2008年から開催されている“コント芸日本一”を決める『キングオブコント』が今年も開催される。決勝進出者は、いぬ、かが屋、クロコップ、コットン、最高の人間、ニッポンの社長、ネルソンズ、ビスケットブラザーズ、や団、ロングコートダディ(50音順)の10組。

決勝の放送があと3日に迫った今、第15代コント王者に王手をかけたコント師10組を紹介していきたい。

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■いぬ

 一度見たら忘れられない立派な髭を持つボケ担当の太田隆司と、ツッコミ担当の有馬徹によるコンビ、いぬ。鬼越トマホークや横澤夏子と同期のNSC東京校15期出身だ。ただコンビ結成の歴史はそれ以前。もともと同じ高校のラグビー部に所属していた同級生の2人が、高校3年生の時に思い出づくりのつもりで結成。しかし、「M‐1甲子園」へ出場し、決勝まで勝ち上がったことがきっかけで、その後もお笑いを続けることに。
あまり難しいことを考えずに、その世界観に入っていけるのが2人のネタの魅力だ。

■かが屋

 マセキ芸能社所属のかが屋は、短髪の加賀と、長髪の賀屋による2015年に結成したコンビだ。漫才は行わないコント師として知られる彼らは芸人からの評価も非常に高く、2019年には結成からわずか4年で『キングオブコント』決勝に初めてコマを進めた。2020年には加賀が体調不良のため療養したこと、2021年には惜しくも準決勝止まりということもあり、『キングオブコント』の決勝進出は3年ぶりの出場となる。

 状況説明などなく唐突に始まるコントは、日常のワンシーンのあるあるや気まずいシーンを取り上げたものが多い。とにかくネタの種類が豊富な2人が、決勝の舞台で視聴者や審査員をどう巻き込んでいくのか注目だ。


■クロコップ

 中学の同級生である荒木好之としょうたによるコンビ、クロコップ。所属するケイダッシュステージから『キングオブコント』の決勝に進出するコンビとしても初。そのことについてはオードリーもラジオで触れており、期待を寄せていた。歌ネタから下ネタまで、良い意味でなんでもありな『キングオブコント』では、どんなコントを見せるのか楽しみだ。

■コットン

 NSC東京校17期出身のコットンは2012年に結成したコンビ。もともとはラフレクランというコンビ名で活躍していたが、結成10年目2021年4月1日にコットンに改名した。


 ツッコミ担当の西村は、高身長ですらっとしたスタイルが特長の元アナウンサー。一方のボケ担当・きょんは芸人になる前、IT関係の会社で営業職をしていたという経歴を持っている。そのスマートさからネタ以外の部分で人気を集める、いわゆる“ワーキャー”な評価をされることが多かった2人だが、ついに実力でキングオブコント決勝に初進出を果たす。ちょっと幸せな気持ちで終わることが多いコットンのネタ。決勝でどんな設定のネタを見せてくれるのか、楽しみだ。

■最高の人間

 昨年から即席ユニットでの出場が認められている『キングオブコント』において、今年、初となる決勝進出を果たしたのはプロダクション人力舎に所属する吉住と、彼女が慕う先輩芸人・岡野陽一によるコンビ、最高の人間だ。
2020年『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ系)王者の吉住と、同じく『R‐1ぐらんぷり』ファイナリスト常連で巨匠というコンビで『キングオブコント』の決勝に2度進出したことのある岡野。岡野曰く「ほかのコンビの方とは違い、まったく失うものはない」というのも2人の強み。実力者の2人が決勝の舞台で、大暴れが期待される

■ニッポンの社長

 2013年結成、NSC大阪校32期の辻と同校33期・ケツによるコンビニッポンの社長。シュールで、少しだけブラックなコントを得意とする2人のネタは、設定はぶっ飛びつつ、あくまでも我々が想像しやすい日常生活がシチュエーションになっていることが多い。実績十分で『キングオブコント』3年連続進出のみならず、「第8回NHK新人お笑い大賞」にて大賞、「第57回上方漫才大賞」の新人賞を獲得。最近はバラエティ番組で見かけることも増えた2人だが、やはりその魅力はコントにあり! 今大会でも爪痕を残すのではないかと期待が高まる。


■ネルソンズ

 NSC東京校14期の和田まんじゅうと、青山フォール勝ち、岸健之助によるトリオ・ネルソンズ。同期には今回同じく決勝に進出するロングコートダディのほか、ダイタクや相席スタートの山添寛、EXITのりんたろー。らがいる。

 今回が3年ぶり2回目の進出となるネルソンズのネタは、坊主とメガネの見た目を生かした和田が、ちょっと不思議なおじさんキャラを演じるものが多い印象。3年ぶりに帰ってきた『キングオブコント』の舞台で、どんなネルソンズワールドを繰り広げるのか注目したい。

■ビスケットブラザーズ

 NSC大阪校33期生のビスケットブラザーズは、ビスブラの愛称で親しまれ、同期にはニッポンの社長・ケツのほか、コロコロチキチキペッパーズ、男性ブランコ、ZAZY、マユリカとテレビや賞レースで活躍しているメンツが多く注目されている世代。
2020年には「第5回上方漫才協会大賞」にて文芸部門賞、同年「第9回ytv漫才新人賞」では優勝、翌2021年には「第51回NHK上方漫才コンテスト」で優勝するなどじわじわと実力をあらわにしている。『キングオブコント』決勝進出は、2019年ぶり。大会の注目がさらに高まっているこのタイミングで、どんなネタを披露するのか、楽しみだ。

■や団

 本間キッド、中嶋享、ロングサイズ伊藤によるや団は、SMA NEET Project所属。SMA NEET Projectといえば、『M‐1グランプリ2021』王者の錦鯉や、ハリウッドザコシショウ、そして2012年『キングオブコント』王者のバイきんぐも所属しており、今最も勢いのある事務所と言っても過言ではない。

 テレビプロデューサーの佐久間宣行曰く、お笑いライブ界隈では「売れないとおかしい」と言われているトリオ・や団。かつて同じように言われていたバイきんぐに続くKOC王者となる可能性は、十分にそろっている。

■ロングコートダディ

 2年ぶり2回目の決勝進出を決めたのはロングコートダディの2人。メガネをかけている細身の堂前透と、どこか憎めないキャラクター兎によるコンビで、ツッコミとボケはそのときどきで変わるスタイルのNSC大阪校31期生の同期コンビ。『キングオブコント』の決勝に進出するのは2年ぶり2回目。2022年8月17日に放送された『カーネクストpresents オールザッツ漫才 真夏のゴールデンSP』(MBS)のネタバトルで優勝を果たしたばかりの彼らが、どんなコントを見せてくれるのか、注目だ。

 『キングオブコント2022』は『お笑いの日2022』内でTBS系にて10月8日19時放送。