映画監督の是枝裕和と脚本家の坂元裕二が初タッグで贈るオリジナル映画『怪物』より、第1弾ポスターと特報映像が解禁。併せて、安藤サクラ、永山瑛太、高畑充希、田中裕子、中村獅童らが出演し、音楽を坂本龍一が手掛けることが発表された。



【動画】映画『怪物』特別映像が解禁

 第71回カンヌ国際映画祭最高賞“パルムドール”受賞作『万引き家族』の是枝裕和監督と、映画『花束みたいな恋をした』やドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』の脚本家・坂元裕二のコラボレーションで話題の本作。

 このたび、安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、角田晃広、中村獅童、田中裕子の出演と、音楽を坂本龍一が担当することが明らかとなった。

 『ラストエンペラー』で日本人初となるアカデミー賞(R)作曲賞を受賞し、『レヴェナント:蘇えりし者』や『怒り』など国内外で活躍してきた坂本は、本作について「怪物と言われると誰が怪物なんだと探し回ってしまうんだが、それはうまくいかない。誰が怪物かというのはとても難しい問いで、その難しい問いをこの映画は投げかけている。さて、その難解なテーマの映画にどんな音楽をつければいいのだろう。救いは子供たちの生の気持ち。それに導かれて指がピアノの上を動いた。正解はない」とコメント。

 是枝監督は、坂本の参加について「長年の念願が叶ってようやくコラボレーションが実現しました。歓喜、しています」と喜びを露わに。また、キャスト陣については「安藤サクラさん、永山瑛太さん、田中裕子さん、こんなキャスティングが実現したらいいですね、と坂元裕二さんとワクワクしながらお話した通りのキャストが出演してくれました。身震いしました」と語っている。


 第1弾ポスターは、森の中に佇む2人の子供を、不穏な空気が渦のように取り込んでいく謎めいたビジュアル。

 特報映像は、坂本龍一が本作のために書き下ろした楽曲と共に、子供たちの「怪物だーれだ」という声が何度もこだまする中、是枝裕和、坂元裕二、坂本龍一の名前が浮かび上がり、さらに今回初めて顔ぶれが明かされたキャスト陣(安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、田中裕子)の印象深い表情が続いていく。そして最後は、学校の上履きのそばに滴り落ちる血。この意味深なカットに続く「怪物」のタイトルが、作品への好奇心をより一層掻き立てている。

 映画『怪物』は2023年6月2日より全国公開。

 ※坂本龍一、是枝監督のコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■坂本龍一(音楽)

「怪物」

怪物と言われると誰が怪物なんだと探し回ってしまうんだが、それはうまくいかない。誰が怪物かというのはとても難しい問いで、その難しい問いをこの映画は投げかけている。

さて、その難解なテーマの映画にどんな音楽をつければいいのだろう。救いは子供たちの生の気持ち。それに導かれて指がピアノの上を動いた。正解はない。


今回残念ながらスコア全体をお引き受けする体力はなかった。監督からのたってのご所望でピアノ曲2曲を提出した。新しいアルバム「12」からの曲や、古い曲を使って全体を構成してくださった。

■是枝裕和(監督)

――坂本龍一について

長年の念願が叶ってようやくコラボレーションが実現しました。撮影中も編集中もホテルの部屋で坂本さんの音楽をかけながら作業をしていたので正直お引き受け頂けなかったら途方に暮れていたと思います。歓喜、しています。

――キャストについて

安藤サクラさん、永山瑛太さん、田中裕子さん、こんなキャスティングが実現したらいいですね、と坂元裕二さんとワクワクしながらお話した通りのキャストが出演してくれました。身震いしました。

安藤サクラさんは『万引き家族』に続きまして、2作目のお付き合いでしたが、前回とはまた全く違う凄みのある役を見事に体現していただきました。

永山瑛太さんは初めての出演でしたが坂元裕二さんが瑛太さんに当て書きした役でもあり、もう彼以外ではあり得ない妙な、しかし、愛すべき人物に仕上がっております。

田中裕子さんは、実は学生の頃に一度だけお会いしたことがあり、映画はもちろんですが、久世光彦さんと組まれたドラマの大ファンだったのでプレッシャーでしたが、至福の時間でした。怪物でした。


主役の2人の男の子はオーディションを重ねて選ばせて頂きました。黒川さん、柊木さん、ふたりとも抜群でした。顔立ちも個性も全く違うのですが、撮影中見事な化学変化を作品にもたらしてくれたと思います。将来が楽しみです。

高畑さん、獅童さんは以前ご挨拶をさせていただいてまして、いつか、とお約束していたのでこの作品で実現して良かったです。

角田さんは、元々ファンでしたが「大豆田」でお芝居を拝見して、更にファンになり、お願いしました。登場しただけでちょっと微笑んでしまうんですが、素晴らしい存在感でした。

編集部おすすめ