を最後にスクリーンから遠ざかり、2018年には引退宣言をしていたが、今年、女優にカムバックすることを発表! 出演するのはNetflixの新作アクションコメディで、共演は『エニイ・ギブン・サンデー』(1999)と『アニー』でも一緒だったジェイミー・フォックス。8月に50歳になったキャメロンの久しぶりの演技が今から楽しみだ。
★ピーター・リーガート:ミッチ・ケラウェイ役
マスクの起こした事件を追い、変柄パジャマに目を付けてスタンリーを疑う敏腕警部のミッチ・ケラウェイ。マスクの陽気なダンスにも乗せられないカタブツだ。演じたピーター・リーガートは、米NY出身で、本作に出演したのは47歳の頃。
これ以降も俳優としてコンスタントに活躍し、特にテレビドラマでは、『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』や『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』、『グッド・ワイフ』など、日本でも観られる人気作に出演。75歳の今も現役で活躍しており、エミー賞受賞の『キング・オブ・メディア』や、『BULL / ブル 法廷を操る男』などにも出演している。
また、俳優のほかに、脚本家、映画監督としての顔も持ち、2001年には、監督を務めた短編映画『By Courier(原題)』がアカデミー賞短編映画賞にノミネートされている。
★ピーター・グリーン:ドリアン役
キャメロン・ディアス演じるティナのパトロンで、地元を牛耳るドンの座を虎視眈々と狙うギャング、ドリアンを演じるのは、ピーター・グリーン。20代の頃から俳優として活躍し、90年代には、タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』(1994)や、オスカー2部門受賞の『ユージュアル・サスペクツ』(1995)、スティーヴン・セガール主演の『暴走特急』(1995)などのヒット作に出演した。彼のフィルモグラフィーはとにかく多作。この後も毎年1~6本のペースで映画やドラマに出演し、今年だけでも、MVを含めて出演作5本を数える。日本では、昨年劇場公開された『テスラ エジソンが恐れた天才』で彼の近影を観ることが出来る。
★エイミー・ヤスベック:ペギー・ベラント役
人生相談コーナーの担当から本格的な記者への転身を目論み、一見優しそうなのに、自己実現のためなら手段を選ばない野心家ペギー。演じるエイミー・ヤスベックは、テレビや映画で活躍する女優。90年代には、本作のほかに、ジュリア・ロバーツ&リチャード・ギア主演の『プリティ・ウーマン』(1990)や、ホラーコメディ『レスリー・ニールセンのドラキュラ』(1995)などに出演している。エミー賞俳優のジョン・リッターとの間に女の子を出産した1998年頃から仕事をスローダウンし、2016年にドラマ『プリティ・リトル・ライアーズ』にゲスト出演したのを最後に演技の仕事からは遠ざかっている。
ジム・キャリーの代表作であり、モデル時代のキャメロン・ディアスの絶世の美女ぶりを堪能できる『マスク』。90年代コメディの傑作を、久々の地上波放送で堪能しよう。(文:寺井多恵)
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