2023年広島から単身で上京し、同年7月期のドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ)でテレビドラマ初出演を果たした17歳の新星・藤崎ゆみあ(※「崎」の正式表記は「たつさき」)。8月25日、26日に放送されるNHK 夜ドラ『藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ シーズン3「みどりの守り神」』では、過酷な運命を背負うヒロイン・深見みどりを熱演。

さらに8月10日放送のNHK プレミアムドラマ『照子と瑠衣』では、風吹ジュン、夏木マリが紡ぐ物語に新たな彩りを加える。岡田准一との共演作Netflix『イクサガミ』の配信も控える彼女の素顔と、その先に見据える未来について語ってもらった。

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◆『みどりの守り神』で藤子・F・不二雄の想像力のすごさに驚き

――ドラマ『みどりの守り神』についてお伺いします。今作への出演はどのような経緯で決まったのでしょうか。

藤崎:『みどりの守り神』は、監督がいつかこの原作を映像化したいと思っていたそうなんですが、企画が決まって私を候補に挙げてくださったみたいで、出演することになりました。私もすぐに原作を読ませていただきました。

――原作の魅力はどんなところに感じましたか?

藤崎:原作を初めて読んで、コールドスリープからすっかり変わり果てた世界が待ち受けていたというストーリー、そしていつか本当に訪れそうなリアルな新宿の絵に、まず引き込まれました。50年ほど前の作品なのに、現代に通じる環境汚染などのテーマが描かれていることに驚き、藤子・F・不二雄さんの想像力のすごさを感じました。

――撮影はいかがでしたか?

藤崎:CGを使うのでグリーンバックでの撮影が多くて、「どうなるんだろう?」と思いながらの撮影でした。頭の中で想像しながらのお芝居になるので、“演じている感”を出さないようにすることが難しくて、モヤモヤすることもありました。原作の絵を思い出しつつ、監督からどういう画になるかを聞いて、想像しながら、とにかくやってみるという感じでした。

――宮沢氷魚さんと共演しての印象を聞かせてください。


藤崎:初めてお会いした時、身長がとても高くて、「美しい!」と思いました。宮沢さんが演じる坂口は、普段は優しいのだけれど、時として暴君な雰囲気になるという感じの男性の役だったので、私もみどりとしてちょっと恐怖を覚えながらも(笑)、実際の宮沢さんが監督と対話していらっしゃる様子がすごく勉強になりました。

◆“大先輩”風吹ジュン&夏木マリとの共演に感激

――次に『照子と瑠衣』についてお伺いします。風吹ジュンさん、夏木マリさんという大先輩との共演はいかがでしたか?

藤崎:長崎での撮影初日がお二人との撮影でした。私、お二人とも大好きなんです。風吹さんとは対話シーンが多かったのですが、目の当たりにして「すごく美しい...」と思いました。真正面でお芝居を拝見して、「すごいな」と思いつつ、「私もちゃんとやらなきゃ」と感じていました。最後には「写真撮ってください」とお願いしたら「いいよ」って可愛らしく答えてくれて、すごくうれしかったです。夏木さんは特に声の印象が強くて、間近で聞いた時に「うわぁ」と感激しました。

――撮影の合間にはどんなお話をされましたか?

藤崎:最初はなかなか話しかけられなかったのですが、だんだんお話できるようになって、お料理の話をさせていただいたりしました。自分も料理が好きなので、お料理へのこだわりを伺うのがすごく楽しかったです。

――2023年に上京して女優デビューをされて以降、様々な作品を経験する中で、ご自身の演技に対する考え方に変化はありましたか?

藤崎:テレビドラマ初出演の『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』の頃は、お芝居の仕方も感覚も分からなかったんですが、『最高の教師』の現場をはじめ、最近では『イクサガミ』の現場などでも、俳優の皆さんが取る一つ一つの行動に意味を感じられた時に「こういう風に考えて生きるんだ」とか、「こういう風に相手の人とディスカッションしてコミュニケーションを取っているんだな」というように、少しずつ学ばせていただいています。


――11月にNetflixで配信予定の『イクサガミ』では岡田准一さんと共演されていますが、藤崎さんにとってどのような経験になりましたか?

藤崎:悩んでいると「やりづらいのはどこなの?」と声を掛けてくださって、「芝居の流れを作った方がいい」とアドバイスをいただきました。私にとっては、まるで“お芝居の父”のような存在でした。

――藤崎さんが今後、挑戦してみたい役柄について聞かせてください。

藤崎:私は部活動をしたことがないので、部活動に所属するような作品にも出てみたいです。それから、上京して家族と離れて過ごしているので、家族モノのお話もいいなと思います。西川美和監督の作品が好きで、小松菜奈さんに憧れているので、いつかお二人とお仕事できたらうれしいなと思っています。

――最後に作品を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

藤崎:『みどりの守り神』は、「家族のために生きよう」とする、坂口とみどりの心境の変化や“新宿”の風景が見どころなんじゃないかなと思います。みどりの意志の強さには私も心動かされるものがあったので、そこは注目してもらいたいです。『照子と瑠衣』では、照子・瑠衣と、これからを生きる“始まりの象徴”のような由奈との対比や、由奈の登場から生まれる新しいものをぜひ見て、応援してくださるとうれしいです。

(取材・文・写真:山田健史)

 夜ドラ『藤子・F・不二雄SF短編ドラマ シーズン3』の『みどりの守り神』は、NHK総合にて前編8月25日・後編8月26日22時45分放送。

 藤崎ゆみあが出演するプレミアムドラマ『照子と瑠衣』第8話は、NHK BSおよびBS プレミアム4Kにて8月10日22時放送。

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