ティナ・ターナーさん死去、83歳　ビヨンセとアンジェラ・バセットが追悼

「ロックンロールの女王」として知られるティナ・ターナーさんが、現地時間5月24日にスイス・チューリッヒ近郊のキュスナハトにある自宅で亡くなった。83歳だった。【写真】ティナ・ターナーさん出演『マッドマックス／サンダードーム』フォトギャラリー 「“ロックンロールの女王”ティナ・ターナーが本日、長い闘病の末、83歳で、スイス・チューリッヒ近郊のキュスナハトにある自宅で穏やかに亡くなりました。世界は音楽のレジェンドとロールモデルを失いました」と代理人が発表した。 ティナさんは、1939年テネシー州生まれ。高校卒業後に、後の夫となるアイク・ターナーと知り合い、彼のバンド「キング・オヴ・リズム」のボーカルとしてデビューし、後に「アイク・アンド・ティナ・ターナー・レヴュー」の一員として活躍。アイクと離婚後はソロアーティストとして活動し、数々のヒット曲をリリースした。引退するまでの長いキャリアで「最も成功した女性ロック・アーティスト」の名を欲しいままにし、通算8度のグラミー賞に輝いた。1991年にはアイク＆ティナ・ターナーとして、2021年にはソロアーティストとして「ロックの殿堂」入りを果たしている。また、女優としても活躍し、メル・ギブソン主演の『マッドマックス／サンダードーム』などに出演した。また、『007／ゴールデンアイ』ではテーマ曲を提供している。 プライベートでは、アイクと離婚後、EMI ミュージックのトップであるアーウィン・バックと再婚し、スイスに居を構えた。アイクと結婚している間に彼からのDVに苦しんだことを公表しており、ドメスティック・バイオレンス撲滅のためのチャリティ活動に尽力したことでも知られる。 音楽界のレジェンドの訃報に際し、ティナさんの自伝『I， Tina（原題）』を映画化した『TINA ティナ』に主演し、アカデミー賞主演女優賞候補となったアンジェラ・バセットはVarietyに声明を発表。「自分の抱えた痛みとトラウマを世界を変えるために使った女性の逝去に対し、何とお別れを告げればよいのでしょう。彼女は困難な人生を生き抜いた物語をシェアし、また自分自身と彼女に憧れる人々のためにロックンロールの道を切り開きました。こうしたことを通じ、ティナ・ターナーは恐怖の中に生きるひとたちに、愛と情熱、自由に満ちた美しい未来を見せてくれました」。 「私にかけてくれた最後の言葉は、『私を模倣しないで。代わりに魂を深く掘り下げ、自分の中のティナを見つけて、それを世界に紹介して』というものでした。この言葉は生涯忘れません、ティナ・ターナーと知り合うことができて名誉に思います。彼女の姿を世界にお見せできたことを光栄に思います。今日、私たちは彼女のアイコニックな声と存在を悼みましょう。彼女は私たちが求める以上の物を与えてくれました。彼女は私たちに与えられたギフトです。アルバムのタイトルと同じく『シンプリー・ザ・ベスト』です。天使たちよ、汝の安息に歌ってください…クイーン」と述べた。 また、ビヨンセも自身のウェブサイトで2008年のグラミー賞でティナさんの「Proud Mary」をデュエットした際の写真を公開し、追悼した。「我が愛するクイーン。永遠に愛し続けます。あなたのインスピレーション、あなたが切り開いてくれた道のり全てに、心から感謝します。あなたは強さであり立ち直る力でした。パワーと情熱の象徴でした。あなたのやさしさと美しい魂に触れることができ、私たちはみな幸運でした。この思いはずっと続くでしょう。あなたが成し遂げたことすべてに感謝します」。