古田新太が主演し、東京・THEATER MILANO-Zaにて9月14日~10月21日に上演される2023年劇団☆新感線43周年興行・秋公演 いのうえ歌舞伎『天號星』より、公演ビジュアルが解禁された。

【別カット】いのうえ歌舞伎×池波正太郎風エッセンス 劇団新感線『天號星』ビジュアル

 脚本の中島かずきが描くのは、 “あっ”と驚く<入れ替わり>の物語。

江戸の町で裏稼業に生きる人々の人情劇と奇想天外な“かずき節”がうなる。そして、主宰・いのうえひでのりによる、ケレン味のある立ち回りたっぷりの王道“いのうえ歌舞伎”に、江戸情緒あふれる“池波正太郎風エッセンス”が加わり、これまでの“いのうえ歌舞伎”とは一味違う、新感線流時代活劇となる。

 世のため人のため、生きていてはならない輩に引導を渡す、引導屋の主人・藤壺屋半兵衛役を演じるのは、看板俳優・古田新太。

 その半兵衛とひょんなことから中身が入れ替わってしまう、冷酷無比なはぐれ殺し屋・宵闇銀次を演じるのは、今作で新感線7回目の出演となる早乙女太一。そして、銀次の宿敵で荒くれ者の人斬り朝吉を演じるのは、新感線5回目の出演となる早乙女友貴。もはや準劇団員といっても過言ではない2人だが、古田との共演は、早乙女太一が2019年の『けむりの軍団』以来、早乙女友貴が22年の『薔薇とサムライ 2』以来で、兄弟そろって古田と共演するのは今回が初となる。

 共演は、久保史緒里乃木坂46)、山本千尋、そして新感線最多の出演歴を誇る池田成志が19年の『けむりの軍団』以来4年ぶりに登場する。さらに、古田に加えて高田聖子、粟根まことをはじめとする平均年齢50代のおなじみ劇団員たちもそろい踏みする。

 古田は「とにかく今回は、みなさんぜひとも早乙女兄弟の殺陣を中心に観に来てね!」とコメント。

 早乙女太一は「外部公演に兄弟で出させてもらうこともなかなかないことですし、とにかく僕たち2人からすると新感線は子供の頃からの憧れだったので、そこに2人掛かりで挑めることはやはり嬉しいです。そういう今までの新感線に対する僕なりの思いも、今回は古田さんの背中を借りながらバシバシぶつけていくつもりです」、早乙女友貴は「新感線がやる本格的な時代劇なら、若い方も観やすいと思うし。派手な中にも時代劇の良さは必ず出てくるので、苦手意識を持たずに大勢の方に観ていただきたい。
そのためには僕たちが身体をボロボロにして大変な思いをしつつ(笑)、でも絶対に面白いものを作りますのでこの機会にぜひ楽しんでほしいです!」としている。

 2023年劇団☆新感線43周年興行・秋公演 いのうえ歌舞伎『天號星』は、東京・THEATER MILANO-Zaにて9月14日~10月21日上演。

スタッフ・キャストのコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■【作】中島かずき

早乙女太一くんが斬って斬って斬りまくる芝居をやりたいと、以前から細川プロデューサーに訴えていた。そこに友貴くんが加わればいうことはない。

新劇場のこけら落とし公演のキャスティングが、古田くんと早乙女兄弟がメインだと聞いて、これは自分の願いが叶ったと勝手に解釈した。

だったら、いつかやろうと思っていた江戸の殺し屋達の物語にしよう。必ず殺すあのシリーズへのオマージュをやろう。しょっちゅうオマージュしてる気もするが、今回は腰をすえてしっかり書こう。だったら、山本千尋さんにも出てもらおう。早乙女兄弟+山本千尋。最速の立ち回りがお見せ出来るぞ。
若い人にしっかり動いてもらおう。久保史緒里さんには物語のキーパーソンをお願いしよう。成志くんにはうちのベテラン勢とともにドラマの脇を固めてもらおう。

と、そこまで考えてもう1つ、何か足りないと思った。ドラマの芯がない。
そうだ、古田くんと太一くんの人格が入れ替わるのはどうだろう。

非情な殺し屋の太一くんが、顔はいかついが実は温厚で気弱な殺し屋の元締め古田くんを殺そうとした瞬間に入れ替わる。

立場の逆転も含めてさてどうなるか。これなら、2人どちらも強気と弱気、両方の芝居が見せられる。周りとの関係もねじれるしドラマになる。

というわけで、次の新感線新作は、池波正太郎風『君の名は。』という趣向。
ご期待下さい。

■【演出】いのうえひでのり

前々から早乙女太一と友貴が兄弟揃って古田新太とガッツリ組む芝居を創りたいと思っていました。太一も友貴もそれぞれ16歳くらいから知っている。そんな2人が古田と同じレベルで芝居をするというのは、楽しみでもあるし、頑張ってほしいという2人への期待も高いです。

久保(史緒里)さんは、昨年の『桜文』を観ていて、ほわっとした空気をまとった女優さんという印象で、今回のミステリアスだけど芯が強いという役にハマると思います。山本(千尋)さんは昨年の大河で魅せた、現役ではナンバーワンのアクション女優ではないかと。なかなかアクションを披露する機会は少ないと思うので、新感線は絶好の舞台になると自負してますし、発揮してほしいですね。(池田)成志はいつもの感じで、皆さんが悩んでるときに話を聞いてあげて、余計なことは言わずに、邪魔しない程度に存在しててください(笑)。

この作品の見所はもちろんアクション。今回はガッツリチャンバラ新感線を創ります。そして、古田と太一が入れ替わることによって起きるドタバタの面白さやスリリングさ、芝居の演じ分けが作品の肝のひとつです。かずきさんとしては珍しい池波テイストで、今までのようにぶっ飛んだ設定ではなく、ファンタジーな要素はありつつも、江戸の市井を描いた等身大でリアルな延長線上の時代劇。
個人的には大好きな世界観で楽しみですね。

■古田新太

(早乙女)太一も友貴も「古田さんとチャンバラするのが夢でした」みたいなことを言ってくれてた兄弟なので2人はこの作品を喜んでくれてると思うけど、オイラは彼らと戦うことを夢見ていたわけじゃない(笑)。オイラはただただバカバカしいお話で、下ネタミュージカル系が好きな人なので、いのうえ歌舞伎の主役となると戦ってカッコつけないといけない。オイラ自身は大変です…。太一とは『けむりの軍団』(2019 年)で戦ったし、友貴とも『薔薇とサムライ2』(2022年)で戦ったから、もういいんじゃないか?2人がかりでかかってくるのはナシでしょ! と思っているところです。

『天號星』は歌が少ない、ということは踊りも少ないし、つまりひたすら戦うしかないのか! みたいなことですよ。でも太一や友貴と一緒に芝居がやれる楽しみといえばチャンバラだから、結局覚悟を決めて戦うしかないんだけど。もう終活をしようと思っているので、できれば楽しいことだけをやりたい!

とにかく今回は、みなさんぜひとも早乙女兄弟の殺陣を中心に観に来てね!

■早乙女太一

『けむりの軍団』(2019 年)以来4年ぶり、30代に入ってからは初めての劇団☆新感線です。今回は、僕の身体の中に古田さんが入ってくるということを想像するだけで、すごく……イヤです(笑)。男としてはいわゆる“入れ替わり”の設定だったら素敵な女の子と入れ替わることにロマンを感じるじゃないですか。その初体験の相手が古田さんなのか! と思うとショックが大きいです。でも古田さんとの共演は、僕は『けむりの軍団』が最後になるんじゃないかと思っていたんです。
だってそんなに長生きするように見えないですから(笑)。なので、再びご一緒できることは嬉しいですし、前回の経験を踏まえて、今回はちょっと新しいこともできそうだなと想像しています。

自分の劇団ではないんですが、それに近い感覚は抱いていて、「次に出る時は成長した姿を見せたい」と毎回思っていますし、今回はこれまでとは全然違う役どころをいただけたので存分に楽しみたいです。

外部公演に兄弟で出させてもらうこともなかなかないことですし、とにかく僕たち2人からすると新感線は子供の頃からの憧れだったので、そこに2人掛かりで挑めることはやはり嬉しいです。そういう今までの新感線に対する僕なりの思いも、今回は古田さんの背中を借りながらバシバシぶつけていくつもりです。お話もすごく奇想天外で面白いので、みなさんぜひ観に来てください。

■早乙女友貴

いつか古田さんと早乙女兄弟とで一緒に作品を、とお願いしていて、長年の夢が叶ってすごく嬉しいです。更に昨年の『薔薇とサムライ 2』の時は、昔から憧れてきた古田さんと直接戦えなかったんですが、今回はちゃんと刀を交えることができそうなので、そこも嬉しいですね。

いのうえさんから「久々に本格的な時代物をやるよ」と聞いていたので、台本を読んでまず思ったのは「本当にそうだな」ということでした。また、今までとは違ったテイストを感じつつ、その中にやはり新感線ならではの部分もしっかり入っていて。まさに他では観られない時代劇がやれそうで、すごくワクワクしました。

兄貴とは、劇団朱雀以外での共演は久々ですし、『天號星』の直前まで朱雀の公演もあって、今年はなんだか一年中一緒に過ごすことになってしまい、少しイヤだなという気もしています(笑)。


年齢層問わず楽しめるのはもちろんなんですが、特に時代劇というと若い方にはそれほど馴染みがないじゃないですか。

だけど、時代劇にしかない面白さってめちゃめちゃあるのでいいチャンスだと思うんですよ。新感線がやる本格的な時代劇なら、若い方も観やすいと思うし。派手な中にも時代劇の良さは必ず出てくるので、苦手意識を持たずに大勢の方に観ていただきたい。そのためには僕たちが身体をボロボロにして大変な思いをしつつ(笑)、でも絶対に面白いものを作りますのでこの機会にぜひ楽しんでほしいです!

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