赤楚衛二が主演を務め、錦戸亮芳根京子らと共演する木曜劇場『Re:リベンジ‐欲望の果てに‐』(フジテレビ系/毎週木曜22時)。第1話から欲と謎にまみれた登場人物が織りなすスピーディーな物語に惹きこまれる視聴者が続出、大きな反響を集めている。

第1話ラストで衝撃の展開を迎えた主人公・天堂海斗を演じる赤楚に、本作に懸ける思いを聞いた。

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◆えぐみのあるキャラクターにプレッシャーも感じる

 本作は、巨大病院で巻き起こる権力争いをきっかけに、さまざまな事件が起こり、登場人物たちの「野心」と「復讐心」が入り乱れ、人間の内に秘めた「欲望」がむき出しになっていくリベンジサスペンス。

 赤楚演じる天堂海斗と錦戸演じる大友郁弥…2人の出会いと、その2人を取り巻く登場人物たちの「欲望」がむき出しになっていく時、巨大病院を舞台とした権力闘争は大きく拍車がかかっていく。果たして、「野心」と「復讐心」が入り乱れ、「欲望」に食い尽くされた者たちの先に待つ未来とは―?

 赤楚はフジテレビ連続ドラマの主演は初めて。「精一杯頑張って皆さんにこの『Re:リベンジ』を、面白いものを届けられるように頑張っていきたい」と意気込む。

 本作の魅力について尋ねると、「今回のテーマは、“人の欲望の果て”。
人が自分の器の範囲を超えた欲望=“野望”を持った時に起こしてしまう行動原理が生々しく描かれている。普段は蓋をして生きている欲望や野望をさらけ出している脚本にちょっと圧倒されたというか、面白いなって思いました」と熱く語る。「チャレンジになりそうですね。けっこうえぐみのある作品、役なので、これを表現するというのはちょっとプレッシャーでもあるのですが、これを乗り越えたらまた幅が広がるなという楽しみもあります」とも。

 演じる海斗というキャラクターは「創業者がおじいちゃん、父親が理事長という巨大病院の息子なのですが、権力争いを嫌い実家と距離を置いているなか、ある事件を追うために病院に戻ってくる」と解説。「でも海斗自身も、復讐心や、野心、保身、さらには男女の欲望という、さまざまな欲望を持っている」そうで、演じるにあたっては「あまり逆算せず、そこで起こったことを感じて、だんだん積み重ねていって、どう変わっていくか。
あまり持ち込まずに、でも熱量として野心を抱えつつ大きな事件を追いたいという芯を持って演じていこう」と役に向き合っている。赤楚自身との共通点は、「復讐心、僕ないですし。どちらかというとまったりした人間なんで」と笑った。

◆芳根京子とはドラマデビュー作以来9年ぶりの共演

 海斗と対峙する郁弥を演じる錦戸亮とは初共演。「力が抜けていてフラットで優しくて。頼もしい方だなと思いつつ、周りをすごく見られているなという印象があるので、僕も学ばせていただくことは多いと思う」と印象を語る。
「お互い野心を持っているけれど真反対な2人が対峙し合うという関係。立ちはだかる郁弥に対して、海斗がどう攻めていくのか。そのあたりが見どころになっていくと思います」と本人も演技のぶつかり合いを楽しみにしている様子。

 また、海斗の恋人・朝比奈陽月を演じる芳根とは、赤楚の連ドラデビュー作『表参道高校合唱部!』(TBS)以来、9年ぶりの共演だ。「ドラマデビューした作品でご一緒していた女優さんと共演できるのはうれしい」と喜びを語り、「芳根さんはびっくりするくらい透明感があって。陽月というキャラクターの説得力が半端ないなって思いながら接している」そうだ。


 『オモコー』の思い出を聞くと、「当時の僕はまったくドラマについて分かっていなくて。どうやったら爪痕を残せるかってことばかり考えていたろくでもないやつなんです(笑)」と明かし、「本当の学校みたいな感じでしたね。メインの人たちはメインの人たちで集まっていたり、レギュラーの中でも大きく分かれていました。グループに分かれて学校みたいだなと思いつつ、僕はどこにも属さず、いろんな人と分け隔てなくしゃべりたい時にしゃべって、自由な感じでいました。ドラマってこうやって作られていくんだということや、セットの中はこんな感じなんだって客観的に見つつ、全部が勉強でした」と振り返る。

◆3月に30歳に 20代は「遠回りしたことが糧になった」

 赤楚も着実にキャリアを重ね、3月に30歳を迎えた。
「今回の役は振り回されるところから振り回していくところまで、幅広く演じられるようなポジション。それって若すぎても年がいきすぎてもできないと思うので、今僕の年齢にすごくぴったりだなと思います。ちょうどそのタイミングでこの役をやらせていただけるのは本当にうれしい」と巡り合わせに感謝する。

 20代の10年は「もちろんしんどいが9割なんですけど、しんどいことも楽しいこともいろんなことがあった」と振り返る。「自分の成長スピードっていうのは誰と比べるものでもないですが、遠回りしてきたなと思いつつ、遠回りしたところが年齢を重ねていくごとに糧になっている」と語る。「遠回りしたかもしれないけど、この道が正解だったのかなと思いつつ、という20代でした」。
そんな中ターニングポイントになった作品として『仮面ライダービルド』を挙げた。「アルバイト生活を卒業できた一番最初のお仕事。あの作品から意識も変わりました。人様に見られる仕事なんだという意識がより強くなりました」。

 これから始まる30代。赤楚衛二はどんな俳優になっていくのだろう。「30代も苦しみたいなって思いますね。結局苦しまないと自分の範囲を超えられない気がします。自分の器というか、考え方の深さだったり広さだったり、すべてが経験値かなと思うと、本当にしんどいですけど、ハードルや壁を超え続けないといけないなと強く思います」ときっぱり。

 そんな赤楚に欲望の中でも“物欲”=欲しいものを聞いてみた。「全然なくて。なんにもないんですよ、欲しいもの」と答えるが、しかしすぐに、「あ、あった! …ガンプラです。全然あった(笑)。『ガンダムSEED』 のデスティニーガンダムのメタルビルドっていうシリーズのフィギュアが欲しくて買ったんです。でも届くのが7月なんですよ。ずっと欲している状態で、物欲にまみれています(笑)」。そうやんちゃそうな笑顔で教えてくれた。(取材・文:近藤タイスケ 写真:松林満美)

 木曜劇場『Re:リベンジ‐欲望の果てに‐』は、フジテレビ系にて毎週木曜22時放送。