先日、米ニューメキシコ州サンタフェの自宅で妻と愛犬1匹とともに亡くなっているところを発見された名優ジーン・ハックマンさん。遺体の一部ミイラ化が伝えられているが、遺体の状態が良くないことが、捜査の難航を招いているようだ。



【写真】『フレンチ・コネクション』で第44回アカデミー主演男優賞を受賞した際のジーンさん

 現地時間2月26日、妻でピアニストのベッツィ・アラカワさん(63)と、愛犬1匹ともに亡くなっているのが発見されたハックマンさん(95)。アラカワさんの遺体には、腐敗や顔の膨張、手足にミイラ化が見られ、ハックマンさんの遺体もそれに近い状態だったと伝えられ、発見から10日以上経った今も、死因が発表されていない。

 Peopleによると、「腐敗が進んだり、長く放置された遺体が発見された場合、特に発見まで時間がかかった遺体はそうですが、捜査の過程でまず問われるのは死亡時刻です」と法病理学者のジュディ・メリネクがコメント。「ですが、遺体がひどく腐敗してしまうと、信頼性の高い解剖学的な指標を得られなくなる傾向があります」と説明する。亡くなってから早い時期ならば、死後硬直や遺体の温度といった数値を元に、死亡時刻を絞りこむことが出来るが、遺体の腐敗が進むと、これが困難になるそうだ。これを踏まえ、当局では、「現場で発見されたものや、状況証拠を元に」捜査を進めているのではないかと指摘する。

 また、コネチカット州観察医務局の主任検死官ジェームズ・ギルは、アラカワさんの近くにヒーターがあったことに触れ、ヒーターが点いていたとしたら、乾燥するためにミイラ化が加速すると指摘。発見された場所や環境など、全ての要素が遺体の保存状態に影響すると述べ、「ミイラ化してしまうと、2人の死の時系列の判断が不可能になります」と話しているそうだ。

 なお、当初は一酸化炭素中毒によるものではないかと指摘されたが、当局ではこの可能性を排除したことを明らかにしている。

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