シリーズ42作目『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』が全国公開中だ。“僕らの「らしさ」が世界を救う”というキャッチコピーが掲げられた本作の主題歌を担当するのは、9人組ガールズグループのNiziUで、8日にリリースされた楽曲「Paradise」が映画を彩る。
【動画】サビの高音に鳥肌 NiziUの歌唱力が際立つ新曲「Paradise」
■NiziUと『ドラえもん』の思い出は?
ーーNiziU初の映画主題歌おめでとうございます! 今回の決定は、ダンスレッスン中に聞いたそうですね。
マコ:そうなんです。普段通りにレッスンを受けているときに、マネージャーさんから、「『映画ドラえもん』の主題歌に決まったよ!」って聞いて、最初は驚いて状況に追いつけなかったんですけど、心の底からうれしかったです。
ーーアヤカさんは、毎週放送を楽しみにするほど『ドラえもん』が大好きだったとか。
アヤカ:そうなんです。だから、信じられない気持ちとうれしい気持ちが半々でした。曲がすごく映画とマッチしているので、たくさんのお客さんに見てほしいです。
ーーマヤさんにとって『ドラえもん』はどんな存在でしたか?
マヤ:『ドラえもん』を見ることは、わたしはもちろん、みんなにとってもワクワクする特別な時間だったと思います。自分が生まれる前の『ドラえもん』の映画も見たことがあるんですけど、映画オリジナルのストーリーや、主題歌とのリンクなど、年を重ねるにつれてもっと感動するようになってきていて、『ドラえもん』と一緒に成長してきたんだなと感じています。
ーー確かに! 今回の「Paradise」は、映画のメッセージとリンクする歌詞が魅力の1つだと思いますが、好きなフレーズはどこですか?
リマ:わたしはリクのパートの「色も形も優しさも強さもあるんだ」というフレーズがすごく好きです。みんなそれぞれ色や形、個性があるからこそ素晴らしいというのが、ストレートに伝わってくる歌詞で、“自分らしさを出してもいいんだよ”というメッセージにグッときました。
ーーNiziU公式YouTubeチャンネルで公開された、リマさんとニナさんの対談動画「To.NiziU EP3 RIMA&NINA」でリマさんは、自身がインターナショナルであることに短所はなく、「ニナさんがいることが長所だ」とおっしゃっていましたよね。リマさんがニナさんのアイデンティティーを肯定する姿にすごく感動したんですけど、この歌詞にもつながっていると思うんです。一体どうやって、その考え方が生まれたのでしょうか?
リマ:実は「Nizi Project」の時は、“自分らしさを出す”というのが一番難しくて、自分の中の課題でもありました。だから、この数年間でこうパフォーマンスをしてきて、学んだんだと思います。オーディションから今までを通して、“自分を楽しむこと”が1番大切なんだと気付きました。
ーー積み重ねの結果だったんですね。ミイヒさんはどうですか? 1番のサビの美しい歌声が印象的でした。
ミイヒ:自分のパートももちろん好きなんですけど、この映画を見て、さらに好きになったのが、2番のサビに行くまでのフレーズでした。映画を通して、ありのままの日常ってすごい幸せなんだなということを学んだんですけど、「雨が降れば、ぬかるむ道」や「道端に咲いた花に集まる蝶」のような日常を表す歌詞が2番には多く、当たり前の日常ってすごいことなんだなっていうのを感じて、そこが大好きになりました。
ーーミイヒさんが感じる、「すてきだな」と思う日常の瞬間はありますか?
ミイヒ:今はこうしてメンバーと活動することが日常になったんですけど、それは、「Nizi Project」でそれぞれが頑張った証だからだと思います。だから、NiziUとして活動できているこの日常が幸せだなと感じています。
ーーすてきです! それでは、歌い方についても教えてください。
■NiziUが語る“かわいすぎるレコーディング風景”
リオ:特に何かを変えたということはないんですけど、「Step and a step」の「大丈夫よ そのままで 安心して 遅れてないから」というパートのように、聞いている人に直接語りかけるように歌ってみました。メンバーのことを思い浮かべて、目をつぶって…多分すごい顔をしているかもしれないんですけど(笑)、彼女たちに言っていることを想像しながら、レコーディングしました。
ーーリクさんは、昨年の東京ドーム公演で、つらいこともあったけど、アリーナツアーを通して自信が持てたとも話していましたよね。この曲でパワーアップしたと感じることはありますか?
リク:そうですね。わたしは、テクニックで魅せるタイプではなく、素朴に歌うタイプだと思っていて、これまではそこがダメなところだなと感じていました。でも、その率直な歌い方を、ファンの人やメンバーが好きだと言ってくれるようになって、自分にしかできない歌い方があるんだなと自信になりました。もちろんレコーディング中に、テクニックを意識することはあるんですけど、それにとらわれすぎず、「Paradise」だったら、「宝物は君だよ」「皆さんは特別だから、それに気付いて」というメッセージをマイクの奥にいる人に伝えられるように、全力で歌いました。
ーーたしかに、全身を突き抜けていくようなパワフルな歌声でした。レコーディングでは、皆さんで歌い方を相談する場面などもあるのでしょうか?
ニナ:相談というよりかは、1人1人が満足するまで自分なりに考えて歌って、終わったあとに「こうやって歌ってきた~」って報告します。
リオ:2番目以降にレコーディングしたら、大体、自分の前に歌ったメンバーの声を聞けるんですね。
ーーすごい。言葉にせずとも、つながっていくのが、NiziUのレコーディングなんですね!
リマ:いつもレコーディング室のマイクの近くに楽譜が置いてあるんですけど、トップバッターの子から、「次、頑張ってね」みたいなメッセージを書いていくんです。だから、最後の番になったら、8人分のエールが込められた楽譜が出来上がっていて、わたしは、それを見て、いつも元気をもらっています。
ニナ:1番最後になると時間が遅くなるので、「〇〇ファイティ~ン!」って、絶対名前を書いてあげるんですよね。
マユカ:それこそ、今回の「Paradise」は、リマがトップバッターだったんですけど、すごく緊張していたみたいで、楽譜の「頑張って」の文字が震えていて…(笑)。
リマ:あはは(笑)。最初は緊張しすぎて、歌うどころじゃなかったんですけど、「Paradise」をプロデュースしてくださったStray Kidsのバンチャンさんが、「そのまま歌ってもらっていいよ。自分がしたいように歌ってね」と言ってくださったのでリラックスできました!
ーーすごくほっこりしました…。NiziUの絆を一瞬で感じられたんですけど、例えば、のび太くんみたいに失敗や壁にぶつかる瞬間は、メンバー同士で、どうやって声を掛け合っているんですか? 誰か気が付きやすい人がいたり?
■失敗や壁…NiziUはどう乗り越える?
マヤ:誰か1人が悩んでいたら、みんなで解決することが多いですね。私も、自分から悩みを言うのが苦手で、限界まで溜め込んでしまうことがあって、共同生活をしている中で、メンバーに心配をかけてしまうことが多かったです。
なので、最近は、それぞれが悩みを抱えていたら、まず誰かに相談して、集まった時にみんなで話し合うことができるようになりました。NiziUは、違った考え方を持っている子たちが集まっているからこそ、すごくいい答えがどんどん出てくるので、悩んでいた子が、新しい発見をしたり、納得行く答えを見つけ出したりできるんです。改めて、この9人でよかったと思います。
ーーこれまで話を聞いている中でも、絆を感じる瞬間が多々あったんですけど、信頼し合える関係を築くコツがあるのでしょうか?
マコ:本当に仲がいいんですけど、親しき仲にも礼儀ありというか、相手のことを考えているからこその関係だと思います。9人で性格が全く違って、それぞれの個性があるんですけど、9人でまとまるときは、しっかりまとまれる。それがわたしたちの強みなんじゃないかなと感じています。
ニナ:あと、正直でいるのもすごく大切で、気になったことがあると、ちゃんとお互いに正直に伝えて、一緒に乗り越えています。溜め込まず、お互いの考えを知ることができると、すぐに解決できるような気がします。
ーー9人の絆は、それぞれの思いやりから生まれているんですね。それでは、最後に2023年の目標を教えてください。アリーナツアー、ドーム公演、映画主題歌担当と、さまざまな夢を実現していくNiziUの皆さんですが、今挑戦してみたいことは?
リク:わたしは、今回の主題歌のように、NiziUとして「初めての〇〇」を増やしていけたらうれしいです。もっとたくさんの人に、NiziUの良さや魅力を伝えたい!
アヤカ:去年は今までしたことのない経験が多かったので、今年も新しいステージに立ってみたいです。
マコ:昨年は、単独ツアーもさせていただいて、ステージに立つことの大切さや幸せを感じることができたので、今年はもっと、行けていない地域などでパフォーマンスしてみたいなと思います。
マユカ:2022年は、「ASOBO」「CLAP CLAP」「Blue Moon」とコンセプトの異なる楽曲をリリースできたので、もっといろんなジャンルの音楽に挑戦していきたいです。どんなジャンルでもパフォーマンスできるようなアーティストになれたらうれしいです!(取材・文=阿部桜子)
『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』は全国公開中。