イタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ監督が、1858年に起きた「エドガルド・モルターラ誘拐事件」に迫った衝撃作『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』が、4月26日より公開されることが決定。日本版ティザービジュアルが解禁された。



【写真】巨匠マルコ・ベロッキオ、イタリアマフィア史上最大のミステリーを映画化

 本作は、ユダヤ人街で家族と共に暮らしていた7歳を迎える男児エドガルドが、「何者かに洗礼を受けた」という情報により教会に連れ去られてしまった史実「エドガルド・モルターラ誘拐事件」を映画化。2023年東京国際映画祭ガラ・セレクションにて上映された際は大きな反響を呼んだ。スティーヴン・スピルバーグが魅了され、映画化に向けて書籍の原作権を押さえていたことでも知られている。

 昨年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門出品を皮切りに世界中の映画祭で上映され、イタリア映画記者組合が選出するナストロ・ダルジェント賞では7部門(作品賞/監督賞/脚本賞/主演女優賞/助演男優賞/編集賞/グリエルモ・ビラーギ賞)を受賞。メディアからは「イタリア映画史上、屈指の冷酷さを誇るエンディング」(Micromega)、「実話であるということが、何より恐ろしい。絶対権力と市井の民、その間に存在する暴力と冷笑の不均衡を描く」(Wired Italy)、「ベロッキオ監督作の中で最も挑戦的」(Esquire)などと評され、その知られざる実話の衝撃と、85歳にして熱量衰えぬベロッキオによる高濃度で活写されたドラマが高い評価を得ている。


 1858年、ボローニャのユダヤ人街で、教皇から派遣された兵士たちがモルターラ家に押し入る。枢機卿の命令で、7歳になる息子エドガルドを連れ去りに来たのだ。取り乱したエドガルドの両親は、息子を取り戻すためにあらゆる手を尽くす。世論と国際的なユダヤ人社会に支えられ、モルターラ夫妻の闘いは急速に政治的な局面を迎える。しかし、教会とローマ教皇は、ますます揺らぎつつある権力を強化するために、エドガルドの返還に応じようとしなかった…。

 1800年代の外国の話としてすませることができないほどのリアリティをもって、今を生きる我々に迫って来る本作。
スピルバーグは7歳のエドガルド役が見つからず映像化を断念したが、ベロッキオ監督は新星エネア・サラを抜てき。日本版ティザービジュアルでは、エネア演じるエドガルドが前を見つめる姿と、彼を抱いている教会の絶対権力の象徴である教皇が薄い笑みを浮かべる姿が描かれ、横には「なぜ、僕だったの?」という衝撃の物語を予感させるコピーが添えられている。

 映画『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』は、4月26日よりYEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開。