元櫻坂46で女優の菅井友香が28日、東京・紀伊國屋ホールにて開催された舞台『新・幕末純情伝』公開ゲネプロに出演。激しい殺陣やキスシーン、“上品ではないワード”を叫ぶなどの演技に挑戦し、演出の岡村俊一から「史上最高に美しい沖田総司」と評価を得た。



【写真】菅井友香がキスシーンに殺陣アクション 『新・幕末純情伝』ステージ写真

 幕末の京都を舞台に、新撰組の沖田総司が実は女だったという、つかこうへいのユニークな着想の基、1989年8月、PARCO劇場にて幕を上げた『幕末純情伝』。牧瀬里穂広末涼子石原さとみ桐谷美玲らそうそうたる女優が演じてきた沖田総司の11代目を菅井が演じる。

 今作が櫻坂46卒業後初の舞台となる菅井は、2020年に上演されたつかの代表作『飛龍伝2020』でもヒロイン・神林美智子を熱演していた。つかこうへい作品の二大ヒロインと言われる沖田総司と神林美智子を両方を演じたことがあるのは、広末と桐谷の2人だけ。菅井は3人目の歴史的ヒロインとなる。

 松大航也、高橋龍輝、吉田智則、岡村と共に出席した舞台あいさつで菅井は「櫻坂46を卒業してから初めて、こうしてまたつかさんの作品に出演させていただけること、本当にありがたいことだなと思っているので、皆さんが代々継がれてきた思いとか、メッセージをしっかりと、この『新・幕末純情伝』でお伝えできるように、精いっぱい向き合って、誠心誠意努力していきたいなと思っています」と意気込み。


 続けて、「グループの時は、キャプテンとして、ということを第一に頑張ってきたんですけど、1人の人間として、いろんな経験をして心を豊かにして、それを誰かに届けられるような人になれるように頑張りたい」と今後の抱負を口にした。

 菅井いわく“上品ではないワード”が多く並んだ台本には、はじめは「こんなこと言って大丈夫かな」と驚いたそう。菅井は「やっぱりつかさんの作品で、そういう言葉の裏にどれだけの思いが込められているのか、伝えたいのはその表面の言葉じゃないんだということを教えていただいたり、自分で気付けた時にすごくハッとさせられた」と伝えていた。

 その後に行われた公開ゲネプロでは、男として育てられた“女”沖田総司を熱演。“上品ではないワード”も躊躇なく叫び、迫りくる男たちを次々と斬り伏せた。

 シリアスな場面もありながら、沖田らが『めざせポケモンマスター』の曲に合わせて踊るシーンや、菅井が定番としているポーズ「がんばりき」を披露する場面、桂小五郎役の関隼汰が、過去の出演作『仮面ライダーリバイス』(テレビ朝日系)を彷彿とさせる“変身”ポーズを見せるといったユーモアあふれる展開も続出する『新・幕末純情伝』。


 後半には、菅井演じる沖田が関演じる桂に胸をわしづかみにされるシーンや、松大演じる坂本龍馬との沖田とのキスシーンも。鍛え上げられた剣の腕前とはまた違った、沖田の女性として内面も見事に演じきった。

 菅井の演じた沖田を、演出の岡村は舞台あいさつ内で「史上最高に美しい沖田総司」と評価。その言葉通り、力強さと儚(はかな)さ、そして美しさを兼ね備えた沖田総司として存在感を発揮していた。

 つかこうへい復活祭2023『新・幕末純情伝』は東京・紀伊國屋ホールにて1月28日~2月12日、神戸・AiiA 2.5 Theater Kobeにて2月17日~19日上演。