監督・呉美保×脚本・高田亮のコンビによる完全オリジナル新作映画『ふつうの子ども』に、蒼井優、風間俊介、瀧内公美の出演が決定。あわせて、ポスタービジュアルが解禁された。



【動画】唯士とクラスメイトたちの日常風景を切り取る『ふつうの子ども』特報

 本作は、国内外で高い評価を得た『そこのみにて光輝く』(14)『きみはいい子』(15)の監督・呉美保と脚本・高田亮のコンビが三たび手を組んだ最新作。自らも親となった監督と脚本家の2人が、今の日本に生きる子どもたちと、彼らと同じ時間に向き合う大人たちにフォーカスした、「ありそうでなかった子ども映画」だ。

 上田唯士、10歳、小学4年生。生き物が好きな、いたってふつうの男子。そんな彼が恋をした。相手は、“環境問題・意識高い系女子”の三宅心愛。彼女に近づこうと、心愛が夢中になっている“環境活動”を共にすることに。そこにクラスのちょっぴり問題児・橋本陽斗も加わり、3人が始めた活動は思わぬ方向に―。

 今回、主人公の子どもたちを取り巻く“大人たち”のキャストが解禁された。実力派キャストが子どもたちの世界に別の角度から切り込み、大人もまた答えのない人生と相対する様を体現する。

 唯士の母親・恵子を演じるのは、蒼井優。育児に悩みながらも、我が子を信じ、褒めて伸ばそうとする母親を、丁寧に、そして温かく演じる。
出演にあたって蒼井は本作について、「完成した映画は、スクリーンに映る彼らの夏であり、30年前の私の夏であり、娘の未来の夏だと思いました」とコメントを寄せた。

 唯士の担任教師・浅井役には風間俊介。確かな演技力に定評のある風間が、30人の生徒たちと日々向き合う小学校教師という役柄を自然体で演じた。風間は「子どもたちが集まった結果、物語が紡がれていった様に感じる、『そのまま』が詰まった映画だと思います」と語る。

 心愛の母親・冬役を演じたのは瀧内公美。登場シーンは限られていながらも、強烈な印象を残す役どころを演じた瀧内は、撮影現場を振り返り、「子どもたちと呉美保監督、時に呉美保先生とのやり取りがとにかく可愛くて愛おしくて、純真なこころに何度も触れました」とコメントを寄せた。

 加えて本日がこどもの日ということで、唯士役の嶋田鉄太、心愛役の瑠璃、陽斗役の味元耀大から撮影時の思い出など個性あふれるコメントも到着している。

 あわせて解禁となったポスタービジュアルは、心愛の隣に座り話しかけようとする唯士と、そんな彼に見向きもせずに環境問題の本を熱心に読む心愛。2人の表情のコントラストが物語の始まりを想起させる場面に、“いつだって、世界は「好き」で、まわってる”というコピーが添えられた。さらに、唯士とクラスメイトたちの日常風景を切り取った特報映像も解禁となった。

 また、本作が、第65回ズリーン国際映画祭長編映画部門インターナショナル・コンペティション子供部門に正式出品されることが決定した。チェコの東部の州ズリーンにて開催される本映画祭は、世界で最も古い子ども向け映画祭の1つであり、今年は5月29日から開催され、本作のワールドプレミアとなる上映には呉美保監督も参加予定だ。
その他、第24回ニューヨーク・アジアン映画祭など海外の映画祭への出品が決定している。

 映画『ふつうの子ども』は、9月5日より全国公開。

※蒼井優、風間俊介、瀧内公美ほかのコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■蒼井優

 台本に詰まっている、夏のにおい、陽射し、足音、湿度、勢い。これらを全て映画館で体感できたらと思いました。完成した映画は、台本で感じた以上の夏でした。

 スクリーンに映る彼らの夏であり、30年前の私の夏であり、娘の未来の夏だと思いました。ご覧になるみなさんがどんな夏を感じられるのかとても楽しみです。

■風間俊介

 子どもたちが生き生きと撮影に臨んでいたのがとても印象的でした。物語の為に集まったのではなく、子どもたちが集まった結果、物語が紡がれていった様に感じる、『そのまま』が詰まった映画だと思います。その空気を澱ませないようにと心に決め、現場に向かっていた作品です。子どもたちの映画ですが、大人にこそ観てもらいたい映画です。


■瀧内公美

 ひと夏の思い出が紡がれていく様を映像が残していく。子どもたちの記録映画のような中で、お邪魔しないように注意を払いながら現場にいたことを覚えています。子どもたちと呉美保監督、時に呉美保先生とのやり取りがとにかく可愛くて愛おしくて、純真なこころに何度も触れました。あの瞬間にしか切りとることのできない、瑞々(みずみず)しい日々がみなさんにも届きますように。

■嶋田鉄太 

 僕が今回の撮影で印象に残ったことは、駐車場の撮影のシーンです。車に排気ガスを出すな! などの、貼り紙をするのですが、衣装を自分で決めて良いと言われ、調子に乗り、夏場で暑いのに、「冬でもきねぇよ」と言われてしまうぐらいの服装にしてしまい、死にそうになりました。

 さらにもう1つ印象に残っているシーンがあり、それは、心愛を探しに図書館に行き、見つけた心愛が神のように輝いて見えるという、図書館でのシーンです。ぼくは図書館の雰囲気が嫌いなのかとても気持ち悪くなり、少し寝込んでしまい、撮影が中断してしまいました。あの記憶はとても苦い思い出ですが、大変なこともあったけど、みんなと仲良く楽しく、良い映画が作れたと思います。

■瑠璃

 私はこの映画が初めての映画出演でした。私たち子どもにとって、普通の日常が映画になっただけなのに、とっても面白くて感動して映画ってすごいなぁって思いました。撮影が朝から夜までの時は集中力が切れないように3人でお昼寝したことも思い出です。
たくさんの人に支えてもらって、この映画に出れたのをとても誇らしく思っています。こんな大切な役に私を選んでくれて、指導までしてくれた監督やスタッフのみなさんにとても感謝をしています。

■味元耀大

 橋本陽斗役の味元耀大です。夏休み中の撮影は毎日とても暑く、みんなの顔が真っ赤になっていることも多かったのですが、スタッフさんがアイスや氷嚢を用意してくださり、とてもありがたかったです。ずっと一緒に撮影していた唯士役の鉄太くん、心愛役の瑠璃さん、監督、プロデューサーさんをはじめ、すべてのスタッフの方々と過ごした夏休みは、僕にとってとても大切な時間になりました。『ふつうの子ども』というタイトルですが、年齢を問わず、たくさんの方々に観てもらいたい作品です。

編集部おすすめ