米バージニア州で行われたジョニー・デップとの名誉棄損裁判で、損害賠償1500万ドルの支払いを命じられる大敗を喫したアンバー・ハード。この裁判の判決取り消し、または再審を求め、裁判所に訴えた。



【写真】米裁判所に向かうジョニー・デップとアンバー・ハード

 この裁判は、アンバーが米ワシントンポスト紙の意見記事の中でDV被害を告白したことについて、名指しこそしないものの加害者がジョニーであると示唆したとし、彼女を相手取り名誉棄損で訴えを起こしたもの。

 現地時間6月1日にジョニーの主張を概ね認める判決が下され、アンバーに対して損害賠償1500万ドルの支払いが命じられたが(バージニア州法の規定により1035万ドルに減額)、その一方でアンバー側も、申し立てていた3件の訴えのうち1件が認められ、ジョニーは200万ドルの支払いが命じられた。

 Deadlineによると、アンバーの弁護士は裁判所に対して文書を提出。「この裁判は、フォーラム・ノン・コンビニエンスの原則(他の法域の裁判所で裁判を行う方が、当事者の便宜や正義の実現のために良いとみなされた場合、訴えを却下することを認める法理)に基づき訴えを却下すべきところを、バージニア州にワシントンポストのサーバーがあるというデップ氏の主張を基に、その判断がなされなかった」と主張。「この判決が維持されれば、今後、パワーのある男性の暴力を訴えようとする女性を萎縮させてしまうのは間違いない」と訴えているという。

 また、裁判を担当したペニー・アズカラーテ判事に対しても、裁判員のメンバーをジョニーの有利になるように集めたと非難した。
さらに、2020年にイギリスで行われた裁判に触れ、「他の裁判所で、すでにデップ氏がハード氏に複数の機会に暴力を振るったと判決が下っていることから、この裁判は行われるべきでなかった」としているそうだ。

 アンバーはすでに、裁判が結審した直後の6月に、判決を不服として控訴しており、裁判所に申し立てするのはこれで2度目。対するジョニーも、アンバーの主張が一部認められたのは不服として、先月控訴している。