テレビアニメ『チ。―地球の運動について―』が、10月よりNHK総合にて放送されることが決定。
【動画】待望のアニメ化! 『チ。 ―地球の運動について―』ティザー映像
本作は、第26回手塚治虫文化賞のマンガ大賞ほか数々の賞を席巻した、魚豊による同名漫画のアニメ化。地動説を証明することに自らの信念と命を懸けた者たちの物語だ。
舞台は15世紀のヨーロッパ某国。飛び級で大学への進学を認められた神童・ラファウ。彼は周囲の期待に応え、当時最も重要とされていた神学を専攻すると宣言。が、以前から熱心に打ち込んでいる天文への情熱は捨てられずにいた。ある日、彼はフベルトという謎めいた学者と出会う。異端思想に基づく禁忌に触れたため拷問を受け、投獄されていたというフベルト。彼が研究していたのは、宇宙に関する衝撃的な「ある仮説」だった――。
このたび解禁されたのは、神童ラファウの「この世はバカばっかりだ」という独白から始まり、最後には彼の「今から地球を動かす」というセリフで締めくくられるティザー映像。
あわせて解禁されティザービジュアルは、地球から宇宙を観察しているラファウの様子が描かれている。さらに美しい夜空を眺めるラファウや、不敵な笑みが暗闇に浮かび上がる異端審問官ノヴァク、強い信念を目に宿したフベルトなどを切り取った場面カット10点も解禁された。
また、神童ラファウを坂本真綾、異端審査官ノヴァクを津田健次郎、謎の学者フベルトに速水奨が決定した。追加キャストも順次発表される予定だ。
原作者の魚豊は今回のテレビアニメ化決定に際し、「決定した制作会社さんや、それ以外のスタッフ、キャスト、放送局、音楽などをお聞きすると、全て「本当に?」と疑うくらい好条件で、いまだに夢のままの様で、現実感がありません」と喜びのコメントを寄せた。
ラファウを演じる坂本は「原作ファンのひとりとして使命感を持って臨みました」、ノヴァクを演じた津田は「命懸けで自分の信じたものを貫く強さ、人間達の強烈なドラマ、簡単には掴めないテーマ、様々な要素を孕んだエンタテイメントです」と作品の出来に自信を覗かせ、フベルトを演じた速水は「享受する娯楽作品ではありません。心の痛みを共有して、想像の翼をいっぱい拡げて『チ』をご覧ください」とメッセージを寄せた。
さらに、アニメ化に伴い、書籍・商品の出版活動も開始された。『チ。
アニメ『チ。―地球の運動について―』は、NHK総合にて10月より毎週土曜午後23時45分放送予定。
※キャスト、原作者・魚豊のコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■魚豊
――アニメ化をお聞きした際の感想。
純粋にとても嬉しかったです。アニメ化は1つの夢でしたが、いざ決定した制作会社さんや、それ以外のスタッフ、キャスト、放送局、音楽などをお聞きすると、全て「本当に?」と疑うくらい好条件で、いまだに夢のままの様で、現実感がありません。
あとマッドハウスさんは、学生時代毎週通っていた友人宅の近くにあったので、アニメの話を聞くたびに学生時代が想起されて、色々と感慨深いです。
――アニメに期待している事。
漫画は良くも悪くも個人作業の面が強く、かなりの事を"自分ごと"に出来てしまうので、だからこそ、他のメディアに移された時に、自分のものでなくなる様な感覚を期待しています。切り離された他人事として見られる気がして、それがとても嬉しいです。
――ファンに向けて一言。
原作が完結して2年経ちますが、製作陣の皆様によってフレッシュに"再生"させていただきましたアニメ版『チ。』を、僕もみなさまと同じ一視聴者として、とても楽しみにしています。絶対面白いです!
■坂本真綾(ラファウ役)
――原作・台本を読んだ時の感想。
もともと原作の大ファンで、大きな感動をいただいていました。オーディションのお誘いをいただいた時には嬉しさと興奮、そして、まさかのラファウ役?!と衝撃を受けました。難しい役どころであるとわかっていたので緊張しました。
――演じられたラファウについて。
この壮大な物語の起点を担う、大事な役割を持ったキャラクターです。
――ファンに向けて一言。
ラファウ役を女性が演じることを意外に思う方もいるかもしれません。でもオーディションを受けて選んでいただいたからには、これぞラファウだと思っていただけるような仕事をしなければと、原作ファンのひとりとして使命感を持って臨みました。違和感なく楽しんでいただけると信じています。
■津田健次郎(ノヴァク役)
――原作・台本を読んだ時の感想。
命懸けで地動説に挑む主人公達と弾圧していく体制側の人間たちの強烈なドラマ。感動しました。夜空を見上げる事が神聖な行為に思える程に。そして、タイトルの深さよ。
――演じられたノヴァクについて。
なんとも魅力的な悪役です。
――ファンに向けて一言。
命懸けで自分の信じたものを貫く強さ、人間達の強烈なドラマ、簡単には掴めないテーマ、様々な要素を孕んだエンタテイメントです。是非ご覧下さい。
■速水奨(フベルト役)
――原作・台本を読んだ時の感想。
信仰が権威を持ち、真実よりも為政者の都合が優先される世界。物語だけでなく、人間の集合体では良くある事。諦観の中、生きるか、それとも…歯ぎしりするほどの悔しさ、悲しみを感じながら読みました。
――演じられたフベルトについて。
怜悧な頭脳と、迸る情熱。圧政に屈することなく、いや理性では屈しても、真理を、解を希求する熱に冒され「地動説」に魅せられる。
――ファンに向けて一言。
享受する娯楽作品ではありません。心の痛みを共有して、想像の翼をいっぱい拡げて「チ」をご覧ください。