乃木坂46が28日、東京・明治神宮野球場で「真夏の全国ツアー2023」を開催した。グループ初の沖縄公演を含む全国7都道府県を巡ったツアーのラストは“神宮ライブ”4日間。

最終公演では、熱く盛り上げた観客を前に35曲を披露。初めて3~5期生メンバーのみで走り抜けたツアーを振り返ったキャプテンで3期生の梅澤美波は最後、「私たちが、乃木坂46です!」と力強く宣言した。

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 開演前の影ナレでは4期生の賀喜遥香と田村真佑が注意事項をアナウンスする中、「今日はもう一人影アナに参加してもらいます」と田村が伝えると、川崎桜(崎は正式には「たつさき」)が登場。川崎は足首の骨折のため、東京公演を欠席していた。川崎は参加できなかったことへの悔しさを吐露しながらも、「今日はこうして皆さんと一緒に神宮の風を少しでも感じることができてすごくうれしいです」と最終日にして、声のみではあるが出演が叶った。

 影ナレに続く、開演の「OVERTURE」では、乃木坂46のサイリウムカラー“紫”に染まった会場に割れんばかりの大歓声が響いた。グループの聖地で“過去最長の4日間”にわたり行われた公演の最終日は、5期生の井上和を筆頭にした「裸足でSummer」からスタート。夏曲の「ジコチューで行こう!」「ガールズルール」などを立て続けに披露したステージから、コールが繰り返される客席へと愛きょうをふりまいた。

 MCでは、梅澤らが意気込みを語った。5期生の五百城茉央を中心に、3期生の伊藤理々杏や4期生の賀喜遥香、5期生の中西アルノら6人で歌い上げた「自惚れビーチ」や、4期生の松尾美佑がセンターを務めた33rdシングルアンダーメンバーによる「踏んでしまった」。メンバーがしっとりとパートを歌い継いだバラード調の「シンクロニシティ」、披露直前に井上が「ペンライトを消してくださるとうれしいです」と促し、暗闇の中、灯りをともしたステージで披露した33rdシングル収録曲「誰かの肩」など、14曲連続のパフォーマンスで観客を沸かせた。
 
 梅澤、山下美月与田祐希による3期生の“同期トーク”を挟み、ステージは後半戦へ。
期別曲ブロックでは、5期生から3期生がそれぞれ「絶望の一秒前」「4番目の光」「三番目の風」を続けて披露した。

 MCでは、ツアーを振り返った梅澤が後輩に対して「みんなを心から尊敬しているし、みんなの先輩になれたことを誇りに思います」と吐露。同期の3期生にもふれ、「みんなと一緒だから、ここまで頑張ってこれました。大丈夫、私たちがやってきたことは、ちゃんと(先輩から)受け継いでるって、今ならそう思います」と涙を浮かべながら語った。

■センター井上和が涙のスピーチ

 本編終盤では、シングル表題曲の「ごめんね Fingers crossed」「Actually...」などに続き、5期生から3期生がそれぞれの期別曲「バンドエイド剥がすような別れ方」「I see...」「僕が手を叩く方へ」を次々とパフォーマンス。MCでは、33rdシングル収録の「おひとりさま天国」で自身初の表題曲センターを託され、このツアーをけん引してきた5期生の井上が思いを述べた。

 ステージの中心に立った井上は「楽しかったっていうことよりも、安心感の方が強いです。ここまでこれたぞって、ここまで頑張れたぞっていう思いの方が強いです」と吐露。昨年、仕事の姿勢や人との接し方を尊敬する「ある先輩」から「私は身近な人に尊敬してもらえるようなことが目標」「(井上)和ちゃんにもそんな人になってほしい」と書かれた手紙をもらったと明かした。

 スピーチは続き、周囲の頑張りを認めながらも、ツアーでは「できないことも多くて、素直になれなかったり、メンバーとかスタッフさんにたくさん迷惑かけたなと思うんですけど…」と涙を溜めながら回想。「頑張れー!」という声援が飛び交う客席を前に「自分に対して甘く評価しても、あんまり、尊敬している人にはなれてなかったなって思ってるんですけど…。私も、もっともっと誰かの期待に応えられるような人になりたいし、もっともっと希望を与えられるような人になりたいなって思います。
そして、この乃木坂46が誰かの頑張る理由になれるように、頑張ります」と力強く決意した。

 本編最後に歌い上げた「おひとりさま天国」では、メンバーが軽やかに躍動。パフォーマンスの中心を担った井上は堂々とした表情を見せ、曲の終盤ではステージ上空に盛大な460発の花火が舞った。

 何度も繰り返される観客の「乃木坂!」「46!」コールを受けて、アンコールへ。「夏のFree&Easy」に続く「ダンケシェーン」のラストで山下が「やっぱ乃木坂だな!」と決めゼリフを叫ぶと観客も「だな!」と声を張り上げ、「僕だけの光」までの3曲で会場が一体感を強めた。

 MCでは、ステージの中心に立った山下がグループを代表してスピーチ。「人は夢を二度見る」の披露後は、五百城、松尾が観客の声援を受けながらツアーを振り返った。

 夏を締めくくる公演は、客席が“紫”の光に染まる中で披露した「乃木坂の詩」で終幕。ツアーを走り切った梅澤が「怖さも不安もあったけど、確実に私たちの成長につながっていました。今、先輩たちの後をしっかり受け継げたと、証明できたと思います。私たちが、乃木坂46です!」と涙声で叫ぶと、観客は盛大な拍手で称えた。

 最後は「未来も全部まとめて愛して、みんなで前へ進んでいきます。
これからも私たちを信じて付いてきてくださるとうれしいです。この夏、たくさんの愛を届けてくださり、ありがとうございました。最高のツアーでした!」と観客に力強いメッセージを届け、涙を浮かべるメンバーと共に繰り返し感謝を伝えてステージをあとにした。

■乃木坂46「真夏の全国ツアー2023」最終日セットリスト

 乃木坂46「真夏の全国ツアー2023」最終日のセットリストは、以下の通り。

OVERTURE
M1:裸足でSummer
M2:ジコチューで行こう!
M3:好きというのはロックだぜ!
M4:太陽ノック
M5:ガールズルール
M6:意外BREAK
M7:Am I Loving?
M8:自惚れビーチ
M9:空扉
M10:他人のそら似
M11:君に叱られた
M12:僕は僕を好きになる
M13:夜明けまで強がらなくてもいい
M14:踏んでしまった
M15:錆びたコンパス
M16:Hard to say
M17:Never say never
M18:シンクロニシティ
M19:誰かの肩
M20:絶望の一秒前
M21:4番目の光
M22:三番目の風
M23:設定温度
M24:ごめんねFingers crossed
M25:Actually...
M26:逃げ水
M27:バンドエイド剥がすような別れ方
M28:I see...
M29:僕が手を叩く方へ
M30:おひとりさま天国

EN1:夏のFree&Easy
EN2:ダンケシェーン
EN3:僕だけの光
EN4:人は夢を二度見る
EN5:乃木坂の詩

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