『追憶』や『スティング』、『大統領の陰謀』などに出演し、監督としても活躍したほか、サンダンス映画祭を創設したことでも知られるロバート・レッドフォードさんが亡くなった。89歳だった。
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Varietyによると、「ロバート・レッドフォードが2025年9月16日、ユタ州の山間サンダンスの自宅にて、彼が愛した場所で、愛する人々に囲まれて亡くなりました。人々から深く惜しまれることでしょう。遺族のプライバシーへのご配慮をお願いいたします」と代理人が声明で明らかにしたそうだ。
1936年にカリフォルニア州サンタモニカで生まれたロバートさんは、『明日に向って撃て!』(1969)でブレイクを果たし、『スティング』でアカデミー賞候補になるなど、70年代に人気を極めた。映画製作者や監督としても活躍し、初監督作品『普通の人々』でアカデミー賞監督賞のほか、作品賞、助演男優賞、脚色賞を獲得した。
サンダンス映画祭を主催するサンダンス・インスティテュートを立ち上げ、インディペンデント映画の発展に尽力。同映画祭からは、クエンティン・タランティーノら名監督が羽ばたいている。また、環境や人権を訴える活動家としての顔もあった。
同じく環境保護に取り組んでいるレオナルド・ディカプリオは、現地時間16日にインスタグラムを更新し、「俳優、活動家、情熱的な環境保護論者、そして芸術の擁護者。地球を守り、変革を促すという彼の揺るぎない信念は、彼の並外れた才能に匹敵するものでした。彼が与えた影響は、何世代にもわたって受け継がれていくでしょう」と追悼した。
また、ロバートさんの監督作『モンタナの風に抱かれて』で共演したスカーレット・ヨハンソンはPeopleを通じて声明を発表。当時11歳だった彼女のために、時間を掛けて向き合うような「忍耐強く、温かく、親切な人」だったと振り返り、「ボブに演技の可能性を教えられ、彼の寛大さと忍耐力のおかげで、演技の可能性を追求するようになった」とコメント。
そして、『私に向けてくれたのと同じ寛大さと芸術への愛情が、サンダンス映画祭を生み出した。サンダンス映画祭は、映画製作者がお互いから学び、刺激し合い、才能を発見し合う場です」と続け、こう締めくくった。「ボブ、私を信じ、優しく導いてくれてありがとう。あなたは私を含め、多くの芸術家にインスピレーションを与え、より深く、意識的に、創造の限界を押し広げ、もっと探求せよと、刺激してくれました。私達は、生涯感謝し続けることでしょう」。
このほか、イーサン・ホークやコルマン・ドミンゴ、ロージー・オドネル、ジェームズ・ガン監督、ジュリエット・ビノシュ、ベン・スティラー、ロン・ハワード、ベニー・サフディ、スティーヴン・キングらが、それぞれ追悼の意を表した。