アニメ『違国日記』が2026年1月よりABCテレビ、TOKYO MX、BS朝日で放送されることが決定。高代槙生役を沢城みゆき、田汲朝役を森風子が演じることが発表され、キービジュアル第1弾とPV第1弾も公開された。



【動画】沢城みゆき&森風子のセリフも! アニメ『違国日記』PV第1弾

 原作は、2017年から2023年にかけて「FEEL YOUNG」(祥伝社)で連載された、ヤマシタトモコ氏による同名コミック。人見知りな小説家・高代槙生と、その姪で両親を亡くした少女・田汲朝の、手探りで進んでいく同居生活が描かれている。『マンガ大賞 2019』第4位、『このマンガがすごい!2024』オンナ編 第5位、ダ・ヴィンチ「BOOK OF THE YEAR 2023」コミックランキング 第1位などを獲得した話題作で、連載を終えた今なお多くの読者に愛され続けている。

 人見知りの小説家・高代槙生は、姉夫婦の葬式で両親を亡くした姪の田汲朝を、勢いで引き取ることになる。思いがけずはじまった同居生活によって、それまで静かだった槙生の日常は一変。他人と暮らすことに不慣れな性格のため、15歳の朝との生活に不安を感じていた。

 一方、両親を亡くし居場所を見失った朝は、はじめて感じる孤独の中で、母とはまるで違う“大人らしくない”槙生の生き方に触れていく。人づきあいが苦手で孤独を好む槙生と、人懐っこく素直な性格の朝。性格も価値観もまるで違うふたりは、戸惑いながらも、ぎこちない共同生活を始めていく。

 共に、孤独を生きていく2人の、手探りで始まる年の差同居譚(たん)が描かれる。

 アニメーション制作は「夏目友人帳」シリーズなどを手掛ける朱夏が担当する。すでに発表されていたメインスタッフに加えて、新たなスタッフ陣も発表され、コメントも届いた。
新たに公開されたキービジュアル第1弾では、“違う国”に住むかのような、槙生と朝の対照的な日常のワンシーンが描かれており、原作コミックに忠実なキャラクターデザインからも放送への期待が高まる。

 そして、メインキャラクター・高代槙生役は沢城みゆき、田汲朝役は森風子に決定。新PVでは、槙生と朝のセリフも聞くことができる。強い意志を持ちながらも人見知りの一面を持つ槙生を沢城が感情豊かに、無邪気ながらもまだ繊細な状況に置かれている朝を、今作で初めてメインキャラクターを務める森が瑞々しく演じている。

 また、公式Xではキャンペーンも開催中。

 アニメ『違国日記』は、ABCテレビ、TOKYO MX、BS朝日にて2026年1月放送開始。

 キャスト、スタッフ陣のコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■高代槙生役:沢城みゆき

 高代槙生の声を担当させていただくことになりました、沢城みゆきです。なんとか原作から香りたつままの槙生を、限りなく肉声でも継承できないかと集中しましたが…、かつて中学生の女の子と暮らしたことがあったなぁ、と言うような、まるで自らの人生の中に起きたことのように、“朝”を、『違国日記』の収録を思い返します。私は、他者である槙生の言葉をちゃんと口にできていたでしょうか。彼女の砂漠に起立できていたでしょうか。絵と音楽と手を携えて皆様にお会いできる日を、期待と不安いっぱいで静かに待っているところです。


■田汲朝役:森風子

 私事ですが、『違国日記』はアニメのオーディションで初めてお役をいただいた作品です。

 原作を読んで私が一番に思ったことは、「槙生ちゃんに会いたい!」でした。朝としてこの作品に関わることで、その願いを間接的に叶えることができて、とても嬉しく思います。拙い私を支えてくださった皆さんに、心から感謝しています。

 『違国日記』は、人が人に心を掛ける、その難しさと尊さに気付かせてくれる作品です。私が心打たれたものが、少しでも皆様に伝わればと思いながら演じさせていただきました。この作品が、心に砂漠を持つ人のオアシスとなれますように祈っています。アニメ『違国日記』、お楽しみいただければ幸いです。

■監督:大城美幸

 この作品が好きなのでアニメ化したいと声を上げてからかなりの時間が経ってしまいましたが、ようやく叶えることができそうです。

 原作の読後感を大切にしつつ、アニメならではの『違国日記』を表現してみました。素敵な声と音楽と共に楽しんでもらえたら嬉しいです

■構成・脚本:喜安浩平

 最終話の脚本をお渡ししてから2年と半年です。その間、現場が稼働し続けていたことを思うと、今作に限らず世のアニメーションをソファに寝転がってながら見するなど憚られます。
さらに放送までまだ少し時間があり、きっと今も現場は動いているはずです。その粉骨砕身の日々に敬意を表し、その全貌を目の当たりにする瞬間を正座待機で迎えたいと存じます。

 しかしそうなると、私が原作に触れたのは3年以上も前ということで。あの頃と今では、世相も創作を取り巻く諸々も、いくらか様変わりしたような気がしないでもないかもしれませんがどうでしょうか。

 ただ、槙生と朝の、あの二人を取り巻く生活だけは、いつだって変わらずそこに在るのだと信じられます。こんこんと湧く泉のように。誰かと語り合うべき普遍的で大切な物語は、いつだって、たとえ紀元前だって、誰かの孤独で個人的な心の反応と共に生まれてくるのだ。そんな創作の大原則をヤマシタさんと『違国日記』が教えてくれているように思うのです。

 登場人物たちの営みに触れるたび、私は同じ痛みや喜びを味わえる自信があります。ぜひ一緒にご覧ください。

■キャラクターデザイン:羽山賢二

 スタッフ一同精一杯頑張ります。よろしくお願いいたします。


■音楽:牛尾憲輔

 連載時から数年。今、もう一度作品にふれたところ、まったく違う視点をもってまったく違う箇所で心震えたことにびっくりしました。

 年を経て、私は朝でしたでしょうか。槙生でしたでしょうか。それとも葬式の親族? 自問のまま、音楽を作りました。せめて、すべてのひとに寄り添えますように。

…ただ、いくつになっても、乾いた寿司は殺す。

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