毎熊克哉と大西礼芳が出演する高橋伴明監督の最新作『安楽死特区』が、2026年1月23日より劇場公開されることが決定。ティザービジュアルに加え、高橋監督と原作者・長尾和宏のコメントが解禁された。
【写真】毎熊克哉が桐島聡役 映画『「桐島です」』場面写真ギャラリー
2025年6月、イギリス議会下院は、終末期の成人の「死を選ぶ権利」を認める歴史的な法案を可決した。オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、ポルトガル、ニュージーランド、カナダなどですでに合法化されているが、イギリスで事実上「安楽死」が合法化されれば、日本の世論にも大きな影響を及ぼす可能性が示唆されている。
本作は、近未来の日本で「安楽死法案」が可決され、国家主導で導入された制度のもと、人間の尊厳、生と死、そして愛を問う衝撃の社会派ドラマ。在宅医として2500人以上の看取りを経験してきた医師で作家の長尾和宏による同名小説(ブックマン社刊)を原作に、近未来の日本政府が承認する安楽死の要件を満たしてもなお、葛藤する人々の心情をリアルに描く。
監督は、『痛くない死に方』『夜明けまでバス停で』など、死生観と社会問題に真摯に向き合ってきた高橋伴明。脚本は、『野獣死すべし』『一度も撃ってません』など、日本映画界を代表する脚本家・丸山昇一。現代日本が抱える矛盾と倫理を、鋭く、かつ情感豊かに描き出す。
主人公のカップルは、回復の見込みがない難病を患い、余命半年と宣告されたラッパー・酒匂章太郎と、彼のパートナーでジャーナリストの藤岡歩。安楽死に反対のふたりは、特区の実態を内部から告発することを目的に、国家戦略特区「安楽死特区」への入居を決意するが、入居者たちの多様な境遇と苦悩、そして医師たちとの対話を通じて、心に微細な変化が訪れる。
章太郎役を務めるのは、『「桐島です」』の毎熊克哉。パートナー・歩役には『夜明けまでバス停で』の大西礼芳。特区の実態を告発するために突き進む歩が、章太郎の心境の変化に直面する様は、観る者の心も激しく揺さぶる。
最期のときを迎える患者と、その選択を支える医師、そして愛する者――それぞれの視点が織りなす群像劇である本作は、章太郎と歩の関係を軸に、制度と人間、理想と現実の狭間で揺れ動く人々の姿を描き、見る者一人ひとりに、生と死の根源を見つめさせる静かで重い問いを投げかける。
映画『安楽死特区』は、2026年1月23日公開。
※高橋伴明監督、原作者・長尾和宏のコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■監督:高橋伴明
生き死にを決めるのは大事なこと。生きたいやつと死にたいやつがいる。色んな考え、色んなシチュエーションの人を描く、群像劇にした。本作の撮影を通じ、本人の意思だけでなく、周囲の人の思いを考えるようになり、その気持ちを尊重しながら進めるべきだと感じるようになった。 安楽死という大きなテーマに対抗するには、自分の言葉を持っている人物でないと説得力がないと考え、回復の見込みがない難病を患っている章太郎をラッパーという設定にした。 毎熊演じる章太郎と大西演じる歩が、どうきちんと死を選んでいるかを見てほしい。
■原作:長尾和宏
2021年公開の映画『痛くない死に方』が高橋伴明監督との出会いでした。ズバリ尊厳死がテーマでした。今回は、私の小説『安楽死特区』の映画化です。