長く繰り広げてきたジョニー・デップとアンバー・ハードの名誉棄損裁判が、ついに終わりを迎えることとなった。両者の間で和解が成立し、アンバーはジョニーに和解金100万ドル(約1.3億円)を支払い、ジョニーはこれを慈善団体に寄付するという。



【写真】米裁判所に向かうジョニー・デップとアンバー・ハード

 今年4月に、米バージニア州で行われたジョニー対アンバーの名誉棄損裁判。現地時間6月1日にジョニーの主張を概ね認める判決が下され、アンバーに対して損害賠償1500万ドルの支払いが命じられたが(バージニア州法の規定により1035万ドルに減額)、その一方でアンバー側も、申し立てていた3件の訴えのうち1件が認められ、ジョニーに対して200万ドルの支払いが命じられた。

 その後も、双方がこの判決を不服として控訴、再審要求を行っていたが、ついにこれが和解した。アンバーが離婚を申請したのが2016年のことで、この裁判の前にもイギリスにてジョニーがタブロイド紙を相手取り裁判を起こしていたことを考えると、長きに渡って泥沼の争いが続いたことになる。

 Deadlineによると、アンバーは和解金100万ドル(約1.3億円)を支払い、ジョニーはそれを複数の慈善団体に寄付する。TMZによると、この和解金は保険金により支払われることになるという。


 アンバーはインスタグラムで声明を発表し、この決断が難しいものだったとコメント。「和解は望んだことではありません。真実を訴え、私の人生は破壊されました。私がソーシャルメディアで受けた名誉棄損は、女性が声を上げたときに受ける誹謗中傷を増幅したもので、二重に被害を受ける行為です」「私の証言を保護せず、娯楽やソーシャルメディアの餌食にしたアメリカの法システムに対し、信頼を失い、この決断を下しました」と訴え、イギリスで行われた裁判で受けた扱いとの大きな違いを指摘。

 「支払えないような多額の賠償金や、精神的、肉体的、感情的なリスクを、再び負うことはできない」とし、「女性は自分の真実を話すために虐待や破産に直面するべきではないけれど、残念ながらそういったものに直面するのは珍しいことではありません」とコメント。

 和解することで、離婚後に癒しとなった仕事に専念する自由を選んだと述べ、「今後は、真実を明かすことで、脅かされたり、落胆したり、思いとどまることはありません。
誰もそれを奪うことはできません。私の声は私の最も貴重な財産として、永遠に残り続けます」と記した。

 ジョニー側は弁護士が声明を発表し、「真実を明らかにすることが優先事項でした」とコメント。「デップ氏の苦痛を伴う章を終わらせることが出来たことを喜ばしく思います」「陪審員が全員一致で出した決定と、その結果出された判決は今後も残ります。この100万ドルは、法制度が厳格に正義を追求した結果をハード氏が認めたことを強調するものです」と、ジョニーの主張を認めた判決が維持されることを強調した。