宮藤官九郎作・演出の大パルコ人⑤オカタイロックオペラ『雨の傍聴席、おんなは裸足…』が、11月6日よりPARCO劇場にて上演が決定した。阿部サダヲと松たか子が離婚調停中の夫婦役を演じる。
【写真】お昼のニュース? 『雨の傍聴席、おんなは裸足…』チラシ
「大パルコ人」は、大人計画とPARCO劇場が共同プロデュースする、宮藤官九郎作・演出によるオリジナルのロックオペラ・シリーズ。後世に残るパワフルでスリリングな傑作ロック・オペラを生みだすことを目指して2009年に第1作を上演、過去4作品を世に放ってきた。
キャストが歌って踊って演奏もする、本シリーズの第1作は、大パルコ人①メカロックオペラ『R2C2~サイボーグなのでバンド辞めます!~』(2009年・PARCO劇場)。2044年の渋谷を舞台に、サイボーグが主導する最終戦争と父子の葛藤が描かれた。続く、大パルコ人②バカロックオペラバカ『高校中パニック!小激突!!』(2013年・PARCO劇場)は、2022年の渋谷バスケットボールストリートで、聖ファイヤーバード高校とグレッチ工業高校が激突。
2033年が舞台の大パルコ人③ステキロックオペラ『サンバイザー兄弟』(2016年・サンシャイン劇場)では、映画『ブルース・ブラザーズ』のような兄弟愛を見せつけた。2021年上演の大パルコ人④マジロックオペラ『愛が世界を救います(ただし屁が出ます)』(PARCO劇場)は、世界を救おうとすると屁が出てしまう男子と、テレパシーが使える女子による2055年のボーイ・ミーツ・ガールだった。
そして新作、大パルコ人⑤オカタイロックオペラ『雨の傍聴席、おんなは裸足…』では、シリーズ史上初めて現代が舞台となり、テーマは、なんと「親バカ」。
離婚を決意しているミュージカル俳優(阿部サダヲ)と演歌歌手(松たか子)の夫婦。2人は息子たち(兄・峯田和伸、弟・黒崎煌代)の親権を巡り、法廷で泥沼の争いを繰り広げる。兄は発達障害がある、だが天才音楽家…かもしれない――。その可能性を信じて疑わない夫婦が、あの手この手で世間の同情を買おうとしたり、過去の恥部や醜聞に乗じて好感度を上げたり下げたりする。
キャストには、シリーズ第1作の大パルコ人①メカロックオペラ『R2C2~サイボーグなのでバンド辞めます!~』以来、16年ぶりのシリーズ登場となる阿部サダヲ。前回は冷凍睡眠から目覚めるバンドのボーカル、パルコム☆田村を演じたが、今回はミュージカル俳優ゆずる役でその魅力を最大に発揮する。ゆずるの妻で演歌歌手のすみれには、2月に公開された主演映画『ファーストキス』も大ヒットした松たか子。宮藤の演出作への出演は今回が初めてとなる。
この夫婦の長男を演じるのは、宮藤脚本の大河ドラマ『いだてん』などで俳優としての活躍も目覚ましい、「銀杏BOYZ」の峯田和伸。次男役には、朝ドラ『ブギウギ』でヒロインの弟役に抜擢された黒崎煌代。
また、舞台『鎌塚氏』シリーズで主演を務め、グループ魂のドラマー“石鹸”としても知られる三宅弘城は、宮藤とともに本シリーズすべてに出演してきた欠かせない存在。剛柔を兼ね備えた演技力で多彩な役柄を演じ分け、本シリーズやグループ魂のライブではサックス演奏も披露してきた少路勇介。宮藤・三宅とともにパンクバンド「画鋲」を結成し、ベーシストとしても活動するミュージシャン・よーかいくんは、第2弾以降の3作に出演している。
歌手として紅白歌合戦にも出場し、バラエティにとどまらず、俳優としても大活躍の藤井隆と、演技の振り幅が広く、第32回読売演劇大賞にて優秀男優賞を受賞した荒川良々は、前回に引き続いて、宮藤のラブコールに応える。
本作の作曲を手掛けるのは、「大パルコ人」③④に続いて怒髪天の上原子友康。SUPER EIGHTらアイドルへの楽曲提供やCMなど幅広く活躍している上原子のキャッチーな楽曲に加え、峯田和伸のロック魂が爆発する曲も登場する。
あわせて公開されたチラシは、シリーズ第1弾から継続してイラストを手掛けるおおひなたごうの「法廷画」。作品への期待感を掻き立てる仕上がりとなっている。
大パルコ人⑤オカタイロックオペラ『雨の傍聴席、おんなは裸足…』は、PARCO劇場(渋谷PARCO 8F)にて11月6日~11月30日上演。2025年12月大阪・仙台公演。
※宮藤官九郎、阿部サダヲ、松たか子ほかのコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■宮藤官九郎
大パルコ人。いろいろ大変過ぎて「今回が最後ということで!」という気持ちで毎回やって来たけどこの秋5回目やります。ロックオペラと謳いながらバックバンドもダンサーも入れず、演奏も歌もダンスも役者だけで何とかするDIYスタイルを貫いて来ました。SF、学園ドラマ、任侠もの、超能力と来て、今回は法廷劇です。
■阿部サダヲ
嬉しいです! 大パルコ人は、まだ渋谷のPARCOが建て替わる前、2009年の『R2C2』以来、超久しぶりです! 『R2C2』は「メカロックオペラ」で、ロックスターの役でしたけど、今回は「オカタイロックオペラ」でミュージカルスターみたいです(笑)。そして奥さんが松さん! 下半期ずっと松さん!(笑) 飽きられないように頑張ります! 他にも舞台でご一緒するの初めての藤井さんや、峯田さん、黒崎くんと、面白いキャストが集まって、楽しい作品になりそうですね!
■松たか子
大パルコ人の世界に飛び込めるような自分でいられますかどうか…。2025年の半年以上御一緒する阿部さんに飽きられませんように。最大限のパワーを持って、このお話に臨みたいと思います。
■峯田和伸
宮藤官九郎さんの脚本を読むのが好きです。宮藤官九郎さんの演出を受けられるのがなにより楽しみです。宮藤官九郎さんとパンクの話をするのが好きです。宮藤官九郎さんとちゃんと目を合わせて話せるようになりたいです。
あとはなにもわかりません。
共演者、スタッフの皆さんと一緒にいい作品を作りたいです。
■三宅弘城
そろそろかなぁなんてウズウズしてた矢先に来ました大パルコ人第5弾。
■荒川良々
まじめロックオペラからオカタイロックオペラに変更になりましたーと言われましたが…いったいはたしてなんなのか? 僕の役は、“悪夢グループの社長”とだけ聞いています。この時点でコメントをする必要があるのか疑問ですが、題名と出演者は決定してるとのことで、いかがでしょうか? さぁ! コノ面子です! なんだか興奮しちゃいます。
■黒崎煌代
お話をいただいたときは本当にうれしくて、マネージャーさんと一緒に大喜びしたことを覚えています。私にとって初めての舞台が「大パルコ人」となります。こんなにありがたいことは、なかなかありません。正直、ドキドキしていますが、楽しみたいと思います! どうぞよろしくお願いいたします!
■少路勇介
4回目の出演が決まり、とても嬉しく思っています。毎回違った空気感がありますが、今回は想像ですが、“大人っぽくてjazzy”な舞台なのかな?!
どちらにせよ、これまでとはまたひと味違う世界観に挑めることが楽しみです。今回もサックス演奏があるので、心地よく深みのある音をお届けできればと思っています。ご覧いただく皆さんにも、その雰囲気を楽しんでいただけたら嬉しいです。あっ完全にサックス奏者寄りのコメントになってしまいましたが、とにかく皆様に楽しんで頂けるよう共演者の方達と楽しんで稽古していきたいと思います。
■よーかいくん
オファーもらったときは、またこの仕事ができるうれしさで空にガッツポーズをきめました! 自分は大パルコ人②からの参加ですが、これがきっかけで東京にやってきた関西人です。③.④と回を重ね出演のたびに「東京に来てよかった」と感動してます。大パルコ人シリーズはやみつきのおもしろさと感動が詰まっているロックオペラで大好きです。宮藤官九郎がギターを持って、頭、心、体、力を振り絞って10人の役者たちと、大好きなロックでオペラをやります。ぶっとびのバカと愛の物語を、大パルコ人でしか体験できないオリジナル曲生演奏にのせてお届けします。
迫力ですよ。そして大笑い間違いなし。観にきてね!
■中井千聖
ついに私も大パルコ人に…! うれしいです。立派な大パルコ人になれるよう、励みます。そして、あこがれの「バンド」も。芝居ができる上に音楽もできるなんて、どんな感覚が待っているのか楽しみでたまりません。心豊かな方々と、私も心を繋げて、みなさまへと届けられるものになればいいなと思います。一緒にいっぱい笑いましょう~。
■藤井隆
再び大パルコ人にお声がけいただいて本当に嬉しいです。前回が稽古から大千穐楽まで毎日、皆さんに振り落とされないように必死でした。宮藤さんをはじめ仲良くしてくださった共演者、スタッフの皆さんのおかげで新しい自分になれた気がして嬉しかったです。今回もタイトルがもう最高です。絶対頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。