キーラ・ナイトレイ主演のイギリス映画『サイレント・ナイト』より、自殺用の薬【EXITピル】の実態が明らかになるシーンの本編映像とカミラ・グリフィン監督のコメントが解禁された。
【動画】国が推奨する“死” 『サイレント・ナイト』より「EXITピル」の実態が明らかになる本編映像
本作は、人類を滅ぼす猛毒ガスが迫る中、“地球最後のクリスマスイブ”を過ごす男女12人が繰り広げるブラックな狂騒曲を描くホラーコメディ。
今年のクリスマスはいつもと違っていた。地球上のあらゆる生き物を死滅させる謎の猛毒ガスが、明日にもイギリスに到達するのだ。政府の広報サイトによれば、ひとたび毒ガスを吸引した者は神経系統を破壊され、おびただしい出血とともに死に至るという。もはや毒ガスから逃れる術はなく、政府は苦痛をなくす自殺用の薬「EXITピル」を国民に配布し、それを飲んで“尊厳ある死”を選択することを推奨している。
この残酷な聖夜に集まった大人たちは、さんざん悩んだ結果、クリスマスパーティーの終了後にこの「EXITピル」を飲み、みんなで安らかな死を受け入れるという“協定”を結んでいた。一方、何も聞かされていない子供たちは、毒ガスの原因をめぐり「ロシアの陰謀説」「環境が悪化した地球による復讐説」など、大人顔負けの主張をぶつけ合う。
解禁された本編映像では、ネル(キーラ・ナイトレイ)とサイモン(マシュー・グード)の息子のアート(ローマン・グリフィン・デイヴィス)が、寝室に隠れてスマホで猛毒ガスについて検索し、「EXITピル」の存在を知って激しく動揺する。大人たちは、「EXITピル」を飲まざるを得ない状況を説明するが、アートは納得できない様子。果たして、彼らが最後に取った選択とは?
また、併せてカミラ・グリフィン監督のコメントも到着している。
映画『サイレント・ナイト』は、11月18日より全国公開。
※カミラ・グリフィン監督のコメント全文は以下の通り。
■「どうか私の映画が誤解を招きませんように」 カミラ・グリフィン監督コメント全文
私は『サイレント・ナイト』という映画が「我々が持つ特権という利点で、どのように最愛の人たちを守ることができるのか」ということを考えるきっかけになればいいと考えています。
加えて、私たちがこのプロジェクトを開始したのは、新型コロナウイルスが蔓延する前だったという点を述べておきたいと思います。私たちは誰ひとりとして、パンデミックがこのように破滅的な影響を世界に与えることを予測、または想像することさえできませんでしたが、本作が反ワクチン的なメッセージを含んでいないという点は断言しておきたいと思います。
私は映画製作者として、政府が自身の過ちに対して責任を負わないこと、また弱者に対しても責任を負わない政府の道徳性に疑問を呈しました。
登場人物の少年アートはすべての人の意見を信じています。アートは命を救うワクチンではなく、自殺用のピル(EXITピル/イギリスのEU離脱を指す“BREXIT”をもじってネーミングしたもの)の使用を疑問視しています。アートは決して医学の信頼性を疑っているのではありません。彼は非常事態における情報の通達や、コミュニケーションに対して疑問を呈しているのです。どうか私の映画が誤解を招きませんように。