第76回カンヌ国際映画祭クラシック部門で上映されたローリング・ストーンズのミューズとして知られるアニタ・パレンバーグのドキュメンタリー映画『アニタ 反逆の女神』より、未公開のホームビデオ映像を含む予告編と場面写真が解禁された。
【動画】アニタ・パレンバーグの様々な表情を映し出す『アニタ 反逆の女神』予告編
ローリング・ストーンズのミューズであり共作者、女優、モデル、ボヘミアン・ロック・シックを象徴するファッションアイコン、そして愛情深い母でもあったアニタ・パレンバーグ(1944~2017)。
本作では、本人の死後に発見された未発表の回顧録(声:スカーレット・ヨハンソン)をもとに、息子マーロン、娘アンジェラ、そして父であるキース・リチャーズが、愛おしくも切実な家族の記憶を語る。さらに、2025年1月30日に亡くなったミック・ジャガーの元恋人でありアニタの親友だったマリアンヌ・フェイスフル、彼女を敬愛するケイト・モスらが、その影響力の計り知れない大きさと深さについて証言する。
予告編は、スカーレット・ヨハンソンが朗読するアニタの独白から始まる。「私は魔女と呼ばれた。尻軽、人殺しとも。演じた人と混同されたのかもしれない」。続いて、ローリング・ストーンズのメンバーと共に飛行機のタラップを降りるシーンへ。アニタとローリング・ストーンズの出会いは1965年。ブライアン・ジョーンズと並ぶアニタ、その2人の向かいには、うつむきがちに座るキースの姿がある。象徴的な3人の関係を示す写真のあとには、キースとアニタがフランスで過ごす様子が映し出される。
キースを訪ねてきた人々が長期間滞在していた様子や、そこで名作が生まれていたことが映像で語られる。
その後、事態は一転し、問題が起きる。「まるでボニーとクライド。荷物と子どもをかかえ、警察の尾行から逃れ続けた」というアニタの独白、そして「母は拘束された」と語る息子マーロンの言葉が続く。キースはそのときの心情を「真っ暗闇だった」と振り返る。
続いて、モノクロのかっこいいアニタの写真が映し出され、彼女を敬愛するスーパーモデルのケイト・モスが、「誰よりもロックスター。私にとっては女性の理想そのもの」と笑顔でコメントする。プライベートなアニタの映像を背景に、キースが「唯一無二ってやつだな。ついていくだけで精一杯でね」と語る。
予告編の中でも「誰より胆の据わった人だった」とも評されるように、潔く、かっこいいアニタ・パレンバーグ。彼女のさまざまな表情が映し出され、映像は幕を閉じる。
あわせて公開された場面写真では、モデルとして活躍するアニタの姿、ブライアン・ジョーンズとの2ショット、元パートナーであるキース・リチャーズと子どもたちとの日常、ケイト・モスとの交流などが切り取られている。プライベートな一面も含め、彼女の自由さ、情熱、そして愛にあふれた魅力を映し出すカットとなっている。
映画『アニタ 反逆の女神』は、10月25日より全国順次公開。