スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務めた映画「ジュラシック・ワールド」3部作が、『金曜ロードショー』(日本テレビ系)にて本日5月17日から3週連続で放送される。今回は、そんな3部作を含むシリーズ全6作を順を追って解説、注目ポイントも紹介する。
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『ジュラシック・パーク』(1993)
古生物学者のアラン・グラント(サム・ニール)、古代植物学者のエリー・サトラー(ローラ・ダーン)、数学者のイアン・マルコム(ジェフ・ゴールドブラム)は、大富豪ハモンド(リチャード・アッテンボロー)がコスタリカ沖のイスラ・ソルナ島に建設した施設に招待される。そこは、最新テクノロジーによって恐竜たちがクローン再生された究極のテーマパーク「ジュラシック・パーク」だった。ハモンドの孫2人と共に体験ツアーに出かけた一行だったが、恐竜の胚を盗もうとするシステムエンジニアの企みにより、コンピューター制御されていた檻から恐竜たちが解放されてしまう…。
マイケル・クライトンによる同名小説にほれ込んだスティーヴン・スピルバーグによって実写化された記念すべきシリーズ第1作。当時の歴代興行収入第1位を塗り替える大ヒットを記録した一因は、もちろん最新鋭だったCGによるVFXだが、現在になって見返してみると、人類が生ける恐竜と対面した感動、そして彼らを人類は到底制御できないと分かってからの恐怖を表現するスピルバーグの演出力、さらにサム・ニールら名優の演技力が、本作を映画史に残る名作へと押し上げたと感じさせる。
『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(1997)
「ジュラシック・パーク」の悲劇から4年。イスラ・ソルナ島には、閉鎖された「パーク」のある「サイトA」と別に、恐竜たちを供給する遺伝子工場としての「サイトB」が存在し、取り残された恐竜たちが今も生き延び繁殖しているという。インジェン社会長のハモンド(アッテンボロー)は、またも数学者のマルコム(ゴールドブラム)を呼び出し、ソルナ島の調査を依頼。前回の一件でこりごりのマルコムだったが、恋人の古生物学者サラ(ジュリアン・ムーア)がすでに島にいることを知り、渋々向かうことに。一方、ハモンドの甥でインジェン社を引き継いだルドロー(アーリス・ハワード)は、恐竜たちを捕獲し、金もうけを企んでいた。
前作大ヒットを受けてクライトンが発表した続編を、スピルバーグが再び実写化。前作で印象的なセリフ回しや、科学倫理の観点から鋭い指摘を投げかけるなど、人気キャラクターとなったマルコム=ゴールドブラムが主人公に“昇格”。
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『ジュラシック・ワールド3』(2001)
サンディエゴの悲劇からさらに4年。古生物学者グラント(ニール)は恐竜の研究を続けていたが、資金繰りに困窮。そんななか、冒険家夫婦のポール(ウィリアム・H・メイシー)とアマンダ(ティア・レオーニ)から、恐竜が棲むイスラ・ソルナ島を空から探索するのにガイドをしてほしいと依頼される。「パーク」での悲劇を引きずるアランはその申し出を渋るも、研究費を工面し、島には着陸しないという条件で、助手のビリー(アレッサンドロ・ニボラ)と共に参加することに。しかし、夫婦の真の目的は、2ヵ月前にパラセイリングの事故で島に漂着した息子エリック(トレバー・モーガン)を探し出すことだった…。
第1作の主人公グラントが復帰し、サトラー(ローラ)も登場するなどシリーズのファンがうれしくなる第3作。前作に続き、グラントが研究資金につられて危険な島に舞い戻ってしまうのは、貧しい研究者の悲しき性か…。『ファーゴ』などで知られるメイシーが、頼りないながらも息子のために奮闘する父親を好演している。
『ジュラシック・ワールド』(2015)
「ジュラシック・パーク」の悲劇から22年、当時の会社は買収され、新たな恐竜のテーマパーク「ジュラシック・ワールド」がオープン。恐竜たちを間近に見られ、触れ合うことができる高級リゾートとして人気になっていた。ところが、パークの成功のために遺伝子組み換えによって作り出された大型恐竜インドミナス・レックスは、高い知性と攻撃性を備え、隔離施設を脱走。
前作から約14年。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズなどで知られるハリウッドスター、クリス・プラットを主人公にすえ、ブライス・ダラス・ハワードと共演するシリーズ第4作にして「ワールド」3部作の第1作。ストーリー展開は「パーク」1とほぼ同じで、リメイクとすら言えるぐらいだが、プレオープンだった「パーク」と違い、すでに人気になっている設定の「ワールド」は本当に楽しそう! そのほかパワーアップしているのは人間のおろかさ。なんと恐竜たちを“兵器”として利用する勢力が登場し、「よせばいいのに…」と思いながら見ていると、案の定酷い目にあい、その企みは頓挫する。『金曜ロードショー』で本日放送される。
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『ジュラシック・ワールド 炎の王国』(2018)
「ジュラシック・ワールド」が恐竜たちによって破壊されてから3年。島の火山が活発な活動を始め、恐竜たちは絶滅の危機にひんすることに。恐竜たちを見放し絶滅させるのか、保護するのか、人類は選択を迫られる。「ワールド」運用管理者から恐竜保護団体に転身したクレア(ハワード)は、元恐竜監視員のオーウェン(プラット)と共に、恐竜たちを移住させるために島に戻ることに。
「ワールド」第2作。前作からのオーウェン&クレアコンビの息はバッチリ。
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022)
火山噴火の危機から救出された恐竜たちが、世界中へと解き放たれてしまってから4年。地球上の各地に恐竜たちがすみ着くようになり、地球は人類と恐竜が混在する新しい世界、まさに文字通り「ジュラシック・ワールド」と化していた。恐竜の保護活動を続けるオーウェンとクレアは人里離れた山小屋で暮らしていた。ある日、オーウェンはかつて心を通わせた恐竜ブルーと、その子どもに再会。ところが、何者かによって、ブルーの子どもが誘拐されてしまう。オーウェンはブルーに「俺が取り戻してやる」と約束し、救出へ向かうのだった。
シリーズ最新作にして3部作完結編。