漫才師日本一を決める『M‐1グランプリ2022』(ABCテレビテレビ朝日系)が18日に放送される。お笑いファンのみならず、年末の風物詩として楽しみにしている人が多い同大会。

それゆえ、優勝者はもちろん、決勝進出者やファイナリストが注目されることも珍しくない。今回は、歴代の『M‐1』ファイナリストのうち惜しくも2位に止まるも、ブレイクを果たしたコンビを紹介しよう。

【写真】南キャン、オードリー、かまいたちも実は2位 ブレイク果たした『M-1』2位コンビたち

南海キャンディーズ…ネタ冒頭、MCに絡み準優勝

 今やMCとして名を馳せている山ちゃんこと山里亮太と、女優業やボクサー(2015年引退済み)などマルチに才能を発揮するしずちゃんこと山崎静代によるコンビ・南海キャンディーズ。先日、しずちゃんが山ちゃんMCのラジオでサプライズ結婚報告をしたことも話題を集めている。

 2003年に結成した彼らがブレイクすることとなったきっかけの1つに、2004年大会での準優勝がある。特に多くの芸人が1本のネタとして仕上げてくる『M‐1』という場において、MCを務める井上和香に絡むアドリブを投入した2本目は印象的。自己肯定感が高い発言と悲しいエピソードをバランスよく織り交ぜるしずちゃんと、彼女を落ち着かせる山ちゃんだからこそできる技巧だ。

■オードリー…敗者復活からの快進撃

 先日、2022年の年間出演本数ランキング(エムデータ調べ)で目標としていた1位を獲得した春日俊彰と、目標にせずとも4位にランクインした若林正恭。言葉通りテレビで見ない日がないオードリーも、『M‐1』準優勝経験者だ。

 オードリーの場合、準優勝を果たした2008年大会において敗者復活戦を通過し勝ち上がってきたというのも印象的。胸を張り、ゆっくりと歩いてマイペースにしゃべる春日と、流ちょうに話を展開していく若林の漫才スタイルは、あの日から今日まで大きく変わらない。2人が目を合わせて「えへへへ」と笑い合う姿は、何年経とうと人を幸せな気持ちにさせてくれる。


■“復活後”の『M‐1』でもブレイクコンビが続出

■かまいたち…記憶に残る漫才でラストイヤーを締めた

 2019年、3年連続で進出した『M‐1グランプリ』決勝で松本人志からの1票を獲得し、準優勝という結果でラストイヤーを終えたかまいたち。直後に開設したYouTubeでは「なんで売れへんねん」と自虐的に言っていたこともあったが、今となってはコンビでのレギュラー13本、2023年2月2日には日本武道館での単独ライブを開催するほど勢いがあるコンビになった。

 ラストイヤーに披露した「UFJとUSJ」のすれ違いネタと「トトロ1回も見たことない」という自慢話のネタは、多くの人の記憶に残っているはず。実際、テレビやラジオで「僕もトトロ見たことありません」と絡まれている2人を定期的に見ることから、『M‐1』という大会がいかに浸透しているかを思い知らされる。

■オズワルド…安定したしゃべくり漫才が魅力

 「お世話になっております。伊藤と畠中でオズワルドです」という落ち着いたつかみとシャツにサスペンダー姿が特徴のオズワルド。しかし、彼らの魅力はスタイリッシュさだけではない。天然・畠中悠と、それに容赦なくツッコみを入れる伊藤俊介。ネタが進むにつれ、最初に受けた印象とは全く違う印象を与える2人の巻き込み力にあるように思える。

 その安定感あるしゃべくり漫才にファンが多く、バラエティでの活躍も頻繁に見受けられるオズワルド。自身初の敗者復活組となった今年、決勝の舞台に彼らが這い上がってくることを期待している視聴者は多いだろう。

■おいでやすこが…『M‐1』きっかけでブレイクしたピン芸人×2

 おいでやす小田とこがけん、2人のピン芸人が2019年に結成したお笑いユニット・おいでやすこが。
『R‐1ぐらんぷり』での活躍を夢見ていた2人が、同大会の規約が改定されたことにより出場できなくなった2020年、まさかの『M‐1』で準優勝となり話題を集めた。

 その時のネタは、名曲と思わせて聞いたことのない歌を歌うこがけんに、小田が大声でツッコむスタイル。あれから2年経った今、大きな声でのツッコミを生かしてバラエティに参加する小田と、映画好きが高じて映画仕事などでも活躍するこがけん。『M‐1』を皮切りに活躍するピン芸人がいることを証明した。(文:於ありさ)

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