22日に通算10枚目のシングル「間違いじゃない 泣いたりしない/スキップ・スキップ・スキップ/君と僕の絆 feat.KIKI」をリリースするハロー!プロジェクトの12人組・つばきファクトリー。今回は4月2日にグループを卒業する浅倉樹々にその決断をした思いと今後について語ってもらうとともに、ハロプロ研修生同期の小野田紗栞とこれまでの活動を振り返ってもらった。
【写真】ハロプロ研修生同期で加入! 8年半ともに活動してきた浅倉樹々&小野田紗栞、仲良しショット
■卒業後はソロ活動と動物専門学校へ進学する浅倉 夢は「自分のペットサロンを開業したい」
――通算10枚目のシングルを最後に、浅倉さんはつばきファクトリーとハロプロを卒業します。卒業後は「動物専門学校」へ進学するそうですね。
浅倉:学校でトリマーの勉強をしながら、ソロで芸能活動も続けます。元々犬が大好きで、愛犬も飼っていて、その思いが日頃から強くなっていったのは自分でも感じていて。その「好き」を今度はもっと詳しくなって、私と同じように犬を飼われている方のサポートや犬の気持ちを少しでも知れるようになりたいと思ったのがきっかけで。そのためには、独学だけでは身につかないことがあるので、動物の専門学校に通いたいと思ったのですが、つばきファクトリーとの両立となると、どっちかを犠牲にしなければいけなくなるので、ここでアイドルの活動を終了して、ソロの道を歩んでいこうというのを去年の6月頃に決断しました。
――専門学校卒業後のビジョンは?
浅倉:いつの日か、自分のペットサロンを開業したいです。ポメラニアンの柴犬カットのように、今はないけど斬新なデザインも考えてみたいですね。夢は広がるばかりで、動物タレントとして活躍できればとも思っています。
――ハロプロ研修生時代からの同期の小野田さんは、浅倉さんの決断を聞いてどう感じましたか?
小野田:最初、卒業と聞いたときは「どうしてなの?」と思ったし、正直受け入れられなかったです。同期だからこそ「アイドルとしてやり残したことはないの?」と感じたんですけど、2人でご飯を食べながら理由を聞いて「明確に今後のビジョンが見えているし、樹々ならできる」と思いました。
初期メンバー全員が20歳を過ぎて、それぞれが自分の意見や考えをしっかり持つようになってきたなかで、樹々も自分のこの先をしっかり考えて決断したんだろうと思ったら私の中で整理がついたというか、今は応援してあげたいという気持ちが大きいです。
――2人は2014年10月にハロプロ研修生に加入した同期ですね。ハロプロ研修生時代の思い出も聞きたいです。
浅倉:紗栞は出身地の静岡県から東京のレッスンに通っていて、中学1年生なのに「頑張っていて偉いな」とお姉さん目線で見ていました。当時は妹っぽく、小動物みたいだったから「リス」と呼んでいて(笑)。あと、自分の意見を言わない子だったんですよ。「何か食べたい?」と聞いても、「紗栞は何でもいい」と言うタイプの子で、本心が分からない感じもあったんです。つばきファクトリーへ加入してからいろんな姿を見せてくれるようになって、印象がだいぶ変わりました。
小野田:樹々とは一緒に受けるレッスンが多かったし、「生タマゴShow」(ハロプロ研修生の定期公演。現・研修生発表会)で出番が一緒になることも多かったです。お互い「一緒に高め合い、頑張ろう」みたいな空気感でした。
浅倉:当時からお互いのベクトルが似ていたんです。練習中に「紗栞ならここまでやってくる」と分かるから、私も「紗栞に追いつこう」と考えて。
■“かわいい担当”小野田紗栞が持論 「樹々は安定したかわいさ」「私は追求しているかわいさ」
――ちなみに、つばきファクトリーのなかでは小野田さんが「自称・かわいい担当」に。浅倉さんは、小野田さんのキャラクターをどう見ていますか?
浅倉:ん~…。キャラではなくかわいいし、グループにいい色を与えてくれているので「そのままじゃん!」と思うんです。“かわいい”のプロですし。昔からずっといろんな紗栞を見てきましたが、あるときから自分の見せ方へのこだわりが強くなったと感じたんです。こう見せたら「キレイに映る」とか、ここで努力したら「次に絶対つながる」とか…セルフプロデュース力があって、そばにいると刺激を受けます。ファンの皆さんが思う紗栞のイメージも大事にしつつ、自分のやりたいことに一生懸命なメンバーが同期にいるのはうれしいです。
――浅倉さんも小野田さんの「かわいい」を認めているんですね。そもそも、小野田さんはなぜ「かわいい」を貫こうと思ったんですか?
小野田:グループの「かわいい担当」になったのは、とある取材がきっかけでした。記者の方にポロッと「私はかわいいので…」と答えたら「それはどういうことですか?」と聞かれて。幼い頃から「かわいい」と言われて育ってきたので自覚があったんですけど、初めて「自分でかわいいと言うのは違うのか」と気がついたんです(笑)。
――すがすがしい(笑)。そんな小野田さんが思う、浅倉さんのかわいさは?
小野田:樹々は安定したかわいさがあります。人は日によってコンディションが違うし、表情がいまいちなときもありますけど、樹々には不安定な日がないんですよ。ずっとかわいい、みたいな。インディーズ時代から変わらないです。
――浅倉さんの「安定したかわいさ」に対して、小野田さんは?
小野田:追求しているかわいさですね。例えば、最新シングル収録の「スキップ スキップ スキップ」の髪型。自分で決められたので、2022年に試したヘアアレンジの中から、自分で「似合うな」「周りからかわいいと言われるな」と思う髪型にしました。想像通りに「かわいい」の声をたくさんいただいて、グループで「美人担当」の谷本安美ちゃんからも「紗栞はこの髪型が一番似合う」とお墨付きをもらいました(笑)。
――浅倉さんも、小野田さんのようにかわいさを追求したいですか?
浅倉:私は、かわいいと言われるのが苦手で、カッコいいと言われたくてロック系の煽(あお)りやパフォーマンスに力を注いできたんです。自分のビジュアルはまだまだと思うので、これからもっと頑張りたいです(笑)。
■卒業まであとわずか 今は「メジャーデビュー当時のように毎日がソワソワ」
――通算10枚目のシングル収録「君と僕の絆 feat.KIKI」は、卒業する浅倉さんをフィーチャーした1曲となりました。
浅倉:原曲は、夏の単独ライブ(2022年8月「つばきファクトリーの夏祭り 2022~灼熱~」)で「夕日に合うようなエモい曲を」として、中島卓偉さんが作ってくださった「君と僕の絆」です。でも、今回の収録バージョンでは、歌割りが変わっています。私からメンバーやファンの皆さんへ贈るメッセージ、メンバーから私に向けたメッセージもありますし、思いを届けるためたくさん練習をしたので、気持ちのこもった1曲に仕上がりました。
――MVでは、冒頭でメンバーと見つめ合う浅倉さんの姿が印象的です。
浅倉:撮影中は「大切な仲間たち」と思いながら、みんなと目を合わせました。私を含めた初期メンバーは「大人になったな」と感じたし、後輩に対しては「これからも成長した姿を見たい」と感じて。1人1人を見るのは一瞬ですけど、いろいろな思いが込み上げるシーンでした。
――小野田さんの思い出深かったシーンは?
小野田:樹々とハグするシーンです。撮影だから「泣いちゃだめ、目がはれちゃうし…」と我慢していたんですけど、抱き合ったとたんに涙腺がゆるみました。樹々がみんなと1人1人抱き合うシーンの撮影があって、私が1番目だったので他のメンバーがどんな感じでやるか分からず、曖昧な気持ちのまま臨んだら感動しちゃって(笑)。でも、全体的には悲しいだけではなく、笑顔で樹々を送り出せる作品になったと思います。
――シングルリリースを経て、4月2日には「Hello! Project ひなフェス 2023」で卒業公演「つばきファクトリー プレミアム ~浅倉樹々 卒業スペシャル~」を開催。浅倉さんがメンバーとしていられる時間も残りわずかです。
浅倉:卒業を前に「最後」と付くお仕事が増えているなかで、初挑戦のお仕事もありますし、メジャーデビュー当時のように毎日がソワソワしています。最後だからこそ、次につなげるためまっとうしたい、どこまで自分ができるかを試してみたいという気持ちもあるんですよ。残りの時間、メンバーと濃い時間を過ごしたいし、みんなへの思いをいっぱい伝えていきたいです。
――浅倉さんが卒業した後のつばきファクトリーに期待したいことは?
浅倉:私の卒業で、新しい風が吹いてくれたらうれしいなと思います。いろいろな方に愛され続けて、いつかはアリーナツアー、ドームツアーができるようなグループになってほしいです。
――浅倉さんを見送る側小野田さんは今、何を思いますか?
小野田:樹々がいなくなるまでに、吸収できるものはすべて吸収したいと思っています。あとリトルキャメリアンの4人にも、樹々のいいところをたくさん吸収してもらいたいですね。樹々の卒業を聞くまでは「12人のメンバーで頑張っていこう」と一致団結していたんですけど、樹々の決断を受け入れた今は、残りの時間は12人で楽しみたい気持ちです。
(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:ヨシダヤスシ)
つばきファクトリーの通算10枚目シングル「間違いじゃない 泣いたりしない/スキップ・スキップ・スキップ/君と僕の絆 feat.KIKI」は2月22日発売。