黒柳徹子の著書『窓ぎわのトットちゃん』(講談社)が、「最も多く発行された単⼀著者による自叙伝」としてギネス世界記録に認定された。記録対象部数は2511万3862部(2023年9月末の全世界累計)となっている。



【写真】『窓ぎわのトットちゃん』ギネス世界記録を喜ぶ黒柳徹子

 本作は、落ち着きがないことを理由に小学校を退学になったこと、新しく通うことになったトモエ学園のことなど、黒柳の子供時代を書いた伝記。1981年の発売から現在まで108刷を重ねる(81年発行のオリジナル)単行本だけで585万部を売り上げ、戦後最大のベストセラーを記録した。現在は初の映像化となるアニメ映画『窓ぎわのトットちゃん』も公開中。

 文庫版などの形態を含めると国内で800万部以上、全世界では2500万部を突破。20以上の言語で翻訳、中国では児童文学として位置づけられ、小学校の教科書にも収録されている。

 2023年12月14日にギネスワールドレコーズから認定証が贈られ、「最も多く発行された単⼀著者による自叙伝(Most copies published for an autobiographical memoir by a single author)としてギネス世界記録に認定された。


 なお2023年9月12日には、放送1万2100回を突破した『徹子の部屋』(テレビ朝日)も「同⼀司会者によるトーク番組の最多放送(Most TV talk show episodes hosted by the same presenter)」でギネス世界記録を更新した。

 黒柳は、「今回、自叙伝という形でギネス世界記録に認定いただいたこと心から嬉しく思います。前に、イギリスの方に『トットちゃんを読むと自由な気持ちになれる、それがすごくいいんだ』って仰っていただいて、そういうところが日本だけでなく海外の読者にも受け入れられたのかなと思うと嬉しいですね」と喜びを明かす。

 この先どんな方に読んでもらいたいか、という質問には、「これからも小さな子供や、若い方に読んでいただいて、優しい気持ちになってもらったり、小林先生のような自由なものの考え方をしてもいいんだと思ってくださったらと思います」とコメントしている。

<黒柳徹子コメント全文>

――ギネス世界記録を取られての率直な思いをお聞かせください

 わー嬉しいです。そうですね、今度の理由は、1人(単独)で書いた自叙伝ということで、これまで伝記というのは他人が書いた作品はたくさんあったが、本人が書いた、自叙伝という形でもらえたということは嬉しいことだと思います。
もともと自叙伝なんて書く気はなかったんですけど、(トモエ学園の)小林先生のことや、自分の子供の時のことを書いておきたいと、割と純粋な気持ちで書いたんですが、このような栄誉をいただけることになって、心から嬉しく思います。ありがとうございました。

――このギネス世界記録について、日本よりも海外での方が発行部数が多いのですが、そうして世界中で読まれている一番の理由は何だと思いますか?

 私もわからないですけど、前にイギリス人の方がおっしゃっていたのは、「自由な気持ちになれる、それがすごくいいんだ」っておっしゃってたんで、そういうところかなと思います。

――トモエ学園時代のトットちゃんが、誰かに「やったよ!」と伝えるとしたら、まず一番に誰に報告したいと思われますか?

 やっぱり(友達の)泰明ちゃんかな。きっと泰明ちゃんは喜んでくれると思います。泰明ちゃんは、だいぶ前に亡くなってしまってたので、いま生きている人では、アメリカにいるタイちゃんが物理学者になってるんですけど、そのタイちゃんは、私がお相撲で投げ飛ばして、「君をお嫁さんにしてあげないよ」って言った子なんですけど、この前日本に来た時に、相当すごい物理学者になっていて、いろんな話をしたんですけども、このことなんかも話したらきっと喜んでくれると思います。


――この先どんな方に読んでもらいたいでしょうか?

 そうですね、やっぱり小さい子供で、若い方に読んでいただいて、優しい気持ちとか、それから「小林先生のような自由なものの考え方をしてもいいんだ!」と思ってくださるような方々に読んでいただけたらと思います。