映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』より、本日9月23日にブルース・スプリングスティーンが76歳の誕生日を迎えたことを祝して、心揺さぶる本予告が解禁された。
【動画】1982年ニュージャージー、33歳のスプリングスティーンは何と向き合っていたのか——本予告
本作は、ロックの英雄、そしてアメリカの魂と称され、50年にわたって第一線を走り続けるブルース・スプリングスティーンの若き日を描く感動の音楽ドラマ。
今回、The Bossことスプリングスティーンの誕生日に合わせて解禁された本予告は、巨大スタジアムを埋め尽くす観客に向かってスプリングスティーンがギターを振りかざす場面で始まる。だが、ロックンロールの音は遮断され、スプリングスティーンは森の中の一本道を歩きながら「人々が見つめるのは、理想を映した俺の姿」だと独白する。「その裏にあるのは虚しさだった」――マネージャーのジョン・ランダウとスプリングスティーンがニューアルバムについて話し合う。
主演のジェレミー・アレン・ホワイトは、これまでの出演作では見せたことのない演技でロック界のカリスマ、スプリングスティーンを体現している。まさに衝撃の変貌だ。
誰もいないメリーゴーランドの映像に、アカデミー賞(R)ノミネート俳優ジェレミー・ストロングが演じるジョン・ランダウの「彼は、成功や名声を置き去りにすることに罪悪感を抱いていた」という声が重ねられる。本物だけがたどり着く究極の旅――ひっそりと静まった夜、車の中から彼が見つめているのは、今は誰も住んでいないニュージャージーの家。幼き日の姿がモノクロの画面に浮かび上がり、「過去は俺を追いかけ、未来は逃げていく」というモノローグとともに、『アドレセンス』で第77回エミー賞リミテッド・シリーズ部門主演男優賞に輝いたスティーヴン・グレアム演じる父との日々が映し出される。
ロックの魂、その深淵へ。レコード会社を訪れたジョン・ランダウに声をかけた重役は、「次のアルバムは必ず大成功する。それを逃がすわけにはいかない」と一気にまくし立てる。
「本物を探す。この新しい曲は違う」――過去のトラウマと大ヒットを求められるプレッシャーを振り払うかのように、ニュージャージーの自宅にわずか4チャンネルの録音機材を用意したスプリングスティーンは、レコーディングの準備を進めていく。ダイナーで顔を合わせたジョン・ランダウに「今の俺にはそれだけが意味を持つ。それだけが信じられるものだ」と、新アルバム『ネブラスカ』がどんな意味を持つかを伝えると、ランダウは「どんな代償を払っても、手に入れる」のだなと念を押す。こうしてふたりはロックの深淵へと踏み出していく。
そして『ネブラスカ』に収められた名曲「Atlantic City」が流れ始めると、過去と現在、そして未来を象徴するかのように橋が描写される。スプリングスティーンは自宅にこもって創作を続け、ランダウは「キャリアとしては常識外れに見える。だが、それが彼の狙いだ。彼には確かに感じているものがある。とても個人的なことだ」と、レコード会社の重役に誠実に向き合う。
バーで酒を飲む父の大きな背中に恐る恐る手をかけた幼き日、そして突然姿を消した父と再会する成長した今。ふたつの場面が重なり、決して消し去ることのできない過去と未来への重圧を抱えた33歳のスプリングスティーンの葛藤が浮き彫りになっていく。そしてジョン・ランダウの「私たちは信じている。彼の音楽は人々に希望を与える」という言葉が胸を締めつける。
孤独のハイウェイを走るスプリングスティーン、いつも彼を見守るランダウの微笑みが切り取られた後、小さなライヴハウスのステージに立ったスプリングスティーンが「曲作りは答えを出す旅だ。誰かが人生に小さな意味をくれる」と目を輝かせる。
観客の熱狂、恋人とのひととき、砂漠を疾走する車、優しい母との抱擁、スタジオセッションなどの映像が矢継ぎ早に映し出される本予告は、「完璧じゃなくていい、心に響けばいい」とスプリングスティーンの切実な言葉で結ばれる。
映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』は、11月14日より全国公開。